フラグ建設ご苦労様です
高校で運動部って、案外しんどいもんでっすねー(棒)
更に文芸部での小説の課題が重なる。高校の課題が重なる。テニス部の活動が重なる。(言い訳)
くそ……夏休み中には新キャラをちゃんと出せると思ってたのに……
と言うわけで、ただに言い訳でした
突然だが、助けてくれ。
いや、何に襲われてるんだお前は、と言った人には答えよう。俺は今強烈なGに押し潰されそうなんだ。ただ、時速300km/時で飛翔……疾走か。
だって地上から1m位しか離れてないもん。回りの景色とか線にしか見えないし、音もゴォォォォォという俺が風を切る音しか聞こえない。
あの後、加速装置……だったか?をティアに付けて和音と一緒に出発したのだが……あの兄妹は操縦士への負担を無視して設計したんだろうな。
通信は繋がらねぇし、サーバーにアクセスすることもできない。和音に連絡できないのが不安で仕方無い。
ただいま疾走中。生死は不明ってか?どこの三流映画だっつーの。つーか何も食べてこなくて正解だったぜ。ゲロ吐きは年時だけで十分だ。ぜってぇ……吐かねぇ…から……な。
何が10分で着くから我慢してねェーだ。10分がこんなにキツいとか聞いてねぇぞ。そろそろ三分くらいだが、俺の意識が七分も持つ自信はない。となりゃ……もういいか。
寝る。言い訳をして、俺は気絶した。
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目の前に広がっていたのは広く、焼けた平野。建物どころか、木も草も見当たらねぇ。
「ああああああああああああああ!!!」
いるのは人間が六人。そのうち二人は血塗れだった。一方は死んでいて、一方は生きている。生きている方は、泣き叫んでいた。
「ああああああああああああああ!!!」
他の人間は目を伏せている。災難だったな。だが、一人死んだくらいでそう騒いでいても、この戦争は終わらない。
「ああああああああああああああ!!!」
それにしても、俺の視点がおかしい。空から見下ろしているような、神の視点のような。第三者からの視点だった。
「ああああああああああああああ!!!」
誰の顔も見えない。黒い靄がかかったように、塗り潰しされている。だが、あの格好、風貌、体格、その全てに見覚えがある。
「ああああああああああああああ!!!」
あのバンダナ。あの指輪。あの髪。あの少女、叫び続けている少女は。
「あああ………あぁ……うぐっ……ひっく……あぁぁっ……」
そして、倒れている、胴体と頭を分断されてもなお、笑顔を保ち続ける少女は。
「■■ああああああああああああああ!!」
どちらも、知り合いのような気がする。
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『緊急停止!緊急停止!緊急停止!』
「っだぁぁぁもう!うっせぇんだよ!黙れ! 」
俺はティアの警告音で目を覚ました。さっきまで夢を見ていたようだが、もう上手く思い出せない。夢なんてそんなもんだ。そろそろブレーキを踏まないと。
踏むというかボタンなんだが。停止ボタンを押した瞬間。強烈な慣性のなんとかが、俺を襲った。
車で急ブレーキをしたときにちょこっとだけ前に身が出てしまうアレだ。時速300kmでは、直感的ではすまなかった。
俺は派手に頭をぶつけた。
「っ痛~~ッ!っ痛ぇ……おっと。和音、おい。聞こえるか?………」
周囲を見渡しても和音の乗っていた機体は見当たらない。ったく、アイツはどこにいやがる。さっきぶつけた頭がズキズキと痛む。さて、どうしたものか。
少し前の事を思い出してみよう。
俺は先陣を切って出発。そこから周囲とは音信不通。
考えるもクソもねぇじゃねぇか!
どれくらい後に和音が出発したのかもわからない。まぁ、時速300kmでこちらに向かっているのなら、どれだけの時間をかけても10分そこらで到着するだろう。今からこの機体内から無線で連絡をとってみるか?いや待て。ただの無線が50kmも離れた場所に電波が届くもんなのか?いや、届いて貰わないと困る。
『もしもし!?もしもし室咲!?聞こえてんのか室咲!?』
「って何事も無かったかのように届いてんじゃねぇ!俺の建てたフラグとか即行潰しやがって!」
と、言いつつも通信が届いたことには一安心。遭難ですか?そうですか。ということは起こらないですんだ。………おいその冷めた目でみるのやめろ。
俺は操縦席に深く腰掛け、溜め息をついた。映像は届いていなかったものの、こうして音声だけで通信できるのは有り難いことだ。
「それで、和音はどこだ?まったく見当たらないんだが 」
『おっと。到着早々に姫君の心配かぁ?色気付いちまってぇ……あれだ。そんなことしてっと、姫君の嫁さんに背中から刺されんぞ?』
「馬ぁ鹿。そんなんじゃねぇよ。同じ勢力の中の仲間であり、俺が負けた相手だからな。このまま死なれたら、俺の気がすまねぇからな。負けたままで終わるってのは、俺の名が廃るってもんだ」
『……名が廃るって……調味料は結構長持ちするし、賞味期限過ぎても一、二年くらいなら大丈夫だと思うぞ?』
「テメェも調味料っつーんか……俺は調味料じゃねぇっつってんだろうが。あと、期限過ぎたら捨てろ。腹下すぞ」
『だーいじょうぶだってぇー。冷蔵庫入れてたしぃー』
