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異世界改革への扉の前で

ー王都会議室ー


いま王都会議室では8人の人類が円卓を囲んでいる


「アンよ、本当に勇者召喚に成功したのか?」


「はい。そうです!」


バン! 円卓を手のひらで叩きつけながらアンは答えた。


「お父様の娘であれば当然ですわ!カーティスや他の魔導師の方々だってしっかりと確認しております。ハセガワ−ユウシャと名乗られたのですから。勇者様に決まってますわ! とっとと『ついで』の議案は終わらせて勇者様をお呼びしましょう! 」


「そうだな…まあ実際会ってみなければわからないが、魔王討伐は簡単と言ってのけた男か…。」


ごほん!

セバスがわざとらしく咳き込み、会議が始まった。


「それでは、まずは兵の装備に関してです。 武器の品質の苦情は相変わらずでして………それと防具の原料となるうさぎが……あとは都市内での商業の衰退が……」


勇士は会議室の扉の前で会議の内容に耳を傾け、アンから声がかかるのを今か今かと深呼吸を繰り返しながら待っていた。緊張を和らげようと案内として隣で待機してくれているカーティスに声をかけた。


「あのー、カーティスさん。今来ている方々の特徴をもう一度言っていただけますか?なるべく簡潔に。昨日の打ち合わせで色々話したまとめっていうことで…。」

はぁー会議の内容…。うう、 緊張する。お腹が痛くなってくるな。いくら予行演習してもなあの内容でよかったんだろうか本当に…。


カーティスと勇士は昨夜、この会議に臨む上で必要な事を話していた。 カーティスはこの会話で得た情報を既にセバスチャンとバンには伝えていた。


「わかりました、勇者様。えーでは少々失礼になるかもしれませんが簡潔に説明いたします。


まずは軍務担当のジャック−オニールさん。獣人の方ですね。虎のような顔と性格をした方です。実際に虎のようだとは言うのはマナー的にNGです。


次に経済担当のパペリーニョ−ポンさん。人間族です。生粋の商人をイメージしていただければよいかと思います。どこの世界もきっと商人は変わらないでしょう?


次に、法担当のルカ−ジャスティスさん。苗字は性格を名は性別をと言った感じです。エルフの方ですね。プライドが高く独善的です。エルフは気高くも優しい方が多いのですがすこし接しづらい方ですね…。


そして生産者担当の3人です。

農業長のキース−ボナペルド

大工長のスーフェルト−ギークさん

武具長のドーゾ−メイルさん


生粋の職人、農業長だけ人間族があとはドワーフの方々です。これからユウシ様が話す改革案については否定的かもしれませんね。


あとバン王とアン王女ですね。この2人についてはそうですね……1人だと思うのがいいでしょう。どちらか褒めればどちらも喜びます。親バカとファザコンです。


と、こんな感じでしょうか。」


「ははっ、親バカですか、ありがとうございます。だいぶリラックスできました。こういう事には慣れていたつもりだったんですが。」


「大丈夫ですよ。 昨日の予行演習では上々だったじゃないですか。私も心惹きつけられてしまいました。」


「ありがとうございます。 」


「ええ。」


半日ほどカーティスとは過ごした勇士は元から異世界が好きだったのも相まってか、親切に接してくれたカーティスに心を開きつつあった。


「ところでその敬語どうにかなりませんか? …下手すれば親と同じ年齢の人から敬語はその、ね?」


カーティスは辺りを見回すと小声で勇士に語りかけてきた。


「ユウシ様、これは王女様からの御命令ですのでお許しください。この会議が終わればすこしはマシになるかもしれません。ユウシ様もそのように丁寧でなくて良いのですよ?」


ユウシも小声で返事をした。


「確かにこの会議が終われば、ですね。カーティスさん、何から何まで本当にありがとうございます。」


と昨日から色々と働いてくれたカーティスと話をしていると扉の向こうでアンの大きな声が聞こえてきた。


「それでは、もう議題もないですわね。お父様! これから私の夢のお告げによって召喚する事ができた。勇者様をお呼びしますわ!勇者様は自己紹介もかねて魔王討伐が簡単な理由を説明してくださるそうなのでご静聴お願いしますわね。それじゃあ勇者様! あとはよろしくお願いします。」


「では行きましょうか。勇者殿」


「…ふぅー。はい」

お父様!勇者様を召喚いたしましたわ!

これでお父様は私のものでございますね!


目をキラキラさせたアン王女。


何をいうか!アンよ、そもそもお前は私のものだぞ!アッハハハー!


豪快に笑うバン王


………


冷めた目で見るカーティス

あたたかい目でみるセバスチャン

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