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召喚士は行く。  作者: さぼてん
第一章 全ての始まり
1/8

プロローグ 神々との団欒 atこたつ

趣味で書いたものをせっかくだからと投稿してみることにしました。


設定も適当なので、ストーリーや設定に意見を頂いてもあまり応えられません(本当にすいません)。


それでも構わない、という方はどうぞ。


感想、誤字・脱字・誤用法報告等はどしどしお送りください。

ここはどこだろう。


周りは真っ白い空間で、どこまで続いているのかも分からない。


近くにあるのは、不自然に置かれた畳が六畳と、丸いこたつだけ。


今まで何をしていたのか、名前すらも思い出せない。


「うーん、取り敢えずこたつに入って温まろう」


そう考えた僕はこたつに入った。


コンセントが見当たらないから心配したけれど、中はちゃんと温かい様だ。


「これからどうしたものか……ん?」


これからについて考えようとした瞬間、こたつにの向かい側に光の粒子が現れ始めた。


どんどん人の形に収束していったそれは、最終的に一人のお爺さんになった。


いや、僕もよく分からないけど、光の粒子がお爺さんになった。なったんだから、これ以外に説明のしようがない。


「……すまんかった!」

「えっ?」


いきなり謝られた。


どういうことだろう。


「顔を上げてください。いきなり謝られても分かりません」

「おお、それもそうじゃな。滅多に無いミスをしたもんで焦ってしまった」

「ミス、ですか?」

「そうじゃ。お主は儂のミスで死んでしまったのじゃ」


あー、なるほど。少し読めてきたぞ。


「ということは、僕はお爺さんのミスで死んで、今はこの、よく分からない場所にいると」

「まぁそういうことじゃな。ちなみにここは『天界』という所じゃ」

「そうなんですか。実は僕死ぬ前までのことを何も覚えてなくて。知識とかはあるみたいなんですけど。もし良かったら僕の人生について教えてくれませんか?」

「ああ、記憶が無いのはここがそういう場所だからじゃ、気にすることはない。しかしお主がそれを望むなら、教えるのは儂の役目じゃろうな」

「取り敢えず座ってください。こたつ温かいですよ」

「おおすまんすまん」


そう言って老人は座り、僕の向かい側に入った。


「そう言えば紹介がまだじゃったな。儂はお主の世界で言う神じゃ。一応名乗るなら『最高神』じゃな」

「最高神様ですか。こうして同じこたつに入るなんて、貴重な経験ですね」

「うむ、お主はすこし変わっておるな。まぁ問題も無いが。それでは聴くと良い、お主が送った人生について語ろう」




ーーー1時間後ーーー


「おーい、じじいいるかー?」


そんな、なんだか不謹慎な声と共に現れた光の粒子が収束した先にいたのは、マッチョなお兄さんだった。頭に被ってるコックの帽子のようなものが変に似合っていて面白い。


「小僧、仮にも最高神の儂をじじい呼ばわりするでない」

「うるせーよ、じじいだって『生命神』の俺のこといつまで経っても小僧呼ばわりじゃねーか」

「そりゃあ仕方ないじゃろう。小僧がいつまでも小僧なのが悪いんじゃよ」

「へっ、その暴論は聞き飽きたよ。で、この坊主は誰だ? 見たところ神や天使って感じじゃねーけど」

「あ、こんにちは、生命神様」

「おう、あ、俺もこたつ入っていいか?」

「どうぞどうぞー」

「いや、仮にもここ儂の部屋なんじゃが。『最高神の間』なんじゃが」

「まぁ細かいことは気にすんなよじじい」

「それより続きお願いします!」

「はぁ……。まぁよい。ええと、どこからじゃったっけ?」

「えっと、三歳で僕が天涯孤独の身になる辺りです」

「おお、そうじゃったそうじゃった。あの日はーーー」


そう言って最高神様はまた僕の人生を語り始めてくれた。僕と僕の右側に座った生命神様は、みかんを食べながらその話に耳を傾けた。




ーーー1時間後ーーー


「あら、最高神様と生命神じゃない。お揃いでどうしたの?」

「……その組み合わせはあまり珍しくもないが」


またもや光の粒子が現れ、収束した先に今度は二人。


一人は妖艶なお姉様って感じ。


もう一人は生命神様よりもさらにゴツいお兄さん。


多分この二人も神様だろう、そんな気がする。


「おう、『運命神』に『武神』じゃねーか。お前らもこっち来い!」


ほら、やっぱり。


「やーねー、あたし今は恋愛神を名乗ってるんだからそっちで呼びなさいよ。まぁこたつには入るけど」

「……こたつは素晴らしき文化」

「勝手に呼び名を変えてもらっても困るがの……」


うん、あのお姉様はどっちで呼べばいいんだろ?


