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第9話 決着と旅立ち

 ジルは冷や汗を流す。もう後ろには避けれないから隙を見て横に避けようとするが足が滑った瞬間に魔物の爪が胸の横にかすれ地面に転んでしまう。


 「転んだおかげで軽症ですんだけど」


 目の前にはキッズギドラがいる。どうやら息を吸っている様子で彼女に吹きかけるようだ。突然、コツという音が聞こえてくる。


 「おーい、こっちだバカ野郎」


 いつの間にか翔太が立っており、先ほどの音はどうやら彼が魔物に石を投げて当たった音だったようだ。魔物は翔太の方へゆっくり振り返る。


 彼は腕をクロスにしており、まるで何かを身構えてるみたいに。キッズギドラは何か気づいたのか翔太に向けて猛突進する。


 「僕は・・・諦めない!」


 そう叫び猛突進する魔物を受け止めた。人は切迫した状態に置かれると火事場の馬鹿力を発揮されるそうで、彼もその馬鹿力を発揮していた。


 「今だ、横から思いっきりタックルしてこい」


 「わかったわ」


 ジルも何か決心したような眼をしながら走って魔物の所へ向かい、そのままの勢いで極意<体当たり>を使った。キッズギドラは勢いよくぶっ飛び壁に思いっきりぶつかる。そして、目が回ってうごけない事を即座に目視して確認した後、翔太は右手にダガーを持ちキッズギドラへと走り腹に突き刺す。


 「オオオォォォオオォォ」


 キッズギドラの咆哮がこの洞窟内に響き渡る。ジルは耳を押さえつけているが翔太はそんな事はお構いなしに腹を切り裂く。


 キッズギドラは完全に動かなくなりジルと翔太は勝利を確信した。勝ったのだこの狂暴な魔物に。安堵した翔太は地面にゆっくり倒れる。


 「え、ちょっと、大丈夫」


 「だ、大丈夫だ、これまでの疲労が急にやってきただけだから」


 その時だった。キッズギドラの死体が急に青白い霧状になっていき、それは翔太の中に入り込んでいた。


 「何だったの今のは」


 「・・・何だっていいさそれより魔石は」


 死体があった場所をもう一回みると魔石だけあった。翔太はゆっくりと立ち上がりキッズギドラの魔石を回収した。


 「思った以上に強敵だったな」


 「ステータス確認しましょうよ」


 ジルがそう言うので二人は自分のステータスを確認した。


 山根翔太 Lv.9


 <体力> 134

 <魔力> 52

 <力>  90

 <知力> 45

 <俊敏> 63


 武器 ダガー <スキル> 刺突の攻撃力上昇

    極意<毒の息吹>を習得しました。


 ジル・アレクシア Lv.7


 <体力> 80

 <魔力> 50

 <力>  38

 <知力> 49

 <俊敏> 51


 武器 コンポジットボウ <スキル> 矢の装填速度が上がる(小)


 「翔太のウィンドウに何か書いてるわよ」


 「本当だ。毒の息吹ってことは、あれと同じことでるかも。でも何か、地味だな」


 「まあ、いいんじゃない。初めての極意ってことで」


 「そうだな。さて、帰りますか」


 二人は里に帰り真っ先に長老へ報告しに行った。倒した証拠としてキッズギドラの魔石をみせる。


 「・・・確かにこれはキッズギドラの魔石なんじゃが」


 「どうかしましたか」


 長老の顔色がかわる。ニコニコしてた顔がキッズギドラの魔石を見て顔が険しくなった。


 「これは子供から成体になれなかった種じゃ。なれなかったと言っても、通常の個体よりも狂暴で力が強いんじゃ。よく倒せたのう」


 「とうりでめっちゃ強かったのね、通常の種とは戦ったことないけど」


 「ほっほっほ、よく倒せたよのう」

 

 「ほんっと、死にかけましたよ僕」


 「その服のボロボロの感じで苦戦したことは言わなくても分かる」


 「では、換金にいってくるわね、おばあちゃん」


 二人は道具屋に行き早速手に入れた魔石をお金に変換する。魔石はブラックバットの魔石5個とキッズギドラの魔石1個あり、全部で8750エイナになった。予想外の高値に二人は驚き。

