百合百合してるーのーぉ↓はぁー↑
side in All
「ところで、どうしてこんな感じになっちまったんだ?」
「あんまり気にしちゃダメだよお兄ちゃん。まぁ、どう考えても語り手だった和音姉ちゃんがもう話せない状態になるくらいに食べちゃってるからじゃないの?」
「ウマーッ!ウマウマーッ!」
「ありゃぁあだめだわ」
「和音さん……女の子なのに……はしたないです…」
「なぁ知ってるか?あれで酒入ってねぇんだぜ?アイツコロコロ性格変わりすぎだろ。一体どれが本物かわかりゃしねぇ……」
「俺が穴にいたころにはもう既にいたからな…誰もしらないんじゃない?」
「性格は能力所持者のコンプレックスだからあんまり深く聞いちゃだめだからね。気にしてる人とかいるし。綾火とか」
「は、はひぃ!その……和音さんは ……気にしてなさそうです…けど……」
「なかでもお前ら二人の変化はかなり激しいからなぁ…ケケケ。綾火なんてビックリしたぞ」
「綾火が能力使ってるとこ見てさ、口調めちゃ激変するからビックリだよ。
監視カメラの映ってるところで思いっきりしてるしあの小部屋でのこととかめっちゃエグかったし、なんか……ごめんちょっと吐いてくオロロロロロ」
「ちょ、年時!?こんな所で吐くんじゃねぇ!ったく……調子に乗って飲んだりするから」
「み、見てたんですかぁ!?」
「ふみゃぁっ!な、何するんですかぁ(笑)」
「う、うみゃれつき髪が細いので(笑)」
「そうですかわかりましたそんなに死にたいんですかなら私が殺してあげます能力暴走状態突入対象は年時・B・グリモアの吐瀉物、温度を上昇。吐瀉物を室咲・M・ウェイパーと年時・B・グリモアに投下します」
「わっ、ちょ、やめろそれやっべぇから!火傷じゃすまねぇから!あと臭ぇ!」
「ちっくしょう!即興で盾なんて年日作れねェぞ!」
「そこで能力使っちゃうの!?俺ら死んじゃわねぇ!?」
「ひとまず殴ってみっかァ!」
「年日・B・グリモアからの攻撃を確認。対処するために空気中の水分を凍結し、氷壁を形勢。防御します」
「チートかアイツは!室咲、なんかねェのかァ!?」
「くそ…仕方ねぇ。和音なら…いや、和音しかできねぇな。今のあいつなら…今でなくてもいいか」
「和音姉を使うの!?そりャァ、なんとかなるかもしんねェが…くっ、背に腹は変えられねェ。和音姉、すまん!」
「ウマーッ!ウマーッ!ってちょっと年日やめんか!今は私は食事中なのだぞ!」
「あそこのお嬢さんをお召し上がり下さいなァ」
年日は和音の肩を掴んでまっすぐに綾火の方に進んで行った。
食事をしていた和音は仮面を外しており、バンダナを首に巻いていて、少々ばかり顔が紅葉している。
振り回されて身体のバランスの制御を失った和音は綾火に向かって倒れこむ体勢なって、綾火は和音に押し倒されるような形になった。
能力で対処すれば良かったものを、その判断が追いつかなかった綾火は精神の緩みで暴走状態を解いてしまった。
そうなった場合、年時の熱いゲロを頭からくらうのは年時自身である。
あっつァァァァァァァアああああ!と少し遠くで叫び声が聞こえたが綾火はそんなことはどうでも良かった。
今は、和音に押し倒されている、という事実に頭がいっぱいだった。
普段人見知りする綾火だが、それは和音には適応されない。
すでに他人の関係は超えている二人の関係
。たった1日でだれがこのことを予想しただろうか。
綾火に心臓はトクトクと鼓動を速めていた。
普段よりも早く、普段よりも体温が上昇している。温度を操る能力を所持する彼女でも自身の体温の上昇が何によるものなのか解らなかった。
「あの……和音さん?……はやく……上から………退いてほしいん…です…けど…」
「む。私が重いと言うのか?乙女に言う言葉ではないぞ綾火」
「そ、そういうわけでは……ない……んですけど……」
「ふふふ。私にマウントポジションを取らせたことを後悔するのだな綾火」
「ち、ちょっと何を……んっ…」
綾火は和音に口を塞がれてしまった。
勿論口で。
マウントポジションのせいで抵抗することができず、両手を絡ませられて手も動かせない。
しかし、それは綾火にとって言い訳でしかなかった。
どうしてなのか嫌ではなかった。
どうしてあんなことをしたのかと聞かれれれば、抵抗できなかったと言えば良いと思っていた。
和音は口づけをしたまま舌を中へと侵入させていった。
