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デジタルロックの男性シンガー

夏のマーメイド

作者: 歌川 詩季
掲載日:2026/10/04

 なんか、人魚好きなんです。

 プールサイドの波打ちぎわに

 ビーチサンダル置き去りにしたマーメイド


 珊瑚(さんご)のつのをはやした鹿たちが

 海の底では海老煎餅を齧(かじ)るのよって

 まことしやかなでたらめを

 僕に吹き込んでくれたのを忘れやしないぜ


 白昼夢のように過ぎた夏休みを

 不揃いなクレヨンが絵日記に刻んでくれたから

 小麦色の肌がほてりを鎮(しず)めるころには

 心残りも溶け落ちているだろう



 ダイナマイトの線香花火

 タイムリミット教えてくれたクラスメイト


 さいごの詰めが甘くて しくじれば

 嘘がばれての針千本を飲まされるたび

 馬鹿と鋏(はさみ)の使い途(みち)

 慣れた指先で弄(もてあそ)ぶ きみは魔性だね


 夢遊病と呼ばれそうな夏の夜には

 地下鉄のライオンが時刻表やぶってくれたんだ

 象牙色の月は尖って釣り針みたいで

 ひっかかるのは間の抜けた人魚だけ

 心当たり、あるような、ないような。


挿絵(By みてみん)

制作:ひだまりのねこ先生

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― 新着の感想 ―
「若さはバカさ」って感じのアオハルで朱夏♪  ああ、「秋の海」ってのもアリだわねー
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