コント『タクシーを運転していたら幽霊が乗ってきたので塩対応で通してやったのだが』
「第4回 GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞」応募作品です。
(タクシーでトンネル走行中幽霊が乗ってきた)
ツッコミ「う〜ら〜め〜し〜や〜」
ボケ「ちっ。ついてねぇな」
ツッコミ「あ!? 運転手。てめぇ今『ついてねえな』って言ったか?」
ボケ「言いましたよ。だってお客さん絶対幽霊でしょ? 長い髪に白いワンピース。両手を前に出してさぁ」
ツッコミ「そうだよ! 怖がれよ!」
ボケ「やだよ。オリジナリティないもん。どうせその格好あれでしょ? 大ヒット映画『トング』でしょ?」
ツッコミ「違うわ! 何でパンつかむやつがホラー映画になってんねん!」
ボケ「なんだっけー? 『バンク』?」
ツッコミ「銀行!」
ボケ「『パンク』?」
ツッコミ「タイヤ破裂させてどうすんねん! 映画名気になるだろうが!」
ボケ「面倒くさいからスマホで調べてよ」
ツッコミ「持ってねえ!」
ボケ「え? 最近の幽霊スマホも持ってないの? ダッサ」
ツッコミ「全幽霊が持ってません!」
ボケ「いやもう幽霊なんてお金払ってくんないし。面倒くさいばっかりだもん。俺のメリットを提示してよ」
ツッコミ「メリットなんかあるわけないだろうが! ゆ・う・れ・い! デメリットの塊!!」
ボケ「じゃあさっさと成仏してくださ〜い! あちらでございま〜す!」
ツッコミ「雑に! 浄化しようと! すんな! てこでも動かないからな!」
ボケ「タコでも? オクトパ〜ス!」
ツッコミ「てんめ。呪い殺すぞ!」
ボケ「いいの?」
ツッコミ「あ?」
ボケ「俺を呪い殺すってことはお客さん。俺がそっちの世界に行くってことだけど」
ツッコミ「……………………」
ボケ「あんたの真隣でずっとウザ絡みしてよっかな〜」
ツッコミ「…………やっぱ呪い生かす」
ボケ「なんだよ『呪い生かす』って」
ツッコミ「もう降りようかな」
ボケ「(急に声を張り上げて)暇だから怪談やりまーす!」
ツッコミ「幽霊相手に!?」
ボケ「『隣の柿は良く客食う柿だー!』」
ツッコミ「怖ええええー! 柿怖えー!! てかそれどっかで聞いたな?」
ボケ「『赤巻紙、青巻紙、その黄色いの黄疸じゃない?』」
ツッコミ「怖ええええー! 病院行ってー!!」
ボケ「『竹藪焼けた後に人骨200体でました』」
ツッコミ「怖えええー! 絶対なんか禍々しいところ!」
ボケ「『カエルぴょこびょこ六びょこびょこ。合わせてぴょこびょこを生きたまま絞ると……ガマの油がたら〜りたら〜り』」
ツッコミ「もういいよ! 早口言葉なの!? 怪談なの!?」
ボケ「前々から思ってたんですけどね」
ツッコミ「急に話変えんな」
ボケ「お客さんみたいにオリジナリティないやつじゃなくて、妖怪と仲良くなりたいの」
ツッコミ「悪かったな」
ボケ「一つ目小僧紹介してくんない?」
ツッコミ「知り合いにいないよ!」
ボケ「幽霊ネットワークとか」
ツッコミ「あるわけないだろ!」
ボケ「略してUNW」
ツッコミ「じゃかあしいわ!」
ボケ「ちぇっ。ボッチはこっちくんな!」
ツッコミ「幽霊は全員ボッチ!」
ボケ「戦隊ヒーロー大集合的なものないの?」
ツッコミ「それ『百鬼夜行』! 妖怪に頼んでよ!」
ボケ「だからまず妖怪1体目を紹介してよー」
ツッコミ「いないと言っておろうが!」
ボケ「じゃあ妥協して『三ッ目小僧』!」
ツッコミ「目が増えてんじゃん」
ボケ「それが駄目なら『百目』で……」
ツッコミ「え? 何でそんな『目』にこだわんの? フェチなの?」
ボケ「多ければ多いほどいいじゃ〜ん」
ツッコミ「…………お前『からかさおばけ』紹介するからな」
ボケ「俺より目が少ないとかやだやだー」
ツッコミ「どういう基準なの!? 一つ目小僧と何が違うの!?」
ボケ「な〜んちゃって。お客さ〜〜ん。くるくる〜(両手で顔を隠す)ばあっ!」
ツッコミ「ひっ。お前っ。のっぺらぼうだな!」
ボケ「そうだよ〜〜〜〜ん。ほんとは目が1個もないんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
ツッコミ「………………で?」
ボケ「は?」
ツッコミ「何してんの?」
ボケ「驚かしてんだけど?」
ツッコミ「幽霊相手に?」
ボケ「あっ。そっか。驚くわけないか!」
ツッコミ「ちっ。なんだよ……同業者かよ……帰るわ」
ボケ「まって! 退屈だからもうちょっといて!」
ツッコミ「やだよ。デメリットしかないじゃん」
ボケ「運賃に目を1個置いてってよ!」
ツッコミ「お前が1番怖いわ! いい加減にしろ!」
二人「どーもー。ありがとうございましたー」
お読みいただきありがとうございました!
運賃の代わりに★★★★★が欲し〜い(ダジャレ)
よろしくうらめしや〜。
【他にもコント作品書いております。よろしければ『シリーズ』からご覧ください】