多分恋愛神の方だろうな。運命神の方は地雷な気がする。


「って、この可愛い坊やは誰かしら?」

「こんにちは、恋愛神様、武神様」

「……こたつを愛するものはみな同志だ」


どうしよう、武神様のキャラが謎すぎる。まさかのこたつ愛好者だよこれ。


取り敢えずあれだな、困った時の『最高神様に丸投げ』だな。


「最高神様、七歳の小学校入学のところからお願いします」

「うむ。あれはーーー」


そのまま五人で、最高神様中心に盛り上がる話に興じた。




ーーーさらに1時間後ーーー


「あれ、なんだかいっぱいいますね」

「あ、こたつじゃーん! 私も入れてーっ」


もう説明しなくても良い気がする。うん、光って、男と女が現れて、こたつに入りました、まる。


「あら、『創造神』に『魔導神』も? 今日は神様大集合ねー」

「あ、お邪魔してます、創造神様、魔導神様」

「おや、そっちの君は……どうやら魂の一つみたいだね。それがここにいるってことは」

「最高神様、またやっちゃったんだねーっ」

「うるさいわい魔導神、またとはなんじゃまたとは、これでも千年以上はミス無かったんじゃぞ?」

「いや、無いのが当たり前だからな?」


うん、七人でこたつを囲むという円卓だからこそ出来る温かみにほっこりする。


でも僕以外のメンバーがなんだかすごいな。いや、すごいで済む度合いですらないけど。


まぁ困った時の(ry


「最高神様、十歳の六月に何があったんですか?」

「……お主神経図太過ぎじゃろ。まぁ良いがの。あれはーーー」




ーーーそして3時間後ーーー


「なるほど、そうして僕は死んだんですね」

「そうじゃ。まぁ儂のミスじゃがの」


僕の死因はなんてことはない。ただの交通事故だった。なんか、泣けてくる。


そのまま僕達は主に僕の人生を肴にして、みかんを食べながら談笑し続けた。




「ふむ、しかし長居させてしまったの。そろそろ異世界へ行く準備をしなければならんの」

「ねぇ、その坊やには加護を与えるんでしょ?」

「まぁそうじゃな。お主らも気に入ったなら与えてもよいぞ?」

「ほんとか? なら少し準備しなきゃな。よし創造神ちょっとこい」

「あなたはいつも強引なんですよ。まぁ僕も用があるので構いませんけど」


そう言って、生命神様と創造神様は光になって出て行った。


「今のうちに説明しておくかの。お主が行く異世界の名は『アヴァス』。分かりやすく言えば剣と魔法の世界、じゃろうな」

「僕も魔法使えるんですか!?」


それは嬉しい!


是非とも使いたい!


「……初めて年相応の反応を見たな」

「確かにーっ。きみ落ち着きすぎ!」

「んー、そうですかね?」

「まぁそんなことはよい。質問に答えるなら、お主も魔法を使えるぞい。というより、魔導神の加護があるんじゃから大魔導師になれるぞ?」

「えっ、魔導神様からも加護貰えるんですか?」

「当ったり前だよーっ! なんかみんなあげるみたいだしね!」

「そうなんですか。わざわざありがとうございます」


うーん、これは俄然楽しみになってきたな。僕も魔法使いか。あ、三十歳までダメだった方じゃなくてね?


