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感動

高い崖の上から釣り糸を垂らして息抜き


ただただぼーっと糸を見続ける


ただ座ってぼーっとしているのに


後ろから騒がしい音が聞こえてきた


「ん?」


振り返ると空トカゲがこっちに向かってきている。


「空トカゲ風情が人の癒しの時間を邪魔するな!」


釣り竿を地面に置き空トカゲへ向き直す。


そしてひょいと飛び上がると


「生意気な、おまえ」


空トカゲの頭に右手を振り下ろす。


直後頭から地面にめり込む空トカゲ。


「これだからもどきは。なまいきな。」


邪魔されて頭にきたのでその空トカゲを丸ごと餌にして



二本目の釣り餌として海にぽいと投げ込む


そして退屈して空を見ていたら


空トカゲの糸に反応があった


そして竿を掴み糸を引いていく


あれ最初は抵抗があったのに


すんなり引けるな……


そう思って海面に目を向けると


どんでもない魔力が水面へと浮かんでくる


気にせずに引き続けると


釣れた獲物を先端が見えた


その頃には海面が見えないほどの魔力で


ぼやけて見えていた。


「おおおおおおおおおおおおおおおお」


大感動


その頭が見えた


龍だった……


もう一心不乱に糸をひいた


ただただ引いた


龍自信が浮かんでいるんだろう


糸になんの抵抗もない


それでもひっしに引いた


目の前にその存在が浮かんでいる


「ちょっと痛いじゃないの」


ただ感動して見つめていた


内包される圧倒的な魔力


それは渦巻くではなく


静かな星雲を連想させるほど美しかった


「美しい……」


その魔力に元れて呟いた


「あら、嬉しいこと言ってくれるわね。


食べちゃおうと思ったけど考えが変わったわ。」


言葉が届いていない


ただ感動で目の前の存在をがん見である


「情熱的ね。


ねぇ貴方。


口の中に針が刺さって痛いの。


どうしてくれるの?」


その言葉を奇跡的に聞いていた主人公は


「それは大変失礼しました。私が口の中に入り責任をもって取らせて頂きます。」


これはチャンスだと思い自ら提案する。


「……あなた怖くないの?」


「怖いなどど、些細な事。


美しい(魔力の流れ)ものを近くで見る事が出来る


この上ない喜びにぞんじまする」


「言葉がおかしいけど、まぁ良いわ。


じゃあお願いね?」


そういい口を開く


その光景をみて


「美しい (流れる魔力に隙間がない)」


そしてそっと下あごに手をかける。


信じられなかった


魔力に触れているのに


一切ゆがみが起きない


自分の崇拝するそんざいを傷つけないように


そっと口の中に入る


「私は今、大好きな存在の口の中にいる。


もはやわが生涯に一遍の悔いなし」


大好きなそんざいの中で感極まり


ただ周りの質感や魔力の流れを眺めていた。


歯の一本一本も観察する。


牙も体と同様に常に魔力で埋まっていた


しっかりと記憶に残そうと一本一本眺めていく


一本だけ歯茎から魔力が流れて牙の先の方で渦巻いていた


ここだけ普通の流れになっている……


それでも魔力の質は圧倒的だけど、


一本だけ魔力でうまっていない。


循環する流れが見える。


生え変わりか?


と憶測する


「ねぇ。早くしてもらえない?」


「!失礼しました。ただただ感動していて、目的を忘れていました。


すぐに痛みの元凶を探し出して、取り除かせて頂きます。」


今声は出ていた


なのに口の中が震えない


声帯で話していないという事だ。


そうまた新しい発見に浮かれつつ


糸を見つけてその先に進んでいく


喉の開口部分


二本の大きなトンネル


片方は魔力が全身に流れているのに対して


もう片方は奥へ奥へと流れているような印象を受けた


奥に流れてるのが食道だろうか……


針はその付近にひっかかっていた


刺さってなくて良かった……


安堵してその針を回収


ずっとここに住みたい気持ちを抑え泣く泣く外に出る


「大変しつれいしました、貴方の美しい喉に刺さっていなくて良かったです。」


「貴方、美しい美しいと何度も言ってるけど……」


「当然です。貴方の美しさは一言では足りないほどです。」


「そう。面白いわね貴方。


見たいのならまたここに来なさい。


いつでも私の姿を見せてあげる。」


「まじでー!!!


ありがとうございます。」


全力のジャンピング土下座


「ほんと、おもしろい子」


そうつぶやいて、その美しい存在は


海の中へと戻って行った。


夢の様な時間に幸せな気持ちで岐路につく。


そんな幸せを邪魔する奴が現れる。


薄い魔力の土トカゲが


道の真ん中でやすんでいる


目に残る美しい魔力の蜃気楼


幸せな余韻を邪魔されて……


「おめぇ、なにしてくれてるの?」


ドコン!


全力で殴り飛ばす


魔力を乗せた一撃によって


生意気な巨体を丸ごと


空の星となった。


「幸せな気分が台無しだ……」


もう一回戻ろうかなと考えるのだった





あとがき

完全なネタです。

歯の一本一本どう表現したらいいかなと

そういうのを描きたくなった。

生物としての構造や

生態を考えるのが好きです。

やっぱりドラゴン龍は

特別なイメージです。

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