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晴れの国 岡山 改め 異世界 吉備国 始めました(※桃太郎奇異録 幻)  作者: 一等神 司
異世界 吉備国の始まり
3/12

二話 デミカツ丼 との出会い

こちらがメインです。

【晴れの国 岡山 改め 異界の国 岡山 吉備国魔物語(※桃太郎奇異録 魔)】はサイドストーリーです。

ガシャン!ガシャガシャン!

プァーーーーーッ!

ドンッ!


外の様子を見ると、信号も灯りが消えている。

あちこちで交通事故が起きている。

怒声が飛び交い、クラクションが鳴り響く。

「何しとんじゃっ!どけやっ!われ!」

「あーっ?やんのかコラッ!」

「邪魔じゃ言うとろうがっ!」

ヤクザなのかと思ってしまう様な、怖い言葉が聞こえてくる。


「鳥飼先輩、犬飼先輩、どうしましょう?」


「どうしようって言われてもね……」

犬飼先輩は、混乱している外の状況を見て、若干 怯えている。


「太郎君 とりあえずお茶にしましょうか?まだ来たばかりだし、何にしてもやる事も無いのよね……」

鳥飼先輩は、のんきな事を言っている。

でも、他にどうしようも無いので…


「はい。お任せします」

上司だし、指示に従う。


「じゃあ、お茶を持って来るね」


「手伝いますよ」


「大丈夫よ。一人で出来るから座ってて」


「はい。ありがとうございます」


と、見送ったら、直ぐに戻ってきた。


「停電しているからコーヒーメーカーや自販機が使えない……これ冷えてないけど買い置きの……」

と、缶のお茶を渡された。


イスに座って三人でお茶を飲む。


「先輩達の名字も変わってますよね。僕の胡桃(くるみ)って名字ほどじゃ無いですけど……」


「私の鳥飼は、そうかもね。犬飼は岡山ではそれなりに多いのよ」


「そうそう、犬飼の姓は、昔の総理大臣の犬養 毅(いぬかい つよし)(ゆかり)の有る由緒正しき家名でね……」


「へーっ?そうなんですか?」


「そうなんよ。こっちじゃ常識よ」


「知らなかったです」


色々と二人の姓の事を教わった。

特に、犬飼先輩の家系と犬養 毅(いぬかい つよし)の家系との関係性とか、県外の人間には興味深かった。

学校で名前を聞いた偉人の家系と、関係の有る人と話しているんだと思って、少しビックリした。


「太郎君 ちょっと様子を見てくるわね」


「あっ、一緒に行く、じゃな胡桃(くるみ)


「あ、はい。いってらっしゃい」


二人が様子見に小会議室を出て行く。


ガシャン!プァーーーーッ!


外はまだあちこちで交通事故が起きている。

それを眺めて不安になってしまう。


「おっ、お待たせ!」


「あっ!しゃ社長!」

慌てて席を立つ。


「座ったままで良いよ。気楽にね」


「あ、はい」


「県庁に向かったんだが、信号が停電で渋滞で身動きが取れなかったので、途中で戻ってきたよ」

「県の担当者と会わせたかったのだが、明日だな。今日はこんな状態だし、鳥飼に社員寮まで送って貰って休むと良い」


「ありがとうございます」


「おい、鳥飼!犬飼と一緒に(えびす) 桃太郎(ももたろう)君を借上げの寮まで送ってやってくれ!」


あ……

そう言えば……

社長……

まだ……


「稲葉社長…… 申し上げにくいのですが……」

戻ってきた鳥飼先輩が、凄く困った顔して、チラチラとこちらを見ながら、名前の訂正をしようとしている。

「(がんばれ先輩!)」

心の中で声援を送ってみた。


「何しょん?さっさと行こうや……」


犬飼先輩が呼びに来た。


(おもて) 大変な事になってんのしっとろうが?さっさと行こうや?」

めっちゃ怒ってる?犬飼先輩の言葉が怖い。

気弱そうなのに言葉が怖い!


「あ、はい……」

あ、鳥飼先輩…名前の訂正をするのを諦めた。

先延ばしにする気らしい……


「のんびりしとったらいけまぁが?はよ しねぇ」

マジかっ!?犬飼先輩!鳥飼先輩に怒って死ねって言った!


「じゃあ、胡桃(くるみ) 太郎(たろう)君 行こうか?」

あ、鳥飼先輩 さらっと正しい名前を言った!死ねってのも、さらっとスルーした!


「ん?」

社長 違和感 感じたっぽい!


「あ、はい!宜しくお願いします!」


二人の後に着いて行く。

会社を出ると道は大渋滞だった。


「さあ、乗って!」


鳥飼先輩の運転で社員寮を目指す。


「これじゃ移動も時間が掛かるやろうから、途中で飯 食ってこう!」


「そうですね!」


犬飼先輩が食事を途中でする事を提案して、鳥飼先輩は素直に応じる。


しかし、なかなか車は進まない。

何が起きたのだろうか?


「ここで食ってこう」


のぼりに【デミカツ丼】とか書いてある店に入る事になった。


「岡山の名物の一つがデミカツ丼じゃ 知らんか?」

犬飼先輩が教えてくれる。


「でも、私は…食べた事 無かったけどね」

と、鳥飼先輩が笑う。


「まぁ 食うてみぃ」

犬飼先輩に勧められるままに注文する。


「じゃあ私も!」


三人共 デミカツ丼になった。


少し待っているとデミカツ丼が来た。


「はい。お待たせしました」


湯気の立っている熱々のデミカツ丼だ。


「いただきます」


一口 食べると……


食べ慣れているカツ丼とは、全く違う。

最初に濃厚なデミソースの香りが口に広がる。


「あ、美味しいです。何かこれまで食べてたカツ丼とは別物ですね」


「私も初めて食べたけど、案外 美味しいね」


嬉しそうな鳥飼先輩。


「当たり前じゃろ」

と、得意気な犬飼先輩。


「はい」

無難に返事をしておく。


「あ、そうそう。太郎君は……」

鳥飼先輩の僕の呼び方は、【太郎君】で固定された様だ。


「はい?」


「こっちに移住しちゃったけど、東京に恋人とか居なかったの?」

どストレートな超プライベートな質問がきた。


「はい。今はいません」


「へーーっ?そうなんだ?」

微笑む鳥飼先輩、同情されたのかな?


「へへ、良かったなぁ?鳥飼?」

ん?何がだろう?犬飼先輩が何か鳥飼先輩に言ったら、鳥飼先輩が睨んでた。


そんな感じで食べながら東京での暮らしの話をして、食べ終わって店を出た。


「じゃあ、行こうか?」

と、鳥飼先輩。


「はい。宜しくお願いします!」

サイドストーリーの【晴れの国 岡山 改め 異界の国 岡山 吉備国魔物語(※桃太郎奇異録 魔)】と、極力 時間軸を合わせますが、全く同じではありません。


女性の先輩の鳥飼さんのイメージのモデルは、岡山県出身のブルゾンちえみさんです。

男性の先輩の犬飼さんのイメージのモデルは、岡山県出身の芸人さんの次長課長の河本さんです。



挿絵(By みてみん)

鳥飼さんのイメージイラスト



挿絵(By みてみん)

犬飼さんのイメージイラスト

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