第1話 転生
初めての小説投稿です。温かい目で見てください。
それではどうぞ
翔太は目覚めたが頭痛がする、しかも今まで生きてきた中で一番痛い。
「う、頭が、頭が痛い」
痛い頭を支えながら周りを見渡してみる。辺り一面真っ白な空間に翔太は驚いた。ここはどこだと考えるが、頭痛の所為でまともに考えられない。少なくとも日本、いや地球上にこんな所はないだろう。
「おはよう、山根翔太君、目覚めは最悪なようで」
突然、男性の声が聞こえて再び驚く。声の主を探した途端、急に黒い靄が現れた。その靄は一か所に集まりだし、人型に形成されていく。
「お前は誰だ、何で僕がここにいるんだ」
頭痛が引いたのか、少し余裕ができた。
「君は死んだのだよ、強引なやり方だが異世界に転生してもらう。そして私の正体だが、神ではない」
転生って最近流行の設定だなと思いつつ、謎の人?は今とんでもないこと言ったような気がした。
恐る恐る質問してみる。
「え、僕死んだのか」
「ああ、死んだ。足滑らせて階段から転んで死んだ」
なんて恥ずかしい死因なんだと顔を両手で塞ぐ。通りで頭が凄く痛いはずだ。異世界転生物はトラックに轢かれるのが定番じゃないのか。いや、待てよ。転生物はチートスキルが付き物なのではと考えると同時に少しワクワクしてきた。
「僕にチートスキルもらえるのですか」
「先ほど言った通りに私は神ではない。常人離れした力や魔力を授けることはできない」
現実は甘くないのかと少しガッカリした。では、何で僕が転生したのかと不思議に思い聞いてみることにした。
「なぜ、僕が転生されるのでしょうか」
「素質があるからだよ。充分すぎるほどの器を持っている」
翔太はどこでもいる普通の高校1年生。特に目立った才能など無い生徒。彼が器という言葉の意味が分からなかった。もう頭痛が治ってきたが、信じられないことが起きすぎて未だに少々混乱している。
「君は聞きたいことがまだまだあるようだが、残念ながら教えてあげられるのはここまでだ」
「せめて、目的だけでも」
「それも言えない」
内心、少し苛立ちながらも今の現実を受け止めることで精一杯な彼、ため息をした後、謎の人は箱を持ってきた。
「これはお詫びだ。中には武器が入ってる。普通の武器だが無いよりマシだろう」
武器は普通でゲームとかよくみるロングソードという剣だった。見た目もシンプルなデザインをしていている。持ってみると、意外と軽い。木刀より軽いのでは。
「今から転生してもらうよ。転生って言っても、転移という言い方の方が近いかな」
「分かったが、僕はお前を多少なりとも恨んでる。勝手な理由で僕を死なせたことを」
「それはすまないと思っている」
直後、翔太の体は薄くなっていき、不思議な光によって視界が真っ白になった。どんな旅になるのか、どんな人と巡り会うのかと思うとワクワクがするのと同時に、残された親や友達を思い異世界に旅立つ。このころの翔太は知らなかった。まさが自分が壮絶な使命を持ったこと、長い旅路になることを。