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⑴『リズムの剽窃』
⑴『リズムの剽窃』
㈠
人間の体内には、或るリズムが宿っていると、自分は思っている。リズムは、風景などから受け取る、音の刻み方である。自分はそれを、どうやって生成しているのか。分からないなりに、参考書にも載ってないので、こうして執筆して考えている。
㈡
何、難しいことなど、何もないのだ。ただ、風景や場所に流れている、街の音を聞きながら、脳内に言葉を生成し、それらを刻んで行けば、風景や場所から剽窃した、言葉のリズムが出来上がるだろう。俺はそれを、信用している。
㈢
であるからして、執筆しながら、リズムの剽窃に従って、文章を文脈へと変容させ、小説にして行くのである。簡単なことだ、活動すれば活動しただけ、恩恵の有る芸術よ、俺はそれらを、信用するに足ると思って居るのだ。