もういいよ年時。お前腹下して苦しんどけ。
『いやさー……そろそろ到着するはずなんだけど……あ、そうだ。そっからはティア降りて行ってくれよ?年日は言うには何かのジャミングがされてるらしいんだ。武器もそこら辺のもん持っていけば良い。火薬トラップは和音が何とかしてくれるから。弾薬は一応ティアに一式乗せてるから、そこのを使ってくれて構わない』
「りょーかいっと………まぁ鉄屑弄りは得意だからな。銃くれぇはこっちで作れるし」
『ってか、お前ってさ、本当に能力持ってないのか?なんか年日みてぇなことするんだな』
「あぁ?あぁ。年日は能力持ちだったっけか?まぁ、俺はただ、そういうんに詳しいだけだ。新型とかには疎い。年日の劣化って所かな」
『まったく……変な薬を体に入れられて年日はあの能力をとったんだぞ……可哀想だっつーの。そろそろ着くと思うから、ちょっと待ってな』
「了解りょーかい」
プチン、という擬音で通信は切れた。なんつー音設定してやがる。通話とかならピッとかあるだろうが。プチンて。若干パニクるわ。
俺は機体から降りて、鉄屑を弄り始める。ドライバー、ネジ、はんだ……まぁそれくらいで作れる。あとバネとか。
穴にいた頃からテメェを何時も弄くってたっけ。よくまぁ能力が発現しなかったな俺。下手したら、もっと構造が知りたいとか思っちまって年日みたいな能力が発現してたかもしれない。ちょっと怖い。
俺は能力を持っていないことを誇りに思っている。それだけ、無欲な人生だったみてぇだな。マリアの名を名乗っている身としては、鼻が高い。
能力というものは、強い思い込み、願いによって発現する。
要は、プラシーボ効果というやつだ。
成長すると、能力のような、【非常識】を信じられなくなる。
例えば、火を自由に操りたい。としようか。自分は火を自由に使いたい。どんな方法でもいいから、自分は火が使いたい。そして、それは次第に、火を操れるという錯覚に変わる。
それが、能力所持者の能力だ。
「…………っと。あとはこれをこうして……あっ」
ネジ足らねぇ。
能力が発現しない理由。それはどこか頭の隅で、【そんなこと、出来るわけがない】と思ってしまう。その時点で、能力は発現しないのだ。
言ってみれば、何歳になっても、能力は発現する。少しでも信じられなかったらお終いだが。
つまり、成長は俺達に常識を与える変わりに、異常ーーー能力を与えてくれなくなる。
「ったく……遅っせぇな……」
何だかんだ俺はアサルトライフルを作り上げていたわけだが。まだ弾を入れていないこともあって、完成かどうかはわからないが、理論上は動くはず。
研究所はここから目測で約500mって所か。これ以上ティアで進めば暴走するらしい。理由はいまいち分からないが。
次に、仕込み用のハンドガン。もし、仮に、だ。研究所に人がいたら、銃を奪われた時の為に隠しておかないといけねぇ事もあって、左手用にする必要はあるが。
弾はまぁ、積んであるだろ。あの兄妹の事だし。
機体に弾があるか確認しようとして、足を掛けると、ビーッビーッという不吉な警告音が鳴り響いた。近くに移動する反応があるのだろう。恐らくは和音だ。やっときたか。
遠方に、金属が太陽光を反射して光る機体を発見した。アレか。和音。
……………えらく早いな。というか止まれるのか?
………いや、いやいやいや。無理じゃね?
……ちょ、突っ込んで来やがった!?
時速約300km/時で和音の機体は突風を巻き起こして、獣のような………手足で地面に捕まって…というか、ブレーキなんて無視して手足で停止した。砂埃がもうなんというか物凄い。
プシュー→パカッ→和音が顔だけ外に出す→髪ファサッ。
一連の動作の流れの後、和音は俺に向かって左手をあげて、よっ、と言わんばかりに挨拶。
「吐いてないか?」
「開口一番にそれはねぇだろうが。もっと何か言うことあるんじゃねぇの?」
うーん……と和音は少し考えるような仕草をしたあと、頬を赤く染める。
「や、ヤらないか?」
「何をだよ!?どうやったらそういう思考になるんですかねぇ!?はい回答三秒以内ッ!」
「はははっ、冗談だ室咲。私に謝罪して欲しいのだろう?では、詫びとして」
「……んだよ」
若干の期待。
「私と今夜は就寝を共にしよう。ナニをしてもいいし、アクシデントも三回まで許す。その代わりに、私に気付かれないように済ませよ?因みに今日は暑いので全裸で寝るつもりだ」
「俺は一体どんな人間だと思われてんだよ!?」
「……?男など、皆野獣の様ではないか。どうせ何時もエロい事しか考えていないような非生産的な生き物であろう?どうせ何も出来ないチキンの癖に」
「俺はそんなんじゃねぇよ!もっとマシな事してらぁ!」
「ま、まさか……室咲ホモか!?よし。相手は誰だ?私と結婚しないか?」
「マジお前なに考えてるかまったくわかんねぇ……」
呆れたわ。本当、これで性格がこんなのじゃなければマジで惚れてたっつーの。和音がレズじゃなくて、快楽殺人鬼でもなくて、変態でもなくて……ただの一般人だったら。
顔も好みだし、根も良いやつだし。確実に彼女にしたかったかもしれない。
残念系とはコイツの事を言うのかな……
次回予告
ひゃぅんっ!?ちょ、室咲貴様何を……!?
ーー第三勢力リーダー、和音・F・アーンドラン




