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第4話 ロイス・エイナという国

「まずは、ロイス・エイナついて語ろうではないか」


 長老の話は、思ったより長く、そして非常に興味深い内容であった。


 遥か昔、大きく栄えた王国があった。その国の名はロイス・エイナ。その国の王ヴェルナッドは、国内外問わずいろんな種族からの信頼も厚い国王であった。エルフなどの種族は、人間の奴隷を目的として攫ったことは少なくない。だが、ヴェルナッド国王は拉致の事件数を0件までに減らしたという。当時、世界で一番強い人はロイズ・エイナ国王だと言われたほどに、その人は最強の人であった。子供から大人まで憧れの的だったが、ある日を境に国王は最も信頼の置いた騎士アイズと共に行方不明。国中の国民はパニックになり、段々とその国は衰退していき、ついにはロイズ・エイナは滅んでしまった。


 「な、なふぇおふ(な、なぜ王は)はきへふぁんふぇふか(消えたんですか)?」


 翔太は、ミートムウを頬張りながら質問する。このジルが持ってきてくれたミートムウは、白い蒸しパンみたいなものの中に豚肉が入っている料理。まるで肉まんみたいな味がする。食べなれた味なのですごくおいしい。話の途中で持ってきてもらったので食べながら聞いた。仕方ない、すっごく腹へったんだもん。ジルは持ってきた後静かに長老の話を聞いた。


 「こらこら、口の中の物が無くなってからしゃべりなさい」


 そう叱られた翔太は、一気に飲み込んだ。


 「なぜ、王が消えたのですか? もしかして、暗殺されたとか?」


 「その可能性を考えたのじゃが、騎士アイズと王を同時に暗殺は無理がある。王は世界最強と呼ばれた男で、騎士アイズはロイズ・エイナ騎士団の中でも最も実力のある騎士なのだから」


 「そうですか、ヴェルナッド国王がいなくなった理由、そして未だに見つかってないのですね。では次に、器や僕の素質を教えてください」


 「ヴェルナッド国王の話に戻るが、世界最強の力には秘密があるのじゃ。もちろん技の冴えは一級品らしい。それよりも聖なる魂が宿ってることが一番の理由。お主はそれと同じ力を持っている」


 僕には特別な力を持っていると、この話で分かった。その力はあの最強と呼ばれたロイズ・エイナ国王、又の名をヴェルナッドと同じ力だ。この力を使って世界最強を目指すと思ったが、次に話す長老の話を聞いてその夢は砕け散った。


 「自惚れるではないぞお主や、まだまだその力はかなり小さい。今の実力では、並の戦士より弱い」


 「そ、そうですか」


 結構ガッカリした。やはり現実は甘くない。


 「じゃが、器は王以上だ。今の君の状況だと器を桶とし、聖なる力を水に例えると。桶の中に小さな水滴が落ちた程度、頑張って強くなり桶いっぱいに溢れた水にするのじゃ」


 僕の力はまだまだ伸びしろがあるってことか。でも1つだけ分からない事ができた。もし、僕の力が完成した時、何をすればいいか分からない。あの人(黒い靄の人)は、僕に何を求めてる。この世界で何をしたらいいかますます分からなくなってしまった。だけど、決心したことがある。


 「長老、この世界を冒険したいと思っています。実は僕、この世界の住人ではありません。誰かにここに飛ばされてやってきました。なぜ僕が力を持っているのか、その理由を知りたいんです」


 そういうと長老は笑った。


 「お主を気に入ったぞ。せっかくじゃ、儂の孫ジルと一緒に旅をしなさい」


 「え、わ、わたふぃでしゅかあ(わたしですか)


 ジルは長老の長い話でいつの間にか寝てた。何も状況が分かっていない彼女は、寝ボケながらも困惑する。


 「寝ておったのかジルよ」


 「あはは、ついウトウトしてしまって寝てたみたい」


 「もう一回言うぞ、翔太と一緒に旅をしなされ」


 「えー、わ、私も一緒にですかっ」


 ジルは慌てて言う。想像の斜め上を行ったような慌てぶりだ。


 「仲がいいからのう。戦闘面でもしっかりサポートしなされ」


 「分かったわおばあちゃん、翔太よろしくね」


 「こちらこそ、よろしく頼むよ」


 一人旅を覚悟したのか、ジルと一緒に旅をすることが分かったから安心と喜びが心から湧き出た。旅に仲間は付き物だ。


 「しかし、今のままでは2人とも弱い。このあたりの魔物に慣れてきたら旅をするといい」


 「では、魔物を狩ろうよ翔太」


 「分かった、一緒に強くなろう」


 2人は意気揚々に支度をする。


 「そうじゃ、この里の北にある洞窟に、キッズギドラがいる、この辺りでは1番強い魔物だ。そいつの魔石を持って来い」


 「「はい、分かりました」」


 と2人同時に言い、この屋敷を出ようとする。


 「貴重な話ありがとうございました。では、行ってきます」


 「行ってくるわ、おばあちゃんじゃあね~」


 「2人が成長するのが楽しみじゃのう、一つ生きがいを見つけたわい」


 長老は笑った。まるで、2人を見守るような感じに。

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