第5話 魔物狩りと買い物
僕とジルは森の中で魔物を狩っている。ゲームでいうとレベル上げみたいなものだ。まだまだ魔物を倒すことは慣れてないから、ジルにサポートさせてもらっているおかげかレベル1から2に上がった。こんな事になるんなら普段から運動すればよかった。この辺りで一番弱いスライムをようやく一人で倒せるほど。あいつゲームでは弱い存在なのに、現実だとすっごく素早いのなお前。
「ありがとうジル。多分お前がいなかったら僕死んでた」
「大袈裟だよ。私も翔太がいるからこそ楽に倒せるよ。一緒に頑張ろう」
ジルは本当にいい人だな。なんか涙でてきそう。
彼女は弓で戦う。狙いも正確だし百発百中とまではいかないが、ほとんど魔物にあたってる。対して僕は、剣の重さは半減しており片手でも軽々持てるほどだが、向こうの世界では剣を握ったことない。なので技もクソもないのでブンブン振り回すだけ。悲しくなってきた。
「ねえ翔太君。魔石とか忘れずにとってよ」
魔石とは、魔物の体内の中にある石のことで、強い魔物ほどその魔石はより高く売れる。冒険者はこれで生計してるらしい。
「はー、剥ぎ取ることは慣れる気がしない」
スライムは内臓とかなかったから別に良いが、獣系などの魔物を剥ぎ取るのは慣れるまでに時間が掛かりそう。だってグロ耐性ない僕だからキツい。
こんな調子で魔物を狩っていく内に日が落ちていた。
スライムの魔石8個 グレーウルフの魔石3個 ゴブリンの魔石5個の収穫だ。どうやらこの魔石は道具屋で売ることができるらしい。合わせて2700エイナを割り勘して1人1350エイナになった。そして前にジルから貸してもらった500エイナを渡した。
「はい、これこの間の500エイナ」
「え、ありがとう。別に気にしなくていいのに」
お金を貸したことを忘れていたのか、思い出したかのような表情になっていた。もう疲れたので宿に行こう。
「では、そろそろ宿に行くよ。明日はどうする?」
「ごめん、用事があるから」
少しガッカリするも、ジルがいなくても1人で魔物を倒せるようにしないとと思い。明日は頑張って1人で出掛けよう。そう決意しジルと別れる。
途中長老と出会った。
「翔太よ、どうじゃこの辺りの魔物には慣れたかの?」
「まだまだですね、ジルに助けてもらってばかりですよははっ」
「お主は強くなる。それを信じて疑わぬことじゃ」
「はいっ、頑張ります」
長老に言われたことを励ましの言葉と受け取り少し元気を出す。明日は今日よりも頑張らないと。
翌日
翔太は里の外で魔物を倒していた。余ったお金で買ったのか、服を買っていた。どうやら、学校の制服よりも動きやすいのか、昨日より動きが少し良い。
「ふう、疲れた」
そう呟き、少し休憩する。出会った中で1番強かったグレーウルフに対しては、余裕が出てきた。どうやらレベルは3から5に上がっていた。
「ステータス確認するか、1人でいてもあのセリフ言うのは恥ずかしいんだよな。そうだ、略して言ってみよう。ステオプ」
山根翔太 Lv.5
<体力> 110
<魔力> 50
<力> 87
<知力> 42
<俊敏> 62
武器 ロングソード <スキル> 武器の重さ半減
「よし、確実に強くなってる」
上がったステータスを見て翔太は安堵した。今の目標は強くなることしかないが、それに越したことは無い。この世界は翔太がいた世界と違い死が身近にあるのだ。それをジルと一緒に魔物を倒したときに実感した。もしかしたら、魔物と戦って死ぬのは自分かもしれない。
「里に戻るか」
スライムの魔石3個 グレートウルフの魔石5個 ゴブリンの魔石4個の収穫。
全体の数は少ないが、グレーウルフとゴブリンの魔石は昨日より多く手に入れた。
「そういえば、エルフの里ってあんまり見て回ったことないな」
ちょうど良い機会なので、魔石を売りに行ったら観光がてら散歩に行こうと思う。
