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銃の効かない操縦士  作者: 木樵蝋梅
1日目
2/65

こういうのって吹っ切れた方が勝ちだと思うんだ

戦争は、日本とアメリカで始まった。理由は覚えていない。


確か、国際的な問題だった気がする。日本は東の国々を、アメリカは西の国々を占領していって、何時しか西と東で世界中を巻き込んで戦争をした。


私、和音・F・アーンドランはどこで生まれたのか覚えていない。日本でもアメリカでも名を名乗れるようにミドルネームまでつけた。


学校なんてない。毎日子供は銃弾を恐れて穴から出ない。大人は戦争に駆り出されて殆どが孤児となっている。


でも、私は銃弾が怖くなかった。


どういう訳か、銃弾が私の体に近づくとその場に落ちる。生まれつきそうだった。


このことは、両親しか知らない。今となってはもう両親もいないけど。


身長は160弱ほど。右の人差し指に母さんの形見の指輪をはめて、頭に父さんの形見のバンダナをしている。そのほかに私の特徴はない。


目はみんな黒だし、髪も黒。何人かは違った子もいるけど、殆どが一緒の色だ。


第一、違いは目立ってしまう。


目立つ存在から、どこかへ行ってしまった。


よくご飯を食べる悪ガキもどこかに行ってしまった。


一際美人だった女もどこかへ行ってしまった。


今この穴にいるのは約50人くらい。もしかしたら死んでいる子もいるかもしれない。


ここにいてもラチが開かない。


わかっている事だけど、誰もそうしようとは思っていなかった。理由。ただ一つの簡単な感情。いや、本能と言い換えても良い。恐怖心。死への感情が、そうさせていた。


ここから出てみようか。


私だけは、そう思っていた。


そう、でてみれば何かできるかも。


戦争が終わるかもしれない。


しれない、だった。可能性は極めて低い。私だけでは、ただの子供の反逆にしかならない。ダメージすら入らないだろう。だがしかし、人員を増やせば。大きな勢力を結成し、どちらか一方の軍を制圧できれば、戦局は変わるかもしれない。一種の懸けだった。


参加しようか。


後悔どころか、ここにいたところで変わるわけでもないし。なにより、狂って壊れた私に、余生を楽しむ事なんて出来ないだろう。ならば、この戦争で命を落とすのも、いいかもしれない。


さ、行くとしよう。


この馬鹿げた大人のお遊びに、ね。

次回予告


「きな、俺の傑作を見せてやるよ」


ー年時・B・グリモア


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