「それでじゃ。アヴァスには多くの種類の生命がいる。それこそ、魔物もいるの」

「魔物、ですか」

「うむ、まぁ武神と魔導神の加護があればまず死なんからそこは安心せい」

「はい」

「それからの、向こうの世界には『ステータス』という、まぁ能力値のような物が存在するの」

「それと魔法はねー、【スキル】ってやつの一種なんだよっ?」

「つまり、前の世界で言うRPGってゲームに似た世界だ、と」

「まぁ厳密には違うかもしれんがの、だいたいその認識でええじゃろ」


なるほど、Lvとかあるかもしれないな。ちょっとワクワクが止まらない。


「でじゃ、何かしたいことはあるかの?」


したいこと? 異世界で?


うーん、魔法は使いたいけど目的ではないし。


うーん……あ。


「家族、が欲しい、かもしれないです」

「家族とな?」

「はい。話に聞く限り、僕は前世でも愛情を知る前に家族がいなくなってしまったみたいですし。誰か僕の近くで支えてくれる様な人が欲しいとは思います」

「そうねぇ、あたし達も神として坊やのこと見守っててあげるけど、近くは無理だしねぇ」

「……向こうの世界で親しい仲間を作ればいい」

「……仲間?」

「……ああ。俺は元人間だからな、お前の気持ちも分からなくはない。お前のそれを実現するので一番早いのは、仲間だ」


なるほど、一理あるかもしれない。どっちにしろ、向こうの知識を教えてくれる人は欲しいし。


てか武神様って元人間なのか。


「分かりました。取り敢えず、旅でもしながら仲間を作りたいと思います」

「そうじゃな。それが良いかもしれんの、ふぉふぉふぉ」

「あ、帰ってきたよーっ」


話が一段落ついたところで、二人が帰ってきた。


「悪りぃ悪りぃ、少し遅れちまった」

「いえ、全然時間かかってませんよ?」

「そうか? なら良かったぜ」


実際大して待ってない。それにしても、何を用意してたんだろう。


「……なら、まずは俺から与えよう。お前に授けるのは身体能力だ」

「武神様なのに武器ではなく身体能力なんですか?」

「……ああ、武器も考えたが、身体能力が低くては武器など扱えない。それに、武器の扱いなら向こうでも十分会得できる」


まぁ確かに。身体能力は割と先天的な何かが必要だが、武器の扱いなら訓練でもどうにかなるし。


「武神様、ありがとうございます」

「……気にするな」

「じゃあ次はあたしねぇ。うーん、女性運でもあげようかしら?」

「女性運、ってなんですか?」

「いや、単純に坊やの出会う女性が坊や好みになりやすくなるというか、坊や好みの女性に出会いやすくなるというか。坊やと出会う運命にある女性が美しくなるとかかしら。まぁそんな感じね」


なんだか嬉しいのかどうか微妙だな。いや、嬉しいけどなんか気恥ずかしいぞ!


「いや、はい、ありがとうございます」

「ふふ、いいのよ。ちなみに髪型も前世で一番似合ってたものに固定しておいたわ」


そう言えばいつの間にか前髪が視界に入らなくなったとは思っていたが、恋愛神様の力だったのか。


前世では前髪も含めてツンツンにして全体を緩くオールバックにしていたみたいだけど、向こうに整髪料があるかは分かんないしな。


「じゃあ次は私ーっ。もちろん魔法スキルをあげよう!」

「お、何が使える様になりますか?」

「アヴァスの世界の魔法って、スキルも魔法の素質も両方大事なの。だからどれを与えるか迷ったんだけど……」

「だけど?」

「めんどくさくなったから、スキル全部あげるっ!」


他六人が一斉にずっこける音が聞こえた気がした。


いや、精神幼いなー魔導神様。


「あ、魔力もちゃんとたっぷりあげるから安心して? 前世で幸せじゃなかった分、次の世界では幸せを掴み取るのだ、少年っ!」

「はい、ありがとうございます、魔導神様」


なんかキャラ変わるなーこの神様。可愛らしいけどさ。


「よっし、じゃあ俺だな。俺からはこれだ」


そう言って生命神様が渡してくれたのは、四百〜五百ページくらい有りそうな厚い本だった。


「これは『深奥の魔書』って言う本の一種でな、早い話が創造神が作った神器って奴だ」

「神器……?」


神器って響きがすでにヤバいんだけどなぁ。


そう思いつつも中を開いてみて、絶句した。


「これ……」

「そうだ。そん中にはな、坊主の前の世界に存在したあらゆる料理のレシピが載ってる。だから本の名前は『料理本』ってところだ。食いたくなったら参考にしろや」


なるほど、これは良い。ていうかこの本すごい。五百ページ以上めくると前の方からページが消えて、後ろの方に新しくページが出てくる。戻ると新しく出来たページが消えて、最初に消えたページが前の方に出てくるようだ。実際には何ページあるんだろう?


