1話 召喚
『ーーー。ーーーーー、ーーー。』
またこの夢だ。ここ1ヶ月、毎日同じ夢を見る。真っ白な腰まで伸びた髪の女性。何度も何度も口を動かしている。ただ、俺には聞き取れない。違う国の言葉だろうか。俺はずっとそれを聞き続ける。目の前が光に包まれて夢が醒める。
「ッーー」
強い光がまぶたに突き刺さり眩しさで目を開ける。
「剣心、あんたいつまで寝てんの。学校に遅れるよ。」
母さんがカーテンを開けて起こしてくれたようだ。
どうやら今日はいつもより長く寝ていたようで時計を見ると時刻はすでに7:30になりつつある。今日は朝飯抜きだな。
重くなった体を気だるげに布団から出して高校の制服を着る。高校に入って半年にもなると最初はつけにくかった首元のボタンも今では簡単に通ってしまう。顔も洗って指定のカバンを持つ。
「行ってきます」と挨拶をする。リビングからした母さんの返事を尻目に玄関を開ける。
朝早くからバタバタするのはどうしても性に合わない。いつもならこんなことにはならないんだが。
そんな後悔をしつつも足早に玄関を後にする。
住宅街を抜け交差点に差し掛かったところで違和感がした。街が異様に静かだった。周りに人はいるのに生活音の一つも聞こえない。
まるで自分だけ世界から隔離されているようだった。
静けさが耳に響き、頭が痛くなってくる。頭痛に耐えかね意識を手放した。
ハッと目を醒ます。まずは自分がどこにいるのか確かめるため目をこらす。
レンガ造りの密室に異様な模様が描かれた床。甲冑を着込んだ集団とローブ姿の集団。そして、ドレスに身を包んだ十代くらいの女の子がいた。
しかし、何よりも目を引きつけられる存在があった。
それは、光を放っていると錯覚するほどに白い1本の剣だった。
『ーーー。ーーーーー、ーーー。』
夢の声が聞こえた気がした。
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ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ
あれは誰だろう 『くさい』
あれは何だろう 『あつい』
この人たちはなんで 『こわい』
ぐちゅ ぐちゅ ぐちゅ
カン カン カン
近くから聞こえる命の叫び声。仲間が死んで新しく生まれ変わる。血と肉がこびりついたこの部屋からは仲間の生きた証が聞こえる。
誰かが近づいてくる。私の命を数えるようにスタスタと。
私の隣で足音が止まる。やっと自分の番だ。これで死ねる、生命のおわり。新しい自分の始まり。
何かに投げ込まれる。体が焼ける。すくしずつ、体がなくなっていく。もう痛みを感じない。これで救われる。
ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!
今まで消えていた心を取り戻すように次々に呪いの言葉があふれ出す。
何が救いだ!なんで私がこんな目に遭わなければいけない!おまえたちを許さない!この永遠になった命を使って必ず殺す!
『殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!殺す!』
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次回の更新は時間をおくかもしれません。




