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勇士の日常(異世界人生まれる)

初めて小説を書きます。趣味で書いてますので拙く不定期で展開していくと思います。よろしくお願いします。

人類滅亡寸前の異世界をチート?改革していきましょう!

ー西暦2025年ー


「はぁ…。」


ある高校の倉庫で全校生徒を代表する男が苦しんでいた。


「いくら教材を電子化するっていって忙しいのはわかるけどさ…生徒一人にこの紙媒体の山をトラックに運べって、そんな仕事押し付けるって正気? どうすりゃいいのよ。ここ3階だぞ? そもそもここに運ぶときはどうしたの? 僕、一人だよ? だれかいっそ火事でも起こして燃やし尽くしてくれ…。」


もうね独り言言ってないとやってられないよ…。


うなだれていると、ポケットにある全生徒に配られているスマートフォンが振動を伝えてきた。

ちなみにこのスマフォには来年度からの電子化に備え高校で学ぶあらゆる教科の教科書、実験映像、参考用の映像などが詰め込まれている。


「うおっ! なんだスマフォか、先生方は忙しいんじゃなかったのか? はい! もしもし、生徒会会長2年1組長谷川勇士ですが先生殿、なにかご用ですか? 」


軍人風の敬礼をしながら答える勇士。

勇士にとっては意趣返しのつもりだった。


まったく生徒1人にこんな重労働を押し付けるなんて!


「長谷川くん。倉庫の方はどうかな? 」


「この紙媒体の山を一人では運びきれません! そもそもほかの役員はどうなっているんですか! サー!」


「いやー、ごめんね。そのことなんだけどほかの人には先輩方の卒業式とか送る会とかの準備あるからさ。借りちゃった」


「おかしい。絶対におかしい。そもそも生徒会長になったのだって上の者は指示して偉ぶっていればいいだけで学校をよくできるのよ。ぜひ貴方の力を貸して、君じゃなきゃいけないんだ! とかなんとかいって僕に会長よろしくって言ったのは先生でしたよね? 」


もう何度目かもわからない抗議だった。


「その時は、任せてください! とかなんとかメガネクイッとさせてって、、、ごめんごめん。まあ、道路が渋滞しているみたいで、トラックきてないからさ、ちびちび運んでよ。これでも先生は大変なのよ〜」


「いつもどおりですね。まったく……って切れてるし」


もとはといえば、勇者にあこがれ人を救いたいと思っていた勇士が、《勇者な勇士》とかいわれて天狗になっていたのが悪いのだが、それは当人も反省していた。


「はぁ……まあ自業自得か…体操しよっと、ぎっくり腰とか怖いしなー。あはは…」


勇士はいつも先生の用事に他の役員を取られ、様々な雑用を一人でこなしていた。


「いちにっさん、にいにっさん。ふぅー、家に帰ったら俺、絶対異世界小説読むんだ。いや、洋ドラみようかな。それとも映画かな。最近は中々みれてないしな。アハハハ…」


と話す相手もいない勇士は準備運動をしながら独り言をいうしかないのであった。


ー白き世界ー


老若男女問わず、種族も問わず、様々な容姿を持ったもの達が円卓囲っていた。まるで神々が現の姿を借りているかのようだった。



ふむ、あの世界ももう限界か。


ええい! またか、奴らは世界をなんだと思っているのだ! 科学技術め!


奴らとはなんだお前は大神さまが創られたものをなんだと思っているのか!


これはまさしく天罰じゃ……。だからあれほどわしは反対したのじゃ。


へー大神様ってのは凄いやつなんだな……。




神々の会議は怒りに任せどなりあうもの、自らの行いに恐怖するもの、関心を持つものと混沌としていた。



静まれ!よく聞け‼︎

我々はなぜこうも短気になってしまったのか? このままだと、我々はもう……我々は長い時をここで過ごしすぎたのじゃ……まぁこの歪みは正すことは大神様を真似るほかないのだろうが。



そう神々の長は言った。



だが我々の試みは…………いや、ともかく、大神さまは我々の力をほとんど使わないで世界をコントロールしたと言われている。それが我々にできない所以はないはずなのだ!


そうだ! その通りだ。


しかし、我々はその秘密を得ようと勇者召喚という拉致まがいの行為を行った。いくら大神様が許していてくれていても、いくら大神さまの世界の民が嬉々として異世界に行きたいと思うものばかりであっても、これは問題だ!



ふと、世界を眺めていたある神が呟いた。



しかし、あそこまでバランスを壊すとな……。悪意なき善意ほどめんどくさいものはないもんなんだな。


そ、それは………。


ええい、会議に集中せんか! ただでさえわれわれは世界の管理で手一杯だったというのにこんな状態なのだ! これだから若いもんは!


ハハッ…俺は大神さまを知らないが、本当に素晴らしい方だったようだな。こんな力がある世界か……まったく想像もできんな。


ええい、会議に集中せんか。 このままでは我々は堕天し、下界から0からやり直しじゃ。大神様の元に行くなど夢のまた夢じゃ。我々はどうすればいいのじゃろうか……


そ、そうだ! いまいちど召喚の儀を行いましょう。


なに⁉︎ ならん! また世界が破壊される!


ええ、わかっていますとも、そのために既存の世界ではなく新たに世界をつくるのです。それも我々の力が弱い世界で。そうすれば世界の許容量も増え、勇者に耐えられる世界をつくることができるかもしれません。


そ、それは…だがそれではその世界の魂のレベルが維持できるか…。


ええ、その世界の民には辛い思いを一時はさせてしまうでしょうが…。世界を滅ぼすほどですからな、あの世界の民の力は、きっと世界を救う力もあるでしょう。何より大神さまの世界の民が持つ力です! 耐え切れるでしょう。そしてうまくいけば我々でも、リソースや魔力というものがまったくない世界を作れるやもしれません。そして大神さまのように高みへと……くっくっく。


(危ういのう。我々大神さまを追おうと無理をし、濁りつつある。人間らしさが戻りつつあるのかもしれん。危険だ。危ういぞ…もし失敗したら、何人が堕天し、ここからいなくなるのか、そして再度高みにのぼるための力を蓄えるのに何千年とかかるか……)


試してみるか……藁をも掴む思いじゃな。


とそんな勝手な神々の思惑で新たな世界が作られ、そして追い詰められた新たな世界の民は勇者召喚の儀を執り行おうとしていた。


ー西暦2025年ー


「はー…。 イッチニーサンっと。 よし、そろそろやるか! うん? なんか焦げ臭いような?」



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