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銃の効かない操縦士  作者: 木樵蝋梅
1日目
6/65

無口キャラって最高だよね

「んなっ…誰だテメエ!?」


「こんにちは。和音•F•アーンドランです。今日はゴミの掃除にきましたー。何も言わず死ねばいい」


私はそのまま兵士の腹にナイフを突き刺し、グリグリと肉をえぐった。


血と肉がクチュクチュと音を立てる。とてつもない快感に私は包まれていた。


「こんの……やろッ!!」


マシンガンの引き金が引かれ、規則的で機械的な音がして、私に弾丸を放った。


どうやら私の能力を知らないらしい。どっちにしても殺すことに変わりはないけど。


弾丸は私にちょこんと触れると、力なく地面に落ちた。


兵士の顔が疑問と恐怖で歪み始め、私は自身の口の端が上がるのを感じる。


ナイフの背の部分、ギザギザの所で兵士の首をえぐった。鮮血が私の体にかかる。


この臭いだ。この鉄臭い生温かい臭い。


その臭いが私の脳を満たし、兵士の悲鳴が耳を楽しませる。


「キャハッ………キャハハハハハッ!!!!」


戦いは私を満たしてくれる。


飛び散る鮮血は目を楽しませてくれる。


兵士の悲鳴は耳を楽しませてくれる。


人間の肉は触れているだけで楽しい。


血の臭いは鼻を使って脳を楽しませる。


血の味は何よりも素晴らしく私を満たす。



私はナイフに付いた血を舌でゆっくりと舐め、舌の上で転がす。


あぁ、何て良き味なのだろうか。


少女にビビる大人の兵士を見ているのも楽しいが、私は悲鳴を聞きたい。


腰を抜かして倒れていた兵士の腹にナイフを刺し、穴を開けた。


人間の鮮やかな血液で真っ赤に染まった美しい腸が見える。


「キャハッ…見てよこれ。こーんなに綺麗で美しいモノが、人間にはあるんだぞ?」


失血死でも少しは意識があるだろう腸の持ち主に[美しいモノ]を見せつけたが、もはや動かない汚らしい男がそこにはいた。


「チッ、だめじゃん。何でこんなに早く死んじまうかな…死体には興味ないのに」


いつもの銃の衝撃よりも強い物が、私の背中を襲った。


爆弾も火薬だから効かないんだけど…なにこれおっきい。撃ってきた物に目を合わせる。


「おいおい。1人に向ける戦力じゃねぇぜこりゃあ。戦車2台たぁ、太っ腹だねぇ。ま、そっちのほうが狩り易いか」


生身よりは楽しみが薄れるが、反抗されてサクッと1刺しで人間コロッといっちまうもんだし、危険ではなくなるけど。上からサクっでおしまい。


戦車から主砲が放たれた。


まだ彼らは理解していないのだろうか。私に弾薬は効かない。


ゴトン、と無効化された弾は地面に落ちた。


お、I have an idea.良いこと思い付いた。


私は左手にナイフを持ち替え、右手で主砲の弾を抱えて兵士の所に走った。


「くそ……畜生、なんだってんだよ!?」


またしてもマシンガン。


馬鹿の一つ覚えですか?これを待っていたのだけれどね。


右手の弾丸を投げてニタァ、と笑う。


弾に銃弾が当たり、引火。その後で起こる事は誰でもわかるだろう。


爆発だ。


私を残して周囲の兵士が皆巻き込まれ、少し離れていた兵士は言った。


「能力所持者だって!?そんなもの、全員把握しているはずなのに!!」


おっと。気付かれたようだ。


「悪いな。私のことに気が付いた人は全員殺してるのだ、全員、死ね」


私はナイフを持ち直して軽く頬を切る。


ちょっとした気合いの入れ直しみたいなものだ。


これをすると、銃弾の反射が適応されるようになる。


勿論、使用のしすぎは禁物だが。


「殺し合いが好きなわけじゃないんだけど、始めちゃったらやめられないんだよ」


残りの兵士を簡単に片付け、奪った戦車に乗り込んだ。服は返り血で汚れていたので、今は脱いで代わりに軍服を着ている。


「はぁ……何とも言えない虚無感」


戦車に乗って貯蔵庫に戻った。



……………

…………

………

……




「ただいまー。………ふぅ。楽しめたな」


私は戦車から降りて、そう呟いた。


どうやら無事にここに着いたようだな。


年ブラザーズの2人も帰っているだろうな。私は少々長く楽しんでしまったし。


「おかえr……あ、あの…和音さん?この戦車やらトラックやら武器やらは何でしょうか?」


お、年時が来たか。ちょうど鉄がいると言っていたし、元々そのために持って返ってきたようなものだ。


これでも足りん何てほざいたらぶっ殺してやろう。


「ちょっと向こうで軍隊に襲撃があってな。略奪してきた。これで[悪魔界の涙](デビルズティア)とやらは作れるだろうな?」


少し自慢しても構わないだろう。


そもそも能力が無ければ到底勝てないものだし。


