エピローグ
私は更新初日と最終話を投稿する時は二話更新というマイルールを決めてますので♪
エピローグは最終話のおまけみたいなものですからね。
街を造ることが出来た……
思えば最初にこの村を訪れた時は本当に何もなかったが、今のこの街は手に入らない物は何もないくらい発展した。
そんなことを考えながら俺は自宅の縁側でお茶を飲んでいた。
アスカとスイカの種飛ばし勝負をした縁側だな。
あのときチウちゃんが集めていた俺の飛ばしたスイカの種は何やら魔術的育成方法で育ったらしく、侵入者を締め上げる防犯植物として庭一面に咲いていた。
すでに商品化されているので様々な防犯植物がこの街の民家には生えているため治安もかなりいい。
のほほんとした気分になりながらお茶をおかわりしたところでアスカがやってきた。
「師匠ぉ~。
あとであたしの弟子達が作った武器を見てやってくれよ。
意外とあいつらも腕があがってきてんだぜ」
「おう、またあとで見に行くさ。
それにしてもアスカもすっかりお師匠様って感じだな。
もう俺の弟子を卒業してもいいと思うんだがな」
「いやだ!
あたしは一生師匠の弟子なんだい!
師匠のために生きていくんだ!!」
そう言いながら縁側で胡坐をかいている俺の首に腕を絡ませてくるその様はまだまだ子どものような愛らしさがあった。
とても弟子を持つ身とは思えない子どもっぽさだな。
俺としてもその気持ちは嬉しいんだがいい加減師匠離れしてほしいというのが目下の悩みでもあるのだ。
「あーもうわかったわかった。
あとで見にいってやるからお前も自分の仕事に戻れ」
「約束だぞ!
あたしはいつまでも師匠の弟子だからな」
ふぅ~、さてとこれからどうするかねぇ。
街づくりを目的としていたからそのあとのことを全く考えてなかったよ。
することもないので俺はギルドへ行き、サチさんと酒を飲むことにする。
カランコロン
「いらっしゃ~い♪
しかし本当にシブヤ村を街にするなんてカブラ君ったらやるじゃない。
お姉さん見直しちゃったぞ♪」
扉を開けて中に入るとやはりいつものようにカウンターに顎を乗せて迎えてくれるサチさんの姿があった。
「それを言うならサチさんだって凄いじゃないですか。
こんなに大きくなったギルドを運営してるんですから」
この街のギルドはすでに首都であるヒロシマ県のギルドを大きく超える大きさになっていた。
ペケ総理大臣が辞任したあとは『シブヤ村を街にするために協力する会』の会長を新総理大臣としてねじ込んだため、この街は街としてもすでに国内トップの成長を遂げたのだ。
しかしサチさんとこうして酒を飲むのも久しいな。
結局次の目標は決まらないが今日はせっかくの休日なんだし街中をぶらついてみるかねぇ。
「それじゃサチさん。
俺はここらで失礼しますよ」
「また来てね♪
私はいつまでもこのギルドのマスターでいるわよ♪」
何かの伏線なのか意味がありそうでないことを言うのもサチさんらしいな。
そして俺は農場へと向かった。
まだ村だった時は村人のその日の食糧を採るためだけだった畑もすでに海外への輸出を行うほど大きくなっていた。
村で唯一の農業をやっていたキヌちゃんは街となったあとは農業長として新しく来た人たちに仕事を割り振っている。
シブヤ街は今や関東地方全域を支配下に置いたため、この国の農家の人にとっての大地母神の女神として崇められているってのもさすがと言うべきだろう。
本当にこういうところが異世界っぽいよな。
俺のいた地球ではこんなことありえねぇよw
しばらく眺めていると農作業をしていたキヌちゃんがこちらに気づき、手を振ってくる。
「カブラさーん♪
ここであったのも運命ですね!
ちょうど私も休憩時間ですし、お茶でもどうですかー?」
「おう、俺も暇だからキヌちゃんに会いに来たんだよ」
暇だし、畑で時間を潰すのもいいかもしれないな。
俺とキヌちゃんは最近開発された『ソファー付き耕運機』に座りキヌちゃんが用意していたお弁当を食べることになった。
まるで俺がくるのを予想していたかのように弁当箱が二つ用意されていたのは彼女が超能力者だからだろうか。
「それでこんな所まで来てどうしたんですか?
まるで街づくりという目的を達成したからすることがなくなったなぁ、って顔してますね」
「はぁ、そこまでわかっているなら話が早い。
俺のこれからの目標がなくなってしまったんだよ。
アスカは自分の弟子の育成を始めたし、チウちゃんは発明家として数々の便利グッズの発明で特許を取りまくってるし、ステギは……よくは知らないが何かしてるみたいだし。
俺がやることはこの街にはもうないのかなぁ、と思ってね」
邪神を助けたことでこの世界に送ってもらったがすることがないのでは前の世界と変わらないんだよなぁ。
「そうですね。
この街はこれからも発展していくでしょうがもうこれ以上の発展となると国にするくらいしかないでしょうしね」
「それだ!!!」
「はい?」
「そうだよ!国づくりだ!