「なんか不思議ですね。記憶は無いはずなのに、なんだか久し振りに食べたいなって思えます」

「それもそうじゃろう。記憶が無いとは言え、魂はその味を覚えているんじゃからの。それにお主は自分のあらましを聴いたしの。アヴァスに着く頃には、もう伝聞した記憶と言うより前世での体験として思い出せるはずじゃよ。ここはそういう空間じゃ」


そうなのか、不思議な事ではないのか。でも向こうの世界でも米が食べたいという気持ちがあるのも事実だし。うん、神様ってすごいや。


「ありがとうございます、生命神様」

「いいってことよ」

「なら次は僕ですね。僕からはこれをあげます」


手渡されたのは、A4の紙一枚分くらいの大きさの画面を持つ真っ黒な端末っぽい物。


「ていうか、もしかして」

「うん、例の如く神器だよ」


はい、そうですよねやっぱり。


「これは『GI』って名前の端末でね、あとで最高神様に貰うスキルと合わせて使うものなんだ。機能はいろいろあるけど、核心にあるのは、僕の倉庫への接続、かな」

「倉庫への接続、ですか?」

「うん。簡単に言えば、君が指定した空間と僕の倉庫との間を次元的に繋ぐ通路みたいな働きかな。それだけだと意味ないから、後で最高神様が通路を通して僕の倉庫から好きな物を召喚できるスキルをくれるってわけ」


なんか創造神様の倉庫って果てしなくヤバい気がするんですけど。


「召喚って言うことは一方通行ですか?」

「そうだよ。まぁ一度召喚したら後はそっちで管理して欲しい」

「じゃああんまり大きいのとかは無理ですね」

「ああ、その辺の管理の問題を解決する方法も含めて書いた手紙を入れといたから後で読むと良いよ」

「あ、はい。でもこれ、一方通行ってことは創造神様の倉庫からはなくなる一方じゃないですか?」

「うーん、やっぱり君は不思議だね、神を気遣うなんて。そこが良いんだけどさ。結論からすると、全く問題ないから気にしないで」

「はぁ、問題ない、んですか?」

「まぁ僕は創造神だしね。倉庫にあるものなんてちゃちゃっと創れるし、もともと減るような量でもないよ」


はい、爆弾発言来ました。


〝減るような量でもない〟って明らかにヤバいでしょ、それ。


なんかもうどーにでもなーぁれ。


「最近暇だったし、取り敢えず君が死ぬまでは君優先ってことで、面白そうな物をたくさん創っとくから期待していて。君のこと観察していて必要そうな物があったら入れることもあると思う。何か欲しいものとかある?」


どうせ言わなくてもだいたい揃ってることぐらいお見通しです。


「これって、生き物も入るんですか?」

「うーん、ちょっと特殊な形になっちゃう、というか君にしか扱えない形状にはなるけど大丈夫だよ。魔物とか幻獣とか、創る?」

「はい、もうそれで。ありがとうございます創造神様」


なんかもう自棄である。


「さて、最後に儂じゃな。スキルを三つやるぞい。【解析】【異世界言語】【次元間転送】じゃ。解析は『目の前の物を詳しく知る』スキル、異世界言語は『異世界の読み書きが出来る』スキルじゃ。ちなみにアヴァスは共通言語が一つじゃな。他にあるのは獣達の言葉くらいじゃから問題無かろうて」

「で、次元間転送が創造神様が言っていたスキルだと」

「そういうことじゃ。儂らから与えてやれるのはこんなもんじゃが、他に何かあるかの?」

「いえいえ、ありがとうございます、最高神様。なんですけど、一つお願いがあります」

「なんじゃ?」

「僕に名前をつけてもらえませんか?」

「名前とな? 前世のではなくか?」

「はい。記憶として戻りましたし、少しずつ体験としても前世が戻りつつあります。ですが、皆さんとここでお話をして、