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王都会議午前の部 異世界人は異世界とステータスをみる。

ー王都プレゼン会議ー


おお、円卓だな、うおお! みてるみてる。ドワーフや!エルフや! 虎だな! スマフォで録画しつつ入ってきて正解だな。 こんな表情はなかなかとれない。エルフ耳とかズームしたくなるな。いかんいかん、まずは堂々と立ったまま、第一声だ。


「……皆様、あー、アン王女は昨日以来ですが、初めまして、私はこの度、勇者として召喚された者です。」


全体を見回すように顔とカメラを動かす勇士、よしよし、みんなスマフォを気にしてる。なんだこいつ手に色のついた石を持ってるぞ。とか思っているんだろうな。王は一番遠くのすこし高い席か、すーはーすーはー、リップノイズが出ないようにしなければチェック、チェック、ゆっくりかつはきはきと。


ゆっくりと円卓の用意された席へと歩いていく。


「私は、昨日召喚された時点では、この世界について何にも知らないにも関わらず魔王討伐は簡単だと言いました。」



「ほう。いまさら無理でしたと言いたいんだろ⁉︎ 勇者なんて眉唾だよなあ。そんなヒョロっちいガキに何ができるんだぁ? そもそも名を名乗ってもいねぇぞこいつは。勇者が名前じゃないんだろ! しかもなんなんだよ、そのこっちに向けている色のついた石板はよぉ。オシャレのつもりか? そもそも勇者である証拠がないだろが!」


バン! ガルルゥ! といったような効果音が似合う様相でユウシに口を挟む騎士団長のジャック。


まだ何にも言ってないんだがなー、ああ、ジャックは虎だったし脳筋枠か覚えておこう。まあ、今はありがたいな。毛玉とか作ってなげたら反応するかな。白いなあ。


「ジャック!! 娘の言ったご静聴の意味よくわかってないようだなぁ。 確かにそう思う者もいるだろうが静かにしとけよ、きっと説明があるだろう。」


王の威厳すごいな。背筋汗ドパァだ。毛玉作って遊んで、もし王に怒られたらシャレならんな。やめとこう。でも、親バカだった。アン王女と一緒にやればいいのか。


「いえ、そんなことはいいませんよ。騎士団長のジャックさんでしたね。名前と勇者である証拠は最後にみせたいと思います。そうすると理解が早いんですよ。私が言いたい事は魔王討伐は簡単だという事ですよ。」


出席者全員の顔にそれぞれ様々な表情が浮かんだ。怒り、驚き、嘲り、笑み。


「まあ、挨拶代わりですよ。さて、その1を見せようかと思います。3つありますからね。ああ、それと納得してもらえないと困るので、質問はぜひしてください。よしっ、録画完了しましたね。再生っと。」


勇士は全員にみえるようにスマフォを向けた。


(録画映像−ドワーフ、獣人、エルフ、エルフの耳、王様が映り、ジロジロと怪訝そうな顔つきでこちらを眺めている。アンだけが目をキラキラとさせている。


「……皆様、あー、アン王女は昨日以来ですが、初めまして私はこの度勇者として召喚された者です。」


…………


「まあ、挨拶代わりですよ。さて、その1を見せようかと思います。3つありますからね。ああ、それと納得してもらえないと困るので、質問はぜひしてください。よしっ)


いやーいいもの撮れたな。きっと後々使える弱みになるに違いないな。この表情は…。


とそんな事を考えていたユウシだが異世界人はそんなに冷静ではいられない。


「なんや! それはなんなんや! 今さっきの世界がそんな小さな石板に入ってもうたのか⁈ 何かのギフトかいな? そんなユニークなギフトを授かるなんてすごいなあ!」


「いえ、これはあなた方が紙に絵を書くような行為をすこし難しくしただけです。原理は同じなようなもんです。要はうーん、鏡のような物ですね。」


この子、名前なんだったけな、このエセ言葉はきっと商売人だろうから…苗字はポンだったような。なんとか−ポンだ。好奇心旺盛か…猫耳とかが似合いそうだな。カーティスは言ってなかったが女の子だったのか。


「もちろん、これだけではありません。えー当然この中には私がいた世界の絵? もたくさん入っています。それが証拠なんです。例えばこれですね。再生っと、」


(教材ビデオ−対テロの歴史ー市街地を飛び交う銃弾や核爆発によるキノコ雲、駆逐艦による海賊討伐、空飛ぶ戦闘機。特殊部隊による暗殺。テロに関する戦闘映像がダイジェストで流れる)