俺としたことが失念していたがこの街を一つの国にすることを俺の次の目標にしよう♪」
「ええぇぇぇぇ!?
そんなの無理無理!絶対無理ですってば!!」
「ふはははは!
無理が通れば道理が引っ込む!
確かに国にするとなれば外国の連中とも問題が起きるかもしれないが、なぁにまたノリと俺の最強パワーでなんとかしてやる。
はーっはっはっはっはっはっは!」
こうしてカブラの次なる目標が決まったところでこの物語はひとまず終わりを迎えるのだった。
これから先も幾多の困難があろうともカブラは愉快な仲間たちと共に乗り越えていくのでしょう。
これにて一件落着しおしおのぱー、ということでカブラは新たな決意を胸に突き進んでいくのでした。
おわり
おまけ
チウside
クスクス♪
最後だっていうのに僕の出番がないことに驚いた人がいるかもしれないけどちゃ~んと影で活躍してたのよ。
カブラがのんびりしている間に僕は新たな発明品『筆跡完璧コピー機』の発明に成功したの。
この機械の凄い所は人の筆跡を真似て書類などにサインを書きこむとその筆跡の元となった人の記憶に自分で書いたという記憶まで植えつけられるというところなの!
機械が大きくなりすぎたから自室での組み立てはできずに居間で組み立てすることになってしまったけどしばらくは置いといても大丈夫でしょうね。
あとはカブラの筆跡を真似て婚姻届にサインをして役所に提出すれば、ムフフな展開だわ♪
待っててねカブラ。僕とあなたの愛の物語はここからがスタートなんだから
あなたの次の目標は僕との子づくりなんだから楽しみにしててね♪
たっぷりとねっぷりと愛してあげるんだから覚悟してなさい。
クスクスクスクス♪
ふわぁ~あ、徹夜でコピー機を作ってたから眠くなってきたし書類の提出はあとにしてちょっと寝ましょうか……
ステギside
ボクはカブラ兄さんの弟のマンジ・ステギ!
霞がかかったように昔のことは思いだせないけどカブラ兄さんが言うには魔王との戦いの時に頭部への攻撃を受けて記憶を破壊されたらしいけどそんな事はどうでもいいと思ってる。
兄さんに尽くしてこの街をさらに大きくしていくことが今のボクの望みだからね。
そういえばカブラ兄さんはさっきまで縁側にいたみたいだしお茶のおかわりでも持って行ってあげようかな。
そうしてお茶を淹れて縁側に行こうと思ったんだけど居間で何か躓いた。
バシャ
うわ!何の機械かわからないけどお茶こぼしちゃった。
壊れてないかな?
変な煙を出してるけどこれってチウ姉さんのかな?
ここは知らん顔して通り過ぎるべきだろうな……
ボクはそのまま機械を放置して縁側に向かおうとしたが突然シャッターが降りてきて居間に閉じ込められてしまった。
しかも警報アラームまで鳴ってるけどなんだこれ?なんだこれ?なんだこれ!?
「警報アラームが鳴ったから何事かと思ったら僕の発明品が壊れてるんだけど何か言う事はある?」
どこから現れたのかチウ姉さんが背後にいた。
ヤバイ!疑われてる!!
「さ、さぁ、ボクは知らないなぁ」
「監視カメラではステギにそっくりな人物がお茶を掛けてたんだけどそれでも知らない?」
もうバレているのか……仕方がないここは白状するしかないか。
「実はボクが壊してしまいました。
すいませんチウ姉さん!」
「……じゃあちょっと僕の部屋に来てるれないかな?
話があるんだ」
このあとボクの記憶は途絶えた。
そして何時間経っただろうか、気が付いたらボクは知らない絶海の孤島に一人でいた。
兄さんも姉さんもいないし、何もないヤシの木一本生えてるだけの畳一畳の面積しかない島だった。
ヘェェェールプミィィィー!!!
最後のおまけは無くてもいいかと思いましたがノリで書いちゃいましたw
次回作は活動報告に書いたような案が出ていますが、しばらくはモンハン、ディスガイア、ファンタシースター、風来のシレン等々、したいゲームも多いのでいつになるかはわかりません。
小説を書くというのは私の趣味の一つとなりましたのでいつかまた書きたいと思いますのであの案のどれかをまたいつか投稿したいと思います。
デモンズソウルの方の小説はまだしばらく続きますのでよければそちらも読んでみてください♪
本当にありがとうございました。感想評価お待ちしております。
……あとこの物語の番外編も書いちゃったのであと二話投稿しますw