魔石は合計で2600エイナになった。武器屋があったら中に入ってみよう、何か良い武器があれば買おう。翔太の持っている武器はロングソードしかないが、もし魔物との戦闘中に武器が壊れたらと想像すると、恐ろしくて震える。最低でもナイフは常備したい。
しばらくエルフの里を見回ると魔術店があった。この世界には魔術もあるのかと感心する。興味本位でその店の中に入る。
「いらっしゃーい。あら、客が人族なんて珍しいじゃない」
そこには、魔女の恰好をしたエルフがいた。中には道具とスクロールが沢山あり、興味津々で商品を見る。どうやったら魔術を覚えられるのだろうか。
「すいません、魔術ってどうやって覚えるんですか?僕は魔術とは関係の無い国で育ったので」
「基本的に魔術店にあるスクロールを買い、その内容を理解することで取得できるわ。でも知力がある程度ないと覚えられないわよ。例えばそこにあるスクロールは魔術≪火球≫で知力が60無いと理解できないわ」
「確か僕の知力の数値は・・・42だ」
「じゃあ覚えられないわね」
少しションボリした。せっかく異世界に来たのだから魔術の1つや2つは使えるようになりたい。
「大丈夫よ、レベルを上げたら知力が上がるんだから。でも、知力の伸びは人によって激しい人もいれば、全く伸びない人もいる。あんたの才能次第だわ。あと言い忘れたが、魔術には属性があり、火・氷・風・雷・光・闇とあと補助系があるわ。」
この魔女は親切に魔術の仕様をほとんど説明してくれた。それでも僕はどうしても魔術が使いたいので、この僕でも使えるような魔術はないのだろうか。
「この僕でも使える魔術ってありますか」
「う~んと、魔術≪氷の短矢≫があるわ。威力はあんまり無いが牽制になると思う」
魔術≪氷の短矢≫のスクロールの値段を見てみる。
「に、2000エイナだと」
「あら、魔術は以外と高いわよ」
あまりの高さに驚愕。この里の宿の4倍の値段だ。今これを買う余裕は翔太にはない。
「じゃあ、この回復ポーション(小)を3つで」
「まいどあり」
150エイナしたが回復薬を買う。これは何個あっても困らない代物だ。
「ありがとうございました。この僕に魔術のあれこれを教えてもらって」
「いいのよ、久々の人族に会えたんだから」
店を出る。回復薬という存在を知れたのはいい情報だ。昨日の狩りでは、魔物が僕に攻撃しようとした時に、毎回弓で援護してもらったので怪我という怪我はしてない。そう考えるとジルの存在は大きいと感じた。
「強くならなきゃ」
そう呟いた。またしばらく里を歩くと、お目当ての武器屋を見つけた。
「見つけた。中に入ろう」
中には剣や槍、弓、杖など様々な武器がたくさんあった。
「これください」
翔太はダガーという武器を持って店員に渡す。
「130エリスだ。あんちゃん旅のものか?」
「まあ、訳ありな者なんで」
「苦労してんだな。頑張れよ」
「ありがとうございます」
元気の良い店員から励ましの言葉がでてきた。その言葉で少し元気がでた。もともと元気だが。
外に出てステータスを確認する。
山根翔太 Lv.5
<体力> 110
<魔力> 50
<力> 87
<知力> 42
<俊敏> 62
武器 ロングソード <スキル> 武器の重さ半減
ダガー <スキル> 刺突の攻撃力上昇
武器の欄にダガーの項目がいつの間にか追加されていた。
「ダガーでの攻撃は突きを主に使っていくか」
ダガーを道具袋にしまった。これは、昨日ジルと魔物を狩りに行く前に渡されたものだ。見た目はポーチのように小さいが、たくさん物が入る。ポーション(小)も道具袋に入ってる。中身を確認するとこのようなウインドウが出てきた。
道具袋
ポーション<小> 3
ダガー 1
ロングソードは装備してあるので表示されていない。どうやら10種類と10個まで入れるようだ。
「これ本当になんでも入るんだな」
「おーい、翔太くーん」
向こうでジルが僕を呼ぶ声が聞こえた。
正月気分が抜けまへん




