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怨みの花  作者: 桐生初
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謎の女

灰色のマントを頭からすっぽりと被った、世にも美しい女が、黒いドレスを着た、矢張り美しい女と共に、町を歩いている。


だが、その町には、人っ子一人居ない。


酒場や食堂、店という店の扉は壊れ、店内も、丸で嵐が過ぎ去ったかのように荒れている。


草木も枯れ、荒涼とした町だった。


黒いドレスの女が足を止めた。


目の前には、小さな白い花が一輪咲いている。


ドレスの女は、嬉しそうに笑い、その花に触れた。


花は女が触れた部分から枯れて行き、あっという間にただの枯れ草になり、そして、灰となり、風に吹かれて消え去った。


女は怯えた様に手を震わせ、灰の残った手を払い、その場に崩れ落ちる様に座り込んで泣いた。


灰色のマントの女は、楽しそうに笑い、ドレスの女の手を取った。


「無駄な事はお止めなさいましな。レーヴ様。さあ、次の町へ参りましょう。まだ始まったばかりですよ。」


黒いドレスの女は、力なく立ち上がり、マントの女と再び歩き出した。

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