第7話
ベッドに寝そべり、医者の残した日記を読む。
『私は「どうやれば効率良く異世界で能力を上げられるか?」を研究した。
そして以下の事がわかった。
①年齢によって異世界ではレベルアップの数値は変わらない。
②異世界ではトレーニングによって筋力アップしない。
③異世界ではレベルアップのみで能力が向上する。
④異世界では『直接攻撃型』『魔力特化型』『万能型』とどの能力が成長しやすいかは個性で分かれる。
⑤レベルアップの速度は人によって違う。
⑥レベルアップの速度は『早熟』『普通』『持続』『晩成』と成長のタイプが分かれる。
⑦筋トレがないので性差がないか、と言われるとそうではない。『女性の方がレベルアップしやすい』『女性の方がレベルアップした時の数値が伸びやすい』とされている。つまり、兵士・剣士は女性の仕事とされている。
⑧確かに兵士や剣士に女性は多いが、冒険者に男性は少なくない。なぜなら『男性の方が魔力の伸びが高い』とされているからだ。
⑨ただ我々、地球からの転移者は恐らく魔力は究めて低い。日本で『お前は霊感が強すぎる』と言われた私でさえ『魔力:3』だった。おそらく『魔力:0』というのが普通だろう。『0』はいくら大きな数字をかけても『0』だ。
魔力の低い転移者の男は冒険者には向かないだろう。
医者の日記を読んだ俺は目の前が暗くなった。
俺は霊感はない。
霊感があったら、廃病院に一人で置いてきぼりにされただけで腰を抜かしているだろう。
ステータスは確認していないが、『魔力』が『3×0』だった場合、俺は結局は魔力は『0』だろう。
剣士や兵士などは男は向かない世界で、冒険者をするんであれば魔力が必要なジョブなんだろうが、魔力は『0』だ。
剣士になろう。
男は剣士には向かない世界かも知れない。
でも女性が剣士に向かない世界でだって女剣士はいる。
男が剣士になれない訳じゃないんだ。
逆に、魔力が『0』の魔術師などいて良い訳がない。
方針は決まった。
あまり先行きは明るくはない。
でもやれるところまではやってみよう。
それにもしかしたら、異世界で最強になれなくても、異世界で鍛えたら日本では最強になれるかも知れない。
諦めるにはまだ早い。
明日の早朝から異世界で冒険者デビューだ。
そして、日本で魔力を鍛える方法があるんだろうか?。