グロくしようとしてもそんなにだから僕健全!
「おー。遅かったな和音。あれか?年日とおんなじで能力使っている時は性格変わったりすんのか?あ、年日は残党を潰しにいったよ。」
私は手当たり次第に兵士を刺し殺し、進んでいるとここについた。ここが司令部か。
大きな画面。大きなキーボード。
大きな……なんだこれは?工具か?
「年時、これって何だ?」
「あー…それなぁ。なんというか…特殊工具だよ。」
特殊工具、ねぇ。
本当に説明が出来ないというか……説明したくない。
この黒光りした棒は絶対に説明してはいけない気がする。
「た、ただいま。兄ちゃん、和音姉ちゃん。全部殲滅してきたよー」
「お疲れ様、年日」
帰ってきたな年日。よかった。
本当に武器を持っていないときは普通なんだな。
私も人の事といっていられるような性格ではないが。
「さって、と。これで俺たちでここを占拠したわけですが、こっからどうする?案がある人間は挙手」
案、か。ないわけではないが、おおっぴらにするほどではないな。
元々私は戦争を止める為なのだ。
協力してくれるのは頼もしいが、無理には言えない。そのための行為ならば構わないだろうか。
「3人だけでは少々戦力が少なすぎる。戦力補強のために周囲の穴に隠れているであろう子供の救出と、年時の[悪魔界の涙」を量産して一般兵にも支給し、戦力を補強。後、能力所持者にはそれの応用の効く武器の調達。やることは大量にあるぞ?」
ひとまずこれは必要であろう。
足りなかった場合、周囲を軍隊で包囲されてしまったらおしまいだ。
あと[悪魔界の涙]の適合者、というのは大袈裟か。操縦に向いているものには上位個体を製作しなければな。
そのほうが戦略が安定するし、実験的な事も出来る。
「えらく具体的な意見だな。俺は嫌いじゃねぇぜ?ま、戦力の補強は俺も考えていたことだし、先にやっちまうか。年日、周辺のマップを開けるか?そこのモニターに表示してくれ」
ほいほーいと言ってカタカタとキーボードを打つ年日の指はありえない速さで動いていた。ブラインドタッチとか、めじゃない。むしろハッカーに近い動きだ。
「周囲のマップは半径1キロメートル圏内のものにしたよ。地形的なポイントだと、この辺りには避難穴は3つ。勢力はそれ程だけど、集めれば製作所位なら落とせるかも。どうするの?」
ひとまずは私たちの穴にいる子供をここに引き入れて戦力とする。簡単なことだ。
貯蔵庫ならば物資を取りにトラックが入ってくるだろうから、それを奪ってしまえばいい。
駆動鎧なら運転手の1人や2人くらい容易い。
「決まっているだろう?ここに第3勢力として軍を結成する。そして戦争に参加し、馬鹿げたこの戦いを終わらせる。これが私、和音•F•アーンドランだ」
私は髪をファサァッとかきあげる。決まったなこれは。うん。
「言ってる事はとってもあってるのに」
「すごくカッコ悪いよ不思議!」
……………どこで間違えたのだ私は。
「チーム名は、[暗闇の鎮圧者]なんてどうだ?」
年時。貴様のセンスど真ん中のはずだ。さぁ、私を見直せ!!
「ちょっとそれは……」
「年日も嫌だなー……」
一体どこで間違えたんだァァァァアアアアアアア!?!?!?
