表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/24

5月2日 17:00 「壊れスキル」

なんか表示がおかしくなってるスキルがあるんだけど。

このゲームまだベータ版っぽい気もするし、バグってるのかな。

ちょっと試してみたい気もするが……


下手に触ってゲームが壊れたりするかもしれないし、最悪データが消えるかもしれない。

そう考えたら、これはちょっと選べないな。


それよりも、クラフトが気になる。

これ絶対レアアイテムを作るぶっ壊れスキルだと思うんだよ。


というか、スキルを取るとコマンドが増えるって、ソシャゲじゃ初めて聞いたんだけど。

どんなのか逆に気になってくる。

というわけでこれを取得することにしよう。


>リラはスキル「クラフトLv.1」を取得しました


よしよし、これでだいぶ強化できたな。

ついでにいくつか装備も手に入れてたはずだから、ついでにまとめて装備してしまおうか。


これでリラの装備は

・鉄の剣

・木の盾+1

・素早さの指輪

・魔法強化の指輪

になった。


今気づいたんだが、このゲームの装備って「右手」「左手」の他はアクセサリー枠が4つなんだな。

鎧とか兜みたいなのはないみたいだ。

まあ鎧とか着ちゃったらせっかくの夏服も見えなくなるしな。

見た目を重視するゲームだとたまにある。


なので装備枠はあとアクセサリーが2つ付けられることになる。

魔法強化がどれくらいなのか気になるが、今はまだいいか。

どうせ白魔法しかないし。


マイページに戻ってみると、なんかリラが頬を染めてもじもじしていた。


「なんか、急にお兄さんからプレゼントいっぱいもらっちゃって、嬉しすぎて夢みたいです……」


相変わらず反応がいちいち天使なんだよな。

かわいすぎるのでひとしきり撫でてあげる。


「えへへ……」


>リラの親愛度が6に上がりました。


おっ、また上がったようだな。

とはいえ、今日はまだまだイベントが山ほど待ってる。

この程度で喜んでたら身が持たないぞ。


「ううう……が、がんばります……!」


リラが謎の気合いを入れていた。


というわけで放置画面にやってくる。

そう。大量に手に入れた木材系の素材を使って、リラの家を豪華にするのだ。


さっそく家をタップし、木材を2つ消費して家をアップグレードする。

10秒ほど待つと、ひとまわり大きな家に変化した。


「うわわっ、急に家がおっきく!?」


次に、家の中の様子を表示させる。

予想通り家具類は何もなく、ただ広いだけの部屋になっていた。


まあこの手のゲームでは、最初は大体そうだよな。

何もないところにアイテムを置いて、自分なりの部屋を作っていくんだ。

見栄えのいい部屋を作ろうとして凝りだすと、無限に時間が消えて行くんだよな……


とりあえず、ますはガチャで手に入れていたイスとテーブルを設置する。

他にできることは……おっ、さっき覚えたばかりの「クラフト」のコマンドがあるな。

使ってみると……ああ、なるほど。家具類が作成できるのか。

マイページで使えるって説明には書かれていたけど、ここでも使えるみたいだな。


イスとかテーブルの他に、ベッドやキッチン、あとは装飾関係のものもかなりある。

ていうかキッチンもないのかこの家は。

装飾品関係は後回し。生活に最低限必要なものから揃えていこう。


まずはベッドだよな。

寝るところがないと話にならないし。


タップしてみると、さらに種類があるようだった。

どうやら消費する素材によって品質が上がるようだ。


毎日使うものほどお金はケチってはいけない。

特に睡眠は大事。マジ大事。

貧乏生活の俺だって、ベッドだけはいいものを買ってるからな。

寝心地が良すぎて朝起きられないまである。

つまり俺が遅刻したのはベッドのせいなんだ。


「違いますよ。ちゃんと起きてください」


はい、ごめんなさい。

リラに怒られてしまった。

とにかく、俺は一番グレードの高いベッドを選択した。


・キングベッド:最高級木材1


ひとつしかなかった最高級の素材を使用することになるが、ここは惜しむところじゃないだろう。

なあに。またガチャを引けば手に入るし、へーきへーき。


あとはキッチンと、食料保存庫、衣装棚、カーペットも敷いておきたいよな……


「うわ、うわわ! なんか急にいっぱい家具が……!」


次々と家の中に現れる家具にリラが慌てていた。


「こ、これ、全部お兄さんが作ってくれたんですか……? ありがとうございます!」


俺が作ったっていうか、リラのスキルによるコマンド「クラフト」で作ったんだけど。

まあリラから見たらいきなり現れたんだし、そう思うのも当然か。


「あ、あの。出来たら一つだけお願いしたいのがあるんです」


うん? リラからお願いするなんて珍しいな。

もちろんいいよ。

ていうかリラの家なのに、俺が勝手に作って悪かったな。


「いいえ! こうして立派な家を作ってもらっただけでも、もう十分すぎるくらいですから!」


それで、何が欲しいんだ?


「えっと、大したものじゃないですけど、イスをもう一つ欲しいなと思いまして」


イス?

既にテーブルとイスは一つずつ置いてあるはずだけど。


「あの、願掛けみたいなものといいますか。そんなことあり得ないってわかってるんですけど……。

 もしも、もしもお兄さんがこの家にきてくれたときに、イスが二つあれば一緒にご飯を食べたり、お話ししたりできるなって、思いまして……」


……あーーーーもうリラはかわいいなーーーーー!!

お礼にこれでもかってくらいいっぱい撫でてやる!!


「あっ……えへ、えへへ、えへへへへへ……」


頭を撫でるたびにハートマークがいっぱい飛び交う。

おかげで家の中がハートマークだらけになってしまった。


>リラの親愛度が7に上がりました


ちなみにもちろんイスはすぐに作ったし、残りの素材も全部使って家の中を出来る限り豪華にしてあげた。

お読みいただきありがとうございます。

がんばって毎日複数回更新していきたいと思いますので、ブックマークや、評価などで応援していただけると大変励みになります!


次回「5月2日 19:00 「ハウジングは時間が溶ける」です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