 「「キッズギドラの魔石8000エイナってそんなにするんですか」」


 「鑑定した結果だが、通常の種とは違う個体なのとそれは希少な魔石だからね」


 「ああ、長老が言ってた通りってことね」


 二人はお金を受け取り道具屋を出てた。受け取ったお金はその場で割り勘した後、商店街を一緒に回る。


 「ねえ、明日この里から出るんだけど、ジルは大丈夫」


 「大丈夫よ、それよりも翔太の服の心配しなさよ」


 「そうだね、じゃあ服屋に寄ってみるとするよ」


 翔太は今まで学校の制服で頑張っていた。服を買う余裕はあまりなかったが、今は持ち金に余裕があり丁度いい機会なので買うことにした。そして、ロングソードが壊れてしまったので余った金で武器を買うことにする。とりあえずジルには広場に待っててもらい、翔太一人で服屋に入っていく。


 「どう、この格好」


 広場で待ってもらった彼女に買った服を見せる。


 「いいと思うよ。似合ってる似合ってる」


 白いシャツに軽くて丈夫な鉄の胸当てと黒いズボン、そしてグローブというシンプルな格好にした。鎧とかになると動きにくくなるので、今の自分にはちょうどいいと思った。


 「安かったしな、シンプルなのが一番良い」


 「じゃあ次は武器ね、私もちょうど新しいの欲しいのよね」


 二人同時に店に入る。翔太は剣を、ジルは弓をまじまじと見ている。武器屋の中は思ったよりも広く、種類もたくさんあるので二人ともどれにするか迷っている。


 「よし、これにしよ。ジルはもう決めた?」


 「私はもうちょっと時間が掛かりそう。先に支払っても大丈夫よ」


 翔太はブロードソードにした。長さはロングソードと同じだが、刃の太さがそれよりも太い直剣だ。翔太は1000エイナ支払い、店の外でジルを待つ。


 「おまたせ、待たせてごめんね」


 「大丈夫、てか、何買ったの?」


 「ロングボウ、さっきまでの物より威力は少し弱くなるけど、矢の飛距離が長くなる弓よ。あと、火矢の矢筒も買ったわ。これで火矢が撃てるよ」


 そう話をしているうちに夜になった。強敵キッズギドラを苦労して倒してせいですごく眠くなり翔太はついあくびが出る。


 「じゃあ、また明日ね。おやすみ翔太」


 「ああ、おやすみ」


 ジルは家に、翔太は宿に行く。いよいよ明日は旅立つのだ。この世界のことは全然知らない、だからこそ楽しい冒険ができるのだ。しかし、分かれるとなると寂しくなる。今は見慣れたエルフだが、最初見た時は目を輝かせた翔太だった。


 ~翌日~


 「やあジル、おまたせ」


 「この里出る前にまずおばあちゃんに挨拶しないと」


 「そうだね、いろいろお世話になったからな」


 二人は長老に挨拶をするために家に行く。もしあの人と出会わなかったら使命を持っていること自体分からずにさまようことになったと思う。


 「おはようおばあちゃん、とりあえず挨拶しに来たよ」


 「別に堅苦しいことはしなくてもいいのだが」


 「いやいや、お世話になったので」


 「翔太よ、長い旅路なるが無理せず頑張りなさい。そして己の意志を固めるんじゃ」


 真面目な雰囲気が辺りを漂う。


 「では行ってきます」


 「行ってくるわね」


 ジルは家族との暫しの別れになる。そんな彼女の顔はそこはかとなく悲しく寂しいような感じを翔太は感じていた。


 「そうじゃ、ここから東に出で暫く進むと王都がある。まずはそこを目指しなさい」


 「「ありがとう(おばあちゃん)」」


 二人は里の東、王都がある場所に向かう。こうして翔太の長い冒険が今始まる。


 




序章部分はこれまでで、次からは第一章になります。


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