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番外編:カブラの休日 後編

 やっぱ勢いで書くと楽しいな。

 これからも思いつき次第書くかもしれません。

 ギルドでサチさんと話ていると突然店の戸が大きな音をたてて開かれた。



「カブラさん!

 ここにいましたね!!

 実はさっき新作のジャム作りをしていたのですが最高の物ができましたよ♪」



 そういえば昨日キヌちゃんと会った時、新しく品種改良した果物からジャムを作ると言っていたがもう出来たのか。

 さすがはこの国の農業長だ。



「見てくださいこのジャム♪

 果物以外で作ったジャムが食べてみたいと思って牛肉と鶏肉と豚肉を植物の遺伝子と混ぜた新種の野菜から作ったジャムなんですよ。

 ちなみにチウちゃんの作品でもあります♪」



「僕が作るものは完璧。

 だけどそれ以上にキヌのジャムを作る技術もすごいわ」



 なるほど、ようするに二人の合作とも言えるものか。



「では味見してみようかな」



「はい、カブラさん。

 是非とも食べてください♪」



 そう言ってキヌちゃんはジャムを人差し指で掬うと俺に差し出してきた。



「ぱくっ」


 ちゅうちゅう。


 言われた瞬間に脊髄反射的速度でキヌちゃんの指をしゃぶった。

 

 うん旨いな。


 けどこんな所をキヌちゃんのファンクラブの連中に見つかったら面倒な事になるかもな。


 キヌちゃんは可愛いすぎる農家としてすでにファンクラブもいるのだ



 それにこちらを見るチウちゃんの視線がなんか怖い……



「お!面白そうだな。

 じゃああたしも♪」



 何を思ったのかアスカがそれを見て自分の頬にジャムを塗りたくり俺に向けてくる。



「ほれほれ師匠。

 食べてみ♪」



「いや、ほれほれと言われてもな…………ペロリ」



 だが、ここで舐めないのは師匠としてどうかと思うし別に問題ないんじゃね?


 みたいなノリでアスカの頬を舐めることにした。



「はむ、ぺろぺろ、くちゅ、にちゅにちゅ」



 なんかアスカの柔らかい頬とジャムの甘みも相まって脳みそがとろけるほど美味しく感じるな。



「……あぁ、師匠……師匠ぉー!

 あたしは、あたしはもう駄目だぁー!!

 愛してるぞ師匠ぉぉー!」



 突然発情したアスカが俺に飛び付いてきたがそれはチウちゃんに阻止された。

 具体的には延髄蹴りで意識を刈り取ったのだ。



「……カブラ。

 僕を差し置いて何やってるの?

 キヌもとんでもないことしでかしてくれたわね。

 地獄に落ちる覚悟はあるんでしょうね……」



 うぉぉぉぉーい、チウちゃん!

 殺しはさすがにマズイぞ!

 誰かこの状況を止めてくれる奴はいないのか!?


 ってサチさんもなに笑ってるんだよ!いいから止めてくれよ!!



 俺もさすがにここまで怒ったチウちゃん相手に勝てるとは思えないので殺られる(犯られる?)覚悟を決めようとしたところで救いの手を差し伸べる者がいた。


「カブラ兄さんお困りのようだね。

 ここはボクに任せてくれよ」



 今まで気付かなかったがギルドの奥の昼間でも光の当たらない薄暗い席に座っていたステギが立ちあがってこちらに助け舟を出してくれたのだ。


 おぉ、我が愛しの弟のステギ君♪


 これならなんとかなるかもしれないな。


 というかステギよ。


 お前は最近チウちゃんが南の島に旅行に行ったと言っていたがいつ帰って来たんだ?



「チウ姉さん!

 カブラ兄さんを襲うというのならボクを倒してからにしてください!」



「いい度胸ねステギ。

 今の僕の怒りをその身で受け止めてみなさい」



 あ、こりゃステギ死んだか? 



……


…………


………………


「さて、落ち着いたかチウちゃん?

