第四話:鍛冶職人甲子園
熱いバトルに持ち込むならトーナメント戦での強敵との勝負!そしてその後の友情!これこそ男のロマン!!
くっははははは! 俺の鍛冶能力すごすぎ♪
正確には鍛冶だけでなく、未来を見通す能力なんだが、物作りの知識があふれてくるから何でもできそうになるしw
ども、異世界二日目を農具の山の中で過ごしているカブラです。
昨日渡された農具の修理は終わっているのだが普通に修理して返すのは面白くないのでそれぞれに色々と機能をつけているのだ。
たとえばこれ!
『地面に突き立てると辺り一面に使用者の好きな植物を生やす機能をつけたスコップ』とか『振ればカマイタチを発生させる鎌』など俺の発明はもはや魔法レベルに達していた。
だが俺は邪神から魔法の才能をもらったわけではないのでこれらは全て科学の力を利用しているのだ。
ふぉぉぉぉぉぉー!俺ってば生まれて初めて生きてるって実感できる。邪神ありがとう。この世界最高だよ。
「カブラさーん農具の修理は終わってますかー?」
む!キヌちゃんかそういや城に仕掛けた罠の効果がどれほどか実験してなかったな。ふふふ♪
「きゃー!」
ナイス!やはり引っかかったか♪
見に行ってみると逆さ吊りで体中をヌメヌメとした変な触手に撫でまわされているキヌちゃんが白目むいて泡吹いてた。ぷっww
「大丈夫かキヌちゃん。
でもキヌちゃんが悪いんだよ、自衛のために罠を仕掛けてたのに解除する前に勝手に入ってきちゃうなんて」
「カブラさんひどいです!
そりゃ私が勝手に入ったのも問題あるかもしれませんがこんな田舎でここまでの過剰防衛なんてする必要はないでしょう!!」
「だから悪かったって。
面白そうだから勝手に入ってこなくても罠を切るつもりはなかったけどな」
というかこうなるのを期待して罠を仕掛けてんだしw
「カブラさんに言っても仕方ないみたいですね。
ところで農具はできましたか?」
「もちろんこっちにある。
試作品変態刀として俺独自の武器としても使えるようにしておいた」
俺はさっきまで作っていた発明品を実際に使用してみせながら説明するとキヌちゃんは目を輝かせて近づいてきた。
「すごすぎですよカブラさん!
これなら首都にいる天才といわれる職人の人たちにも勝てますよ!!
こうなったら鍛冶職人甲子園に出てみてはどうですか?」
「鍛冶職人甲子園?
初耳だな」
「えへん、では説明しましょう。
鍛冶職人甲子園とはその名の通り全国の鍛冶屋が集まり、一位になった者には賞金100万円が出るんですよ♪
もしかしたらヒロシマにいる総理大臣自らスカウトに来てくれることもあるとかないとか……」
どっちなんだよ。
「それじゃあ、目指してみるか。あと農具の運搬は任せたから」
実験の終わった物に興味はないので試作品変態刀をキヌちゃんに預けてさっそく鍛冶職人甲子園の申込と朝食も兼ねてギルドに向かうことにした。
「いらっしゃ~い♪
あら、期待の新人特S級ハンターのカブラ君じゃない。
どうしたの?ちなみにうちの店では『スマイル』にもお金を取るわよ」
「それはひどい店だな。
だが生憎俺の目的は鍛冶職人甲子園への申込に来ただけだ。
ギルドで出来るのだろう?」
こういうのは全てギルドで行うと決まっているからな。
ゲームでも大抵はそうだった。
「あら、残念。
鍛冶職人甲子園はもうエントリー終了してるわよ。
具体的には5秒前に」
「うお!
まさかそんなギリギリで間に合わないとは……」
そんなマンガみたいなことが現実に起こるとは思わなかった。
大体キヌちゃんもそれならそうともっと説明を短くしてくれればよかったのに。
「だけどそんなカブラ君に朗報だー!」
「昨日キヌちゃんからも似たセリフ聞いたけど何か嫌な予感がするんだけど……」
「ふっふっふ!
このサチ様に任せなさい。
実は私はこの国にいるギルドマスターの中でも特に権力を持っているギルドマスターマスターなのよ!」
「突然の設定ですが、そのギルドマスターマスター様とやらは何ができるんですか?」
「うん?
何もできないよ。
だから甲子園会場を教えてあげるから謎の鍛冶職人として飛び入り参加すればどう?ってアドバイスをしてあげるわ♪」
なるほど、それはかっこいいな。
俺は謎の鍛冶職人という立ち位置で飛び入り参加して優勝したあと、この村に謎の鍛冶職人と同じ技術を持つ鍛冶屋がいるという噂が広まればこの村を訪れる人も増えるだろう。
この村を街にするという俺の計画も大きく進むだろう。
「よしわかった!
鍛冶職人甲子園に俺は出る!」
そして俺は無敵で人を超えた身体能力を使って甲子園の会場となるオキナワ県に山を走り海を走り、ついた先で鍛冶職人全員に片っぱしから喧嘩を売っていった。
勿論正体を隠すために顔の上半分を隠すだけの『不忍』と書かれた仮面でミステリアスな雰囲気をまとうのは当然だな。
なぜならその方がかっこいいからだ!
俺はその場で達人の技術を使って刀を作って見せたら満場一致で俺の優勝だった。
ふふふ、これでシブヤ村はいずれ街となるのもそう遠くないだろう……
バトルは男のロマンだ!とは思いますが、そんな面倒くさいものを書くようなことはしません!
一応甲子園で優勝したことも今後活かしていきますけど甲子園での戦いの様子は一切書くつもりはありません。
街を発展させない限りこの物語は永遠に終わらないからですw
2012年4月1日:二次創作禁止一覧に含まれる「技」の使用も禁止になったので一部修正しました。