表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

七話 胡桃太郎(勇者)は冒険の準備の相談をした!

ゴールドと装備を貰って、即 冒険……とはいかないのが、現実の世界ですよね。

PR人員としての活動どころか、岡山県の周辺が大森林(ジャングル)になった原因を調査する仕事をする事になった胡桃(くるみ) 太郎(たろう)

今は稲葉社長の運転する車の中だ。一緒に居るのは、鳥飼と……猿飼。


あれから猿飼は、知事に考えを変える様に、長々と進言したが、結局 変わらず、これからの事を話し合う為に、一緒に行動する事になった。


「あれよな……おかしいって…なんでわしが……おかしいじゃろ……いや、マジで……」

ずっと、この調子でブツブツ言っている猿飼。


「・・・」

対して、鳥飼は、考えが追い付かない様で、県庁を出てから、ずっとボーッとしている。


「色々と課題が有りますよね……そこをどうするか…ですよね」

と、稲葉とこれからの事を話している胡桃(くるみ)、もう状況の変化に諦めた様だ。





会社に着いてから

「犬飼を会議室に呼んで来てくれ」

と指示を出す稲葉。


「はい。社長 何の御用でしょうか?」

と、ボリボリと身体を掻きながら、直ぐに来る犬飼。


「君も会議に加わってくれ」

と、犬飼に告げる稲葉。


「一緒に県庁で聞いた者は知っている様に、県のPRを委託されていた我社、と言うか、PR人員として採用された胡桃(くるみ) 太郎(たろう)君、それとうちの社員の鳥飼と犬飼は、今 起きている大異変の調査を行う事になった。

県庁職員の猿飼さんも、サポートとして同行される事に決まっている」


「えっ?」

大規模停電が起きてはいるものの、岡山県の周辺の異変を知らない犬飼は、困惑の表情を浮かべる。


「えっ?何なんですか?大異変とか調査って?」

当然 質問をする犬飼。


「今 稲葉さんが話しとるんじゃから黙っとけぇ犬飼」

イライラしながら言う猿飼。


「はい……」

納得いかない感じの犬飼。


「県知事の説明だと、この大規模停電の原因は、岡山の周辺がジャングルになったからだそうだ」

そう犬飼に説明する稲葉。


「えっ?ジャングル?ジャングルですか?」

混乱する犬飼。


「そうだ。ジャングルだそうだ。その原因などの調査を、PR人員の胡桃(くるみ)君や鳥飼 犬飼、そして県庁職員の猿飼さんのサポートも含めて、四人で調査して欲しい」

更に続けて告げる稲葉。


「移動手段はどうしましょう?」

鳥飼が稲葉に問う。


「車だと渋滞に巻き込まれたりするから、バイクだろうね」

と、稲葉。


「ジャングルと言う事は、猛獣とかもいるかも…ですよね?」

鳥飼が呟く。


「猛獣って、どうするんな?なあ?無理やろ」

と、言葉を吐き捨てる猿飼。


「いや……それ……県職員の猿飼さんに言われると……困るかなぁ〜」

と、少し怒ってるっぽい犬飼。


「なんや?わしが悪いんか?」

そう犬飼に返す猿飼。


「そうは言いませんけど……ねぇ〜?」

と、鳥飼に同意を求める目線をやりながら言う犬飼。


「じゃあ、なんじゃっちゅうねん?」

納得いかない感じの猿飼。


「まあまあ、落ち着いて下さい。取り敢えず、調査に必要な物をリストアップする所から始めよう」

と、ホワイトボードに書き始める稲葉。


「先ずは “移動手段” と……」


キュキュッ


とホワイトボードに書き込む。


「他には?」

と、稲葉。


「食料ですよね。楽に携行出来る物が良いですよね」

と、胡桃(くるみ)


「“食料” ね……」


キュキュッ


と、書き込む。


「宿とか困るので、テントや寝袋なども必要でしょうね。野宿は嫌ですけど、バイクで移動なら、他に手段が無いですよね」

と、鳥飼。


「“キャンプ用品” って感じかな?」


キュキュッ キュキュッ


と、書かれる。


「猛獣がいるかもなら、武器じゃろ」

と、猿飼。


「武器ですか?なら “護身用品” かな……」


キュキュッ


と、書く稲葉。


「スマホとかでインターネットが利用出来ないので、紙の地図ですね」

と、胡桃(くるみ)


「そっ!それ!大事!」

と、一番大きく反応する鳥飼。


「うん。要るな」

と、犬飼。


「要るか?要るかぁ……? 居るなぁ……」

と、徐々に納得する猿飼。


「“地図” と……」


キュキュッ


と、書かれた。


「取り敢えずはこんな感じかな?」

と、稲葉。


「また報告に行く時に思い付いたら言ってくれ」

ホワイトボードの物をメモに書き写す稲葉。


「さて、今度は、それぞれをどう入手するかだね」

と、稲葉が会議室の面々を見ながら言う。


「移動手段のバイクな、県に準備させるから」

と、猿飼。


「ありがとうございます」

と、返す稲葉。


「食料やキャンプ用品も県が準備するから」

と、続ける猿飼。


「それも、ありがとうございます」

と、更に返す稲葉。


「問題は、護身用の武器じゃなぁ……」

悩みながら言う猿飼。


「あっ!あれを忘れてた!」

と、何か思い出した鳥飼。


「どうした?鳥飼」

と、稲葉。


「どう考えても調査なら服が汚れますよね?作業着みたいなのも要りますよね」

と、困り顔の鳥飼が言う。


「なるほど……“調査中の服” ね……」

と、メモに書く稲葉。


「地図も県が準備してくれるのでしょうか?」

と、猿飼を見ながら言う胡桃(くるみ)


「おう、それらも準備したらぁ」

そう返す猿飼。


「問題は、護身用の武器ですね」

と、胡桃(くるみ)が言うと……


「「「「うーーーーん…………」」」」


と、悩み込む会議室の一同。


「しゃーねぇーなぁー 知事に相談してみらぁ……」

と、猿飼。


「それじゃ、それぞれ自宅に帰って、調査に出る準備をして戻って来て下さい。私はその間に、猿飼さんとまた県庁に行って、必要な物を準備して貰う交渉をしてますから」

と、胡桃(くるみ)と鳥飼と犬飼に指示を出す稲葉。


「それなら太郎君 送るね」

と、胡桃(くるみ)に声を掛ける鳥飼。


「それじゃ行こうか?」

と、犬飼が声を掛け。


胡桃(くるみ)と鳥飼は、鳥飼の車で、犬飼は自分の車で移動する準備をする。




「(何だか大変な事になったなぁ……)」

「(何かヤバい事になったわぁ……)」

「(何やでぇれぇ事になったなぁ……)」

「(何やえれぇ事になったわぁ……)」


と、それぞれ心の中でぼやく胡桃(くるみ)、鳥飼、犬飼、猿飼の四人だった。

準備をしたら冒険に出ますが、現代人なので、冒険に求められる装備が、かなり必要になります。

お役所さんは、きちんと準備をしてくれるのでしょうか?


挿絵(By みてみん)

鳥飼さんのイメージイラスト



挿絵(By みてみん)

犬飼さんのイメージイラスト



挿絵(By みてみん)

猿飼さんのイメージイラスト

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