恋の方程式(計算途中)
春風が吹く、いつもの放課後。俺たち四人は課題ををこなしながら談笑していた。「ねぇここどうやって解くんだ?」「さっきも言ったよ。馬場。俺はお前の教師じゃないんだ。」「私が教えるよ…」「青木サンキュー!!」「馬場君、いつも実ちゃんに頼ってばかりじゃダメだよ!」そんなこんなで喋って居ると、「ちょっといい?」ガラガラと扉が開いた。そこには同じ生徒会メンバーの臼井學がいた。
「どうしたんだ?」
「実は相談が合って…」
「相談?頭の良い臼井君が?」
「ねぇ、置いてけぼりにしないでよ。」
「そーだ!そーだ!俺たちは何も分かんないじゃないか。」
馬場と夢咲さんが話しかけて来る。
そこで臼井について少し。話した。
「ふーん。そうかあ…まぁひとまず勉強の相談ではなさそうだね…」
「!」
「あっ図星?」
「はい…実は好きな人ができて…」
「誰?」
俺が問いかける。
「えっと…」
「早く言え」
「あ…い…さん」
「?」
「新井さん!」
全員が目を点にしている。
「嘘でしょ!あのからかい女王の新井!?」
馬場が首を突っ込む。
「はい…」
「マジか…」
そう喋っているが俺たちは正直あまり話したことがない。
「アドバイス聞きたいです…」
「うーん?とりあえず私はもっと距離を近づかせるかな?」
実がアドバイスをする。
「いやいやガシッと行け!渋ってると相手に彼氏できるぞ!」
馬場がデカい声で喋る。
「私は晴人君と一緒。早く行かないと。」
夢咲さんは意外とガシガシ行くタイプだった。
「古賀は?」
臼井がフッてくる。
「俺は…分からん。とりあえず友達として接してれば?」
「じゃあもう明日告白しよう!」
「え?」
「モタモタしてたら取られる!」
夢咲さんが馬場くらい大きい声を出す。
「よし!そうとなれば準備!」
「ねぇ古賀君?これ私達も手伝う感じ?」
「多分…」
「あの置いてけぼりなんだけど…」
臼井が喋る。
しかし、あの二人には届いてない。
學は恋の方程式を立てるのは苦手なようだ。




