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第11話 《魔法の鏡》の解説

「――と、いうわけなの」


 後宮に帰ってから、正妃の間で夜更け、マリアローズは《魔法の鏡》に、一連の顛末を説明した。すると《魔法の鏡》が笑った。


『窮鳥懐に入れば猟師も殺さず、かぁ。マリアローズは、この意味を知っている?』

「え? 全然知らないわ。どういう意味なのか、分からなかったの」

『逃げ場を失くして追い詰められた鳥が懐に飛び込んできたら、猟師であっても殺すことはできないという諺なんだよ』

「どういう事?」


 マリアローズが首を傾げると、《魔法の鏡》からは楽しげな空気が流れてきた。


『ハロルド陛下は、優しい猟師だったんでしょう?』

「ええ。そう話していたわ」

『きっと誰かを救ったんだよ』

「クラウドの事を助けたの!」

『そうだね。ただ、本当にそれだけかな?』

「……私の事も助けてくれたわ。それとも別の人のことかしら? 誰?」

『さぁね。ただ、やっぱり――世界で一番綺麗なのは、ハロルド陛下でございます』


 確かに、あの時の険しくも真剣な瞳は綺麗でもあったなと考えながら、マリアローズは微笑し、この日は休むことに決めた。寝台に入り瞼を伏せると、ここ数日の楽しかった出来事と、最後にハロルド陛下の顔が思い浮かんできて、次の瞬間には眠りに落ちていた。


 こうして、一つの事件が幕を下ろしたのである。




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