「これがあなた方にみせることの出来る一つ目の証拠です。私の世界ではこのような武器や戦法がありました。だからこれらをこの世界でも使えるようにすれば…。簡単ですね?」


掴みはOKかな。いやいや、なんとか−ポンさん、スマフォの裏には何もないから。裏見ようとしないで。まあ現代兵器なんてファンタジー世界にあったら困るから広めるつもりないけどね。あぁ、剣と魔法の世界。


「二つ目はそうですね。ズバリ言うと、この世界は遅れているということです。」


「ええ、そうよ! 魔物共の所為で技術は失われてしまった。だけど我々の気高き思想や文化は遅れてなんかいないわ!」


びっくりしたぁ。ルカ−ジャスティスさんか。耳長いなあ。


「失礼いたしました。まあ私のいた世界では2000年以上の時を経た。思想や文化がありましてね。まあ関係ないですね。それでいまの技術というものは失われる前と比べると何百年ほど差がありますか? 」


「おいおい、何百年? そうだな、それなら多分500から400年くらいか? そんぐらいかかるんじゃないかな。人を育てるのも、発明も、そんだけ時間はかかるだろうよ。まあそもそも何があったのかもはっきりしねぇからなぁ、無理だな数えんのなんて。御伽噺の中の技術さ。」


武具長さんかな? そのヒゲ燃えないのかな。


「そうですか。ありがとうございます。まあそれで、私の世界から言えば千年以上前の技術だなぁと思ったんです。ええっと、私の世界は魔法がありません。なのでこの世界では鉄すら満足に作れず、石の壁も作れずにいるそうで、しかも魔物もいる。それでよく絶滅しないで入られたなと正直そう思いましたね。そんな事を知ると異世界に来られてよかったとは素直には思えないんですよ。」


何名かプルプルしている。ひひぃ、ごめんなさい。


「騎士団長としていうがな。こちとら一所懸命守ってんだぞ? それで、 勇者様は何が言いたいんだ? 技術が無いことが=魔王討伐が簡単だという証拠にはならないよなあ? 」


虎は普通に怖いって、白くて人型だよ? 怖いって。


「よく考えてみると、遅れているとその分やれる事も多いって気づいたんですよ。そしたらテンション上がっちゃいましてね。」


「なにいってんだ?」


「先ほどみせた物も自由に作れるだろうし、新しい法律や組合なんかもね。もうここ、こうすればみたいな案が沢山出てきたんですよ。あなた達の承諾さえ得られればもう魔物に怯えずにすむ体制が楽につくれるんですよ。 まあこれが魔王討伐が簡単な二つ目の証拠です。」


これで納得してもらえなかったら、昨日の書物庫籠りの自分にキリのいい3番にこだわった結果だよ。バーカと言ってやりたい。まあ質問はないみたいだな。 まあ証拠? だもんな。でも言いたい事は伝わったみたいだな。


次第に勇士の発言に惹きつけられている出席者達。


さて、ラストだな、これがすんなり決まればいいんだけどな。


「さて、次が最後ですが、最後は特別です。前の2つなど余裕でいらなくなるくらい重要な事です。その分、扱い方を間違えれば致命傷にもなります。」


一斉に知るときっとショックのあまり話ができなくなるってカーティスさんが注意してくれたなぁ。これ、カーティスさんからはOKもらったし、そのぐらいの方がきっと会議は進むんだろな。郷に入っては郷に従えだったな。


「皆さん、いいですか? ある言葉を一緒に唱えて欲しいのです。」


アン王女からの視線が今は辛いよ。


「えー、皆さん一緒にご唱和ください。ステータス! はい、ステータス! 」


「えっ、あ、ステータス! 」


アン王女の目の前にステータスウィンドウが現れた。


「きゃ、お父様! な、なんなんですのこれは⁉︎ 」


ーアン−クライムー

レベル1 SP8


所持スキル

王族の血(特殊系スキル習得に一部ボーナスがあります)


称号

勇者を召喚せしもの SPプラス5

ファザコン

夢見る少女


スキル習得

生活系

武器系

身体系

魔法系

特殊系













あっそれっステータス。あっそれっステータス。


改訂予定

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