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第15話 原因究明

 宿で魔物の群れが来るまで待つことにした翔太とジルとフィース。そうしていく内にすっかり夜になってしまう。もう来ないのかと思っていたら。


 「群れが来たぞ」


 その言葉を聞いた三人はすぐに宿から出て戦闘態勢に入る。魔物の種類は昼とは変わらないが、数は前回よりも若干多い。対して村を守る人の数は前回と変わらず5人だけだった。


 「っくそ」


 「「翔太」」


 翔太は狼の魔物に伸し掛かられてしまい、これはチャンスだと数名の魔物が彼に襲い掛かろうとする。


 「おらよっと」


 大柄な男が一振りのメイスで三体の魔物をぶっ飛ばし、翔太に乗りかかった狼の魔物は大男の蹴りによって翔太は助けられた。


 「ありがとう」


 「この状況じゃあ仕方ねえさ」


 翔太は立ち上がり魔物との戦闘に戻る。大男はメイスをブンブン振り回して攻撃しており、その一撃が重いのか当たった魔物は立ち上がれない状態になっている。元はそんなに強くない魔物だからそうかもしれない。


 ようやく残りの魔物が一体になった時、ジルが考えた作戦を実行することにした。その作戦は逃げ出した魔物がいたら後を追いかけて原因を突き止めるというシンプルな内容だ。しかし、残り数匹になっても逃げだす様子は無かった。


 「あれ、おっかしいな。こんなはずじゃないんだけど」


 「まさかの失敗か。あ、ちょっと待て。残った奴は倒すなよすぐ戻るから」


 何かを閃いた翔太はどこかに走っていった。


 「どうしようっかフィース」


 「とりあえず、翔太が戻って来るまで耐えましょう。幸いそんなに強くない魔物達なのでそう簡単にやられはしないと思います」


 数分したら翔太は手に畑の野菜を抱えながら戻ってきた。彼はその野菜を魔物に投げつける。


 「ど、どうしたの。気が狂ったの?」


 ジルが変な目で翔太を見る。


 「聞いたところ、この魔物達の目的は食料らしいから畑から取って与えたら巣に戻るかなって」


 「何この状況で火事場泥棒をしているんですか」


 若干フィースが怒りながら言いい、翔太はまあまあとフィースを宥める。魔物達は翔太の投げた野菜を拾ってその場から離れる。


 「よしビンゴ、さあバレない様に追うぞ」


 ジルとフィースは少々不安を感じるも遅れて翔太と一緒に追う。追った先には洞窟があった。


 「あー、また洞窟かよ」


 「まあまあそう言わずに入るよ」


 三人は洞窟の中に入るが、狭い場所に反して魔物がたくさんいた。慌てながらも戦闘態勢に入る。


 「大丈夫か、ジルとフィース」


 「問題ないわ」


 「魔力はさっき回復しました。大丈夫です」


 翔太は剣で魔物を叩き切り、ジルは矢を撃ち、フィースは魔法で攻撃する。洞窟内の魔物の数は外にいた群れの数の倍はいる。この辺りの魔物が全滅した時は三人とも息を切らしていた。


 「あ、わたくし、レベルが、上がったみたいです」


      Lv.8


 <体力> 80

 <魔力> 101

 <力>  32

 <知力> 79

 <俊敏> 46


武器  魔術師の杖 <スキル>詠唱時間短縮(小)

    ダガー   <スキル> 刺突の攻撃力上昇


 「相変わらず、フィースは、魔力と知力高いな。」


 「少し休憩しようよ。こんなんじゃ勝てる相手も勝てないわよ」


 「そう、で、すね。わたくし、俊敏が低いので、体を動かす事は、苦手なので」


 こうなるなら予めアイテムを沢山買った方が良かったと後悔する。この先どんな魔物がいるのかと思うと鳥肌が立つ。


 「よし、進むぞ」


 休憩を終わらせて先を進む。その先にいたのは尻尾が二つに分かれている白い狐がいた。


 「その妖怪、いやその魔物は妖狐です。魔物を操り人に害をなす魔物です」


 「こいつが原因ってことか」


 妖狐は三人がいることに気づくと外に駆け出し始め、翔太たちは妖狐を追う。外に出た時だった、妖狐は三人に二つの青い炎を放つ。(<魔術 鬼火>)


 「あっぶねえな。魔術使えるのか」


 「気を引き締めてください」


 妖狐は三人に向けて威嚇をし、こちらも負けじと武器を構える。咆哮をした後妖狐は空を駆けだし始め、先ほどと同じ魔術を空から放つ。


 「すまない、僕の攻撃範囲外だ」


 「だったら私たちに任せなさい」


 ジルが弓矢で応戦するも次々と矢を華麗に避けられてしまう。


 「華麗に避けることが腹立つ~」


 弓を持っている手が力強く握っていたのか震えていた。妖狐は弓矢で狙われた腹いせでジルの喉を狙って口を開けながら向かってくる。ジルはなぜか固まっていたが、フィースが彼女を突き飛ばし魔術を使った。


 「二人とも、目を閉じてください。<魔術 聖なる光の発光>」


 フィースが持っている杖を中心に激しくも温かい光が当たりを数秒間照らす。翔太とジルはギリギリ目眩ましを防ぎ、妖狐の方ではまともにフィースが放った光を直視し、地面に落ちた後苦しそうにもがいている。


 「この魔術は、通常の魔物なら目眩まし程度ですが、妖怪や怨霊相手ならダメージを喰らわせることができます」


 「ありがとう。あいつと目が合った瞬間体が動かなくなってしまって」


 「大丈夫ですよ。さあ今の内に」


 落ちた場所が案外近かったため、遠距離攻撃専門のジルとフィースは素早く妖狐から離れる。充分な距離の後、ジルは火矢で攻撃しフィースは炎の魔術で攻撃する。フィースが放った炎の魔術で妖狐は吹っ飛び、その後を翔太が狙う。直剣を突き刺そうとした瞬間、妖狐は翔太を睨みつけ全身が痺れて動けなくなってしまう。動けない内に翔太達から距離をとり体制を立て直す妖狐。


 「・・・ぅ」


 「翔太」


 「・・・問題ない、奴に睨まれたら全身が痺れただけだ」


 「それ、私もなったわ」


 「厄介ですね。一時的にとはいえ、一気にピンチに陥る可能性があります」


 妖狐は遠吠えをした。その後だった、周りから魔物の群れが翔太達を囲む。


 「おいおい、ヤバいんじゃねーかコレ」


 「さすがにこの量の相手は」


 辺りは魔物一面、三人は手に汗握る。妖狐は高みの見物と言わんばかりにこちらの様子をうかがっているようだ。ここまでかと三人は思ったが、翔太は何処からか聞き覚えのある声を聞く。


 「オラオラ~、どっからでもかかってこいや~」


 声のした方向を見ると大柄な男が強大なメイスを持って大量の魔物と戦っている。この男は翔太を助けてくれた人だった。


 「まだまだこんなもんだと俺は倒せないぜ。<極意>挑発」


 辺りの魔物は一斉に大柄な男の方を向き襲い掛かり、一方の妖狐は悔しそうに歯を食いしばっており直後大柄な男に<魔術>鬼火を唱えようするも、ジルの弓矢で詠唱を防がれてしまう。


 「あなたの相手はこっちよ」


 「ありがとう。脳筋の人」


 「誰が脳筋だコラ。とりあえず、そっちの狐野郎は任せるぜ」


 翔太は彼に礼を言い再び妖狐と再戦する。


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