拒めば良かったものを、綾火はそれを受け入れてしまう。
舌が歯を、歯茎を、肉壁を舐め回して互いに舌を絡ませあっていった。
ちゅぱちゅぱという水音は少しずつ2人の思考能力を奪っていく。
「んっ……ちゅ………む…ぷはっ……」
「…………何してくれるんですか和音さん?」
「えっ、何って、解らなかったのか?私はかなり本気だったのだが……
まだ刺激が足りなかったのか?ならばっ、今夜はっ、寝床をっ、共にっ」
「違います!そういう意味じゃありません!こんな所でしないで……欲しかったです……ムードもへったくれもないですか……ぐすっ」
「ちょ、泣かないでくれよ!私が悪い人みたいではないか!」
「和音さんは極悪人ですっ!……ひっく……うげぇ………」
オロオロと慌てながら和音はキョロキョロと知り合いを探したが、むしろ知り合いどころか人が大勢集まっていた。
「ヘイヘイ見せつけてくれるでじゃねェかよお2人さんよォ」
「視線が集まってるとかのレベルじゃねぇぜ?と言うか和音は仮面とかどこにやったんだ?」
「「あ」」
今の状態を理解した2人は素早く離れて顔をさらに赤くさせた。
あたりにいた数人は2人を祝福してなのか拍手をしていた。
おそらくだが、綾火と和音のことをカップルか何かと勘違いしたのだろう。
和音の語り手のような口調と、ショートカットの髪では男と思われてもおかしくない。
仕草までもが男っぽい和音だからこそそう思ったのだろう。
「私は部屋に帰りますからぁ!!」
「ま、待て綾……」
とだけ言い残して綾火は走っていった。
勿論誰も止めはしない。あーあ、と言う声が一斉に響いた。
この際理由は言わなくてもいいだろう。
和音はどこからか仮面を拾ってきてユニとなり、今ここにいる全員を集めた。
そして年時が日本酒の入った大きな杯を持ってきて和音に手渡した。
side out
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side in 和音
ふぅ、少し落ち着いた。すまなかったな。
食事に集中しすぎてしまった。
所で今は皆が円を描くように座り、私は仮面を持っている。というか、もうばらしてもいいのではないか?さっき私がこれを被るのを見ていると思うぞ。
ざっと数は100人ほど。残りは食べすぎて眠ってしまったか、酒を飲みすぎて倒れてしまっている。後は綾火がいないか。
部屋に帰らなくてもいいのにな。少し残念だ。
「皆で回し飲みをしようぞ。まぁ、私が両親を行ったちょっとした儀式のようなものだ。軽く口を付けるだけでも構わない。
あ、関節キスがどうだこうだとか言う生娘にはさっきのようなことをするから拒むな」
私は年時の持って来た大きめの杯を傾けて少し口に含んだ。そして、それを私の隣に座っていた男に渡した。
「私たちは家族となり、兄弟姉妹となる。だがしかし、貴様が、もし、もしもの話だが、私の口をつけた所を探すと言うのなら………殺すぞ?」
相変わらずのドスの効いた低い声で男に釘を刺した。
私は美しいもの、可愛いものが大好きだが、残念ながらあの男は対象にならなかった。
それに、あの男に少し太っているとような人間は血の気の量こそ多いものの鮮やかな色をしていない。
私としてはせめて体を巡る血位は美しくあって欲しかったが。
杯は少しずつ少しずつ中の酒が減っていくものの、一周はできそうだ。
今の所探しているような勇気のある勇者はいなさそうだな。
生娘の1人や2人いればそれはそれで良かったのだが。
ちなみに、その場合は私が口移しで飲ませるつもりだった。舌までも使わないが。
皆笑顔で今夜は楽しんでくれているみたいだ。食料庫の中身もたくさん残っている。
後10日くらいならば問題はないだろう。近くならば第一第二倉庫もある。長期戦よりは、短期決戦のほうがいいと思っている。
戦争は長すぎた。もう犠牲を増やしたくない。
私用に武器を調達してもらおうかな。あ、そうだ。あのレールガンがいいだろう。
ティアに乗っている時の私の能力はほぼ無意味と言ってもいい。
その点、私が一番不便だな。
そんなこんなで私に杯が戻ってきた。もう一仕事残っている。
いつもの5人のうち、まだ交わしていない人物がいる。
次回予告
「それ遠回りに結婚しろって言ってるようなものじゃないですか・・・・・・」
ー温度視認、綾火