5月2日 17:00 「壊れスキル」
なんか表示がおかしくなってるスキルがあるんだけど。
このゲームまだベータ版っぽい気もするし、バグってるのかな。
ちょっと試してみたい気もするが……
下手に触ってゲームが壊れたりするかもしれないし、最悪データが消えるかもしれない。
そう考えたら、これはちょっと選べないな。
それよりも、クラフトが気になる。
これ絶対レアアイテムを作るぶっ壊れスキルだと思うんだよ。
というか、スキルを取るとコマンドが増えるって、ソシャゲじゃ初めて聞いたんだけど。
どんなのか逆に気になってくる。
というわけでこれを取得することにしよう。
>リラはスキル「クラフトLv.1」を取得しました
よしよし、これでだいぶ強化できたな。
ついでにいくつか装備も手に入れてたはずだから、ついでにまとめて装備してしまおうか。
これでリラの装備は
・鉄の剣
・木の盾+1
・素早さの指輪
・魔法強化の指輪
になった。
今気づいたんだが、このゲームの装備って「右手」「左手」の他はアクセサリー枠が4つなんだな。
鎧とか兜みたいなのはないみたいだ。
まあ鎧とか着ちゃったらせっかくの夏服も見えなくなるしな。
見た目を重視するゲームだとたまにある。
なので装備枠はあとアクセサリーが2つ付けられることになる。
魔法強化がどれくらいなのか気になるが、今はまだいいか。
どうせ白魔法しかないし。
マイページに戻ってみると、なんかリラが頬を染めてもじもじしていた。
「なんか、急にお兄さんからプレゼントいっぱいもらっちゃって、嬉しすぎて夢みたいです……」
相変わらず反応がいちいち天使なんだよな。
かわいすぎるのでひとしきり撫でてあげる。
「えへへ……」
>リラの親愛度が6に上がりました。
おっ、また上がったようだな。
とはいえ、今日はまだまだイベントが山ほど待ってる。
この程度で喜んでたら身が持たないぞ。
「ううう……が、がんばります……!」
リラが謎の気合いを入れていた。
というわけで放置画面にやってくる。
そう。大量に手に入れた木材系の素材を使って、リラの家を豪華にするのだ。
さっそく家をタップし、木材を2つ消費して家をアップグレードする。
10秒ほど待つと、ひとまわり大きな家に変化した。
「うわわっ、急に家がおっきく!?」
次に、家の中の様子を表示させる。
予想通り家具類は何もなく、ただ広いだけの部屋になっていた。
まあこの手のゲームでは、最初は大体そうだよな。
何もないところにアイテムを置いて、自分なりの部屋を作っていくんだ。
見栄えのいい部屋を作ろうとして凝りだすと、無限に時間が消えて行くんだよな……
とりあえず、ますはガチャで手に入れていたイスとテーブルを設置する。
他にできることは……おっ、さっき覚えたばかりの「クラフト」のコマンドがあるな。
使ってみると……ああ、なるほど。家具類が作成できるのか。
マイページで使えるって説明には書かれていたけど、ここでも使えるみたいだな。
イスとかテーブルの他に、ベッドやキッチン、あとは装飾関係のものもかなりある。
ていうかキッチンもないのかこの家は。
装飾品関係は後回し。生活に最低限必要なものから揃えていこう。
まずはベッドだよな。
寝るところがないと話にならないし。
タップしてみると、さらに種類があるようだった。
どうやら消費する素材によって品質が上がるようだ。
毎日使うものほどお金はケチってはいけない。
特に睡眠は大事。マジ大事。
貧乏生活の俺だって、ベッドだけはいいものを買ってるからな。
寝心地が良すぎて朝起きられないまである。
つまり俺が遅刻したのはベッドのせいなんだ。
「違いますよ。ちゃんと起きてください」
はい、ごめんなさい。
リラに怒られてしまった。
とにかく、俺は一番グレードの高いベッドを選択した。
・キングベッド:最高級木材1
ひとつしかなかった最高級の素材を使用することになるが、ここは惜しむところじゃないだろう。
なあに。またガチャを引けば手に入るし、へーきへーき。
あとはキッチンと、食料保存庫、衣装棚、カーペットも敷いておきたいよな……
「うわ、うわわ! なんか急にいっぱい家具が……!」
次々と家の中に現れる家具にリラが慌てていた。
「こ、これ、全部お兄さんが作ってくれたんですか……? ありがとうございます!」
俺が作ったっていうか、リラのスキルによるコマンド「クラフト」で作ったんだけど。
まあリラから見たらいきなり現れたんだし、そう思うのも当然か。
「あ、あの。出来たら一つだけお願いしたいのがあるんです」
うん? リラからお願いするなんて珍しいな。
もちろんいいよ。
ていうかリラの家なのに、俺が勝手に作って悪かったな。
「いいえ! こうして立派な家を作ってもらっただけでも、もう十分すぎるくらいですから!」
それで、何が欲しいんだ?
「えっと、大したものじゃないですけど、イスをもう一つ欲しいなと思いまして」
イス?
既にテーブルとイスは一つずつ置いてあるはずだけど。
「あの、願掛けみたいなものといいますか。そんなことあり得ないってわかってるんですけど……。
もしも、もしもお兄さんがこの家にきてくれたときに、イスが二つあれば一緒にご飯を食べたり、お話ししたりできるなって、思いまして……」
……あーーーーもうリラはかわいいなーーーーー!!
お礼にこれでもかってくらいいっぱい撫でてやる!!
「あっ……えへ、えへへ、えへへへへへ……」
頭を撫でるたびにハートマークがいっぱい飛び交う。
おかげで家の中がハートマークだらけになってしまった。
>リラの親愛度が7に上がりました
ちなみにもちろんイスはすぐに作ったし、残りの素材も全部使って家の中を出来る限り豪華にしてあげた。
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次回「5月2日 19:00 「ハウジングは時間が溶ける」です。