うん。誉めろ。


「すっげぇ!!ロシア式じゃんこれ!!どうやってこんなもん……グレードアップも出来ると思うぞ!!」


「そうか……ふふふ。私がそんなにすご……え?ロシア式?」


「そうだぜロシア式だ!!この主砲があれば●ンキャノン位なら作れると思っていい」


ガン●ャノンなんぞ作らんでもいいわ。


「いや、キャタピラを使えばガンタ●クも作れるかも……」


「なにがガンキャノ●じゃガ●タンクじゃ!!私が、私が持ってきたのだぞ?のお?ねぎらいは無しか?無しなのか?ぶっ殺すぞ童貞野郎。そろそろその粗末な棒を切り落としてやろうか。なァ、なんとか言ったらどうなんだ?え“?」


「ずびばぜんでじだ」


年時は地面に顔面をこすりつけて頭を下げた。これは知っているぞ。日本式の謝り方、[土下座]と言うのだ。


「わかればいいのだ分かれば。それで、戦力になりそうなのはいたか?能力所持者とか。後グレードアップがどうこう言っていたな。何だ。顔を上げていってみ」


「グレードアップは出来ると思うぜ。能力所持者は戦闘向きのはなし。司令塔向きのが一名。何でも、温度が視認出来るらしい。サーモグラフィーだと思えば潜伏兵を探すのには超向いているな。他は無し」


ちなみに年時は全く顔を上げてくれない。今も地面に話しかけているような残念な人と化していた。


そんなに私が怖いか?これでも顔立ちはいい方だと思っていたのにな。少し残念。


「ふむ。なら奇兵対策としては問題ないな。グレードアップはすぐにでもしてくれ。勿論、彼らに渡すように今のスペックの物も生産、研究を今も行っておけ。いいな?」


そのまま年時は元いた所に戻っていった。


私は汚れた体を洗うため、シャワーを浴びた後、司令部に戻った。


大きな画面に今は幾つもの監視カメラの映像が映っている。


プライバシーのへったくれもないが、こうしたほうが、集団の一番の問題を解決できる。


反逆者の監視が出来るのだ。


私がゆっくりしながら映像を見ていると、年時が部屋に入ってきた。


基本的にはこの司令部に初期3人が自由に入ることができる。


少しばかり私の方が上に見えるのは、適材適所と言うやつだ。


年ブラザーズは人を統率するには人がよすぎる。


「和音、例の能力所持者を連れてきたぜ。名前は綾火[あやか]。ミドルもカタカナも無し。今時珍しくないか?ほら。自己紹介しろって」


「…あ、あの……その………こんにちは……綾火です…その……能力は持っていますが……戦闘向きではないので………その…捨てないで下さい!!」


「私をどんな人間だと思っていたのだ!?」


綾火は長め黒髪ストレートで前髪は切り揃えられていた。


首からは金のネックレスをしていて、実に可愛らしい。変態兵士に捕まらなかった事が驚きだ。視認でA+からB-。ふっ、勝っているな。


無口な感じがまたたまらない。私の嫁にしてやろうか。


能力を使っている時は年日ちゃんのように性格が変わってしまうのだろうか。とても悲しい。


「結婚しないか、綾火」


「そ…そんな…た、確かに…和音さんは…魅力的です…けど……その……わたし……女の子ですし……」


「そんなもん知らぬ。私は残念ながら法になぞ縛られん主義だからな」


「ふぇぇぇ……」


「おいこらやめろ」


能力というモノは言わば生物の進化とでも思ってくれるといい。


人間の強い願望が能力となる。


しかし、能力の開花は一定年齢以下でないと起こらないがな。


飛びたい。と幼少期に思っていれば飛翔能力が身に付く。


私は銃弾を受けたくない、と思ったのだろうな。もう記憶は薄れている。


最近は薬の投与で願望を強くさせて能力を無理に開花させる実験があったらしいが、人体に多大な影響を及ぼすとして、中止となった。


「…私…温度が……視認出来るんですけど…………それってどうするつもり………なんですか?」


「ん?あぁ、それか?潜伏兵の捜索に使えるかなと思ったわけだが……どうした?」


クスクスと綾火は笑っていた。物凄く小さな声だったが、私にはすぐにわかる。


「いや…和音さんって……女の子だったんだなぁ……って」


「私は女っぽくないか?これでも綾火よりは有ると思うが」


「ど、どこみて言ってるんですかぁ!!」


「ふふふ……ますます可愛いな。本当に嫁にするぞ」


「おいこらやめろ」


可愛い後輩が出来たような気分になった。


「あ、そうだ。主旨のこと伝えておけよ?」


「分かっているさそんなこと。勿論な。戦争参加のお知らせだろう?」


「そんな軽々しく戦争を表すな」

次回予告


「ホワイト●ース、発進ッ……おいこら笑うなよ」

ー能力所持者、和音・F・アーンドラン

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