 せっかくの休みなのにこんな不毛な事してないで昼からもみんなで遊びに行こうぜ」



「ふぅ、暴れたらだいぶスッキリしたけど僕の欲望は永遠に満たされること無いんだからカブラも帰ったら覚悟決めといてね。

 ちなみにステギは殺してないから」



 哀れステギ。


 俺の代わりにチウちゃんに殴られ、途中から何故かキヌちゃんも参加して二人がかりでボロボロにされてしまったがそれは放置しておこう。


 アスカはまだ気絶してるし、サチさんは腹を抱えて笑ってる。


 まったく最後まで結局助けてくれなかったな。



「あっははははははははははは♪

 はぁ、はぁ。

 あぁ~、楽しませてもらったわ♪

 カブラ君たちはいつ見ても飽きないわね」



「サチさんこそ相変わらず騒動すら笑って済ませるその根性はさすがですね」



「それがギルドマスターマスターの実力よ♪

 それより、カブラ君たちはこれからどうするの?

 ステギ君の治療ならうちでやっとくから放置してて問題ないけど」



「街中を適当にぶらついてきますよ。

 今日は新しくオープンしたゲームセンターでも行ってきます」



「アディオス!

 私の予想では今日の休日は騒動ばかりが起こると思うわよ♪」



 不吉な事は言わないでくれよサチさん。


 だがこの時のサチさんの言葉は見事に的中するのだった。


……


…………


………………



「おどれら何処に目ェつけとんじゃコルァー!」



「こりゃクリーニング代と慰謝料合わせて5000万ペソはいただかにゃーいかんのぅ」



 街がでかくなったのはいいんだが、こういった屑が裏通りには蔓延るのは勘弁してほしいな。

 めんどくせぇ……だが、



「やるっきゃないか……

 アスカ、チウちゃん。

 今日の予定はここら辺一帯の屑退治といこうじゃないか。

 キヌちゃんはそこらで観戦してていいから」



 民家の防犯設備が充実しすぎたからこういった不良チックな敵ばかり増えてるからな。

 


「よっしゃー!

 久し振りの師匠と弟子のストリートファイトだな♪」



「やっぱりカブラは最高に素敵。

 敵を殴り倒しながらも返り血を一切浴びないその美しい立ち姿に僕はもう自分を抑えられなくなりそうだわ」



「じゃあ私はそこらで飲み物買ってきますね♪

 周りの人にも警察を呼ばないように情報操作しておきますので」



「はーっはっはっはっは!

 震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!

 さぁ不良どもよ、かかってこいやぁー♪」



 殴る殴る、殴りまくりの乱闘騒ぎ。


 こうして暴れるのは久しぶりだ。


 最近仕事が忙しくて喧嘩してなかったもんな。



「それにしてもこうして弟子と妹とストリートファイトってのもなんか感慨深いものあるよなぁ~。

 観客もいるから特にやる気でるし、たまには実力の50%くらい出してみようかな♪」



「カブラさ~ん♪

 頑張ってくださ~い♪」



 キヌちゃんの声援も気合が入るぜ!

 はーっはっはっはっは!!





 こうして俺の休暇は喧嘩で幕を閉じた。


 そういえばステギは今回も出番ほぼ無しかw




 まっ、なんだかんだでこの街は退屈しないな♪

 これにて本当に最終回です。

 次回作は今『デモンズソウル』のオストラヴァが主人公の小説と『魔界戦記ディスガイア』で大金持ちを目指す魔王の小説が今のところ順調に執筆しています。ある程度話がまとまって来たら投稿したいと思いますがまとまらなかったら投稿しませんのでどうなるかはまだわかりません。


 と言っても12月はゲームで忙しいし、次回作がいつになるかは全くわかりませんがw


 それではこれまでご愛読ありがとうございました。



 2011年5月13日追加:そういえば活動報告には書いていましたが、作中にはどこにも書いてなかったような気がしますのでここでこの物語のその後について追記しておきます。


 この作品の主人公カブラはアスカ、チウ、キヌの三人全員と関係を持ってめでたくゴールインして子どもの子ども、つまりカブラの孫達が活躍する次回作を計画中です。


 三人の孫達の時代にはすでにカブラは一国の王になっていて、今度は宇宙に進出という『最強鍛冶屋の星づくり物語』という話を計画中。


 これについてはプロットはまだ描いてませんし、他の次回作の案の方がたくさん溜まっているので書くのはずいぶん先になりそうですがもし投稿を開始したら良かったら読んでみてください。

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