仕方なく、チーム名はデビルレイズになった。
「ここって東軍領地内だったのか?知らなかったぞ」
「それを知らなかった和音の方が不思議だよ」
なんて、簡単な会話をしたあと私は貯蔵庫を出発した。
年日のマップから分かった穴は3つで私は今、その内の1つにトラックで向かっている。
既に元々の穴にいた人物は全員貯蔵庫に入れた。しかもみながみな、2つ返事で承諾してくれた。
今私はどうしてもっと早く行動を起こさなかったのだろうと、後悔していた。
トラックで走っている限りは兵士などは見当たらない。何かあったのだろうか。
どこを見まわしても、鉄クズか土しかないだだっ広い平野。
一体どれくらい進んだのか見当もつかない。
私が向かっているのは人数で言うとやく100人程の比較的大きい穴だ。
一応護身用にアーミーナイフを持ち歩いているが、銃以外の武装をした兵士に出会ってしまってはおしまいだ。
戦時中ということもあって、一般的な同い年よりは運動神経はいいが、それでも殴るかかられると、どうなるのか分からない。
私の能力は銃弾を防ぐものであって、絶対防御ではない。
遠距離射撃で射殺されることはないにしても、危険なのは変わりないのだ。
そうこうしているうちに、穴に到着した。
大きめといっても所詮避難用の穴。人数は100人弱しかいない。
年齢層は5歳位から17歳。
穴で最低限の生活をして18歳になった子供は戦場に駆り出されることが決まっている。
なんでも条約を違反するから18歳までは放置するらしい。そのまえに監禁まがいなことをしていることに自覚はないのだろうか。
「ここにいる、全員に次ぐ。私は救済者だ。貴様らに協力してもらおうと思ってな。協力してくれるのであれば、衣食住を保証しようではないか。その代わりに、貴様らにはこの馬鹿げた戦争を終わらせて欲しいのだ。協力してくれる者はトラックに乗るがいい。案内してやろう」
少し長く話しすぎてしまっただろうか。問題はないがな。ちなみに今のは運転席からスピーカーを使って言ったものだ。
「お姉ちゃん、本当に助けてくれるの?」
トコトコと歩いてきたのは7歳位の少年だった。顔立ちからして、恐らく西から逃げてきたのだろう。額に傷がついている。
「助けてやるとも。その代わり、戦争に参加してもらうがな。悪い条件では無いはずだ。乗るがいい」
少年はコクンと頷くと、トラックの荷台部分に乗った。
免許だァ?そんなもん戦争中に気を付けるのか?大事なのは技術だよ。伊達にマリカーやってない。
「本当、でしょうね?」
お、また来たか。今度は14位の少女。髪は黒いが、目は蒼い。ハーフだろうか。どこか大人っぽい感じにあどけなさを感じる。
「さっきも言ったが、戦争に私の軍の一員として協力してくれるのなら、だ。急げよ。下手すれば軍に見つかって殺されるかもしれんぞ?」
徐々に子供はトラックの中に入っていく。かなり人数が多いな。年時はこれだけの武器を作らないといけないとは。同情すら覚える。
「敵襲だーッ!早く乗り込め!!」
ご忠告どうも、お疲れ様です。やはりきたか。普通は来るだろうな。貯蔵庫を占拠してからかなり時間もたっているし。
さて、一暴れしますか。
「おいオマエ、どこ行くんだ!?敵襲だっていったろ!!!!」
敵襲少年か。フラグ建設ご苦労だったな。それ、もう一仕事しともらおうか。
「貴様はこのトラックで貯蔵庫まで行っておけ。一番近い所だ。すぐわかるさ」
「だからどうだってんだ!オマエはどうするんだよ!?」
ふん。なに、少しばかり坊やには刺激が強いだろうからな。
「心配するな。少し楽しませてもらうだけだ」
声をかけてきた少年は車が運転出来たらしく、トラックを走らせて貯蔵庫に行った。
私はアーミーナイフを懐から取り出し、右手に握り締める。周囲を見渡すと、ざっと兵士は100人程か。
年はまちまちだが、全体的に若い。
恐らく新しく配属になった人間を慣らせるために集めて向かわせた、という当たりだろう。
兵士には満足な装備を与えられず、主にマシンガンなどを手にしている。
潜伏兵が遠くから狙撃してくる場合もあるかもしれないが、そんなものは関係ない。
最も注意すべきは肉弾戦を得意とする人間だ。
いくら能力で銃弾を防げると言っても殴る蹴るには全く意味を成さない。
この能力を補うために、私はただ楽しむだけでなく、対象を怖がらせることで正しい判断能力を削ぎ、手に持っている銃を使わせる。という作戦なら考えている。
と、言ってもただの方便で私はたのしんでいるしかないのだが。
「ん~~~っ。と、さて、楽しませて貰おうかな」
次回予告
「はぁ…なんとも言えない虚無感だな」
ー無銃力空間、和音・F・アーンドラン




