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突然のイベント発生

鏡に映るのは、栗色の長いストレートの髪。

ブルーの瞳に白い肌。

普段きることのない濃いピンクが基調となっているワンピース風のドレス。

ああ、この姿見たことがある。

ずっと、憧れてた私の姿。


何年も前にプレイしたことがある。恋愛シュミレーションゲームの世界だ。

そう、わたしが学生だったころに必死にプレイしたゲーム。

5人の男性と隠しキャラが1人。その他に逆ハーレムエンディングと大団円エンディングがあるゲーム。

男性との恋愛を選ぶのか、この世界の女王になるのか、それとも元の世界に帰るのか…

私の行動と言葉と相手へのアプローチによって未来が変わってくる。


で、今は?

さっきのエンジュの言葉から考えると卒業式は1週間後ってことだった。

卒業式の翌日がこのゲームのエンディングだ。

ってことはエンディングまではあと8日?

今はどんな状態なの?


最近プレイをしていなかったから思い出さないと…

そして情報が少なすぎる。



コンコン



頭を抱えていると、部屋の扉がノックされる。



「はい?」


返事をするとエンジュが入ってきて一礼。


「お嬢様、紅茶の用意ができました。」

みると手元には愛用の紅茶セットと簡単なスイーツ。

そう言えば、さっきお願いしてたっけ…


「ありがとう。エンジュ。」


とりあえず飲んで落ち着こう。

エンジュからも何か情報が聞き出せるかもしれないし。

エンジュに紅茶の給仕をお願いて、部屋の中央にある椅子に腰かける。


「お待たせいたしました、お嬢様。」

エンジュから紅茶を受け取る。

そして、紅茶に口つける。

ほっとする味がする。

頭も自然と冴えてくる。


卒業式の1週間前といえば、何かイベントがあったはず…

えっと、なんだっけ…


確か



「フィーナ!」


思いだそうと紅茶に再度口をつけたところで大きな音をたてて、扉が開かれる


びっくりして思考が停止してしまう。


「オルフェ様?!」

目の前には画面越しでしかみることができなかった人。

そして、一番好きなキャラクター。


あれ、でも、彼が来たって事は…


「オルフェ様、こんな時間にいらっしゃると思わなくて…すいません。」

「いいんだ。今日やっと君のためにできあがったものがあったから、急いで届けにきたんだ。」

「えっ?」


そういって目の前に差し出された綺麗な白い箱。

これって。

イベントだ。


卒業式の時につけてく髪飾りをその時一番好感度の高いキャラから送られるもの。

基本的には、その髪飾りをくれたキャラとエンディングを迎えることになる。

オルフェ様が来たってことはこの時点で好感度が高いのはオルフェ様ってこと…?



やるじゃん、私。


「できれば、それをつけて卒業式は俺と出席して欲しい。」

うながされるまま、オルフェ様からいただいた箱をあける。

中には、金色の縁にいくつもの宝石が散らばっている豪華なもの。

宝石は、オルフェ様の瞳と同じ色。

深いブルー。


「ありがとうございます。必ずつけさせていただきますね。ドレスも合うもの探しますね。」

「それは嬉しいね。楽しみにしているよ。」


そうって頬にキス1つ。

「えっ?!」


ふと頬に手を添える。


「真っ赤になって、可愛いね。」


その言葉にさらに頬が熱くなる。


「じゃあね。また。」


彼はそう言って、部屋からでていく。


嘘…

さっきの頬にキスはイベントスチルだ。



でも、少しの違和感。

どうして?


ふと彼がさった後の部屋の扉を見つめる。

エンジュは彼と入れ違いのように部屋からでていったようで、部屋には私一人。

もう一度オルフェ様からいただいた、髪飾りを見つめる。


あれ…?

この髪飾り…



違和感の正体がわかりかけてる…

わたしはあせる気持ちをもって彼が出て行った扉をあける


そこは、さっき通って来たお屋敷の廊下ではなく…


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