逆夢
「なぁ青木。なんか生徒会局員が一斉に辞めちゃって緊急で選挙するんだって。お前は入る?」
「えーっと入らない」
驚いた。彼女ならきっと責任感の強い彼女なら生徒会に入ると思っていた。
「入りたいと思わないし、適当な所入る。」
「そ、そっか」
今日の彼女はやけに変だ。
「古賀君は?」
「一緒。入りたいところないし。」
「ねぇ古賀君?夢咲さんのこと好きでしょ?」
思わず黙り込む。訳が分からない。なんでいきなりその話しをして来たのか。
「夢咲さん。生徒会に入るんだって。手伝うよ。」
冷たい視線で俺を見つめてくる。
「2年が二人募集してるから夢咲さんで一人目から古賀君が二人目。嫌なら夢咲を説得してそれ以外にする。どう?」
俺のことを真っ直ぐに見つめる瞳に吸い込まれていく。
「手伝ってくれるの?」
「ん。」
「そう…それじゃ漫画風に契約…とでもいう?」
「古賀君って…」なんだ?
「もしかして厨二病…?」
「ち、違うに決まってるだろ…」
「アハッ!嘘つき!」
ーーーーーーーーーー
私は告げる。夢咲の事を。
そうして古賀君…
いや、治人君はしどろもどろになり黙りこくる。そしてあの提案をする。
彼の幸せの犠牲になっても良い。
彼が幸せになってくれるのが一番だ。
でもおかしいと思うところがある。
幼馴染はラブコメでほとんどぽっとでの女に負けるし、なろうでは主人公のダシにされる。
私は別れ際彼に笑顔で告げる。
「頑張って!負けないでね。」
負けて欲しくない。これだけは本心だ。
少し実の黒い所が見えて来た。あの子ヤンデレ気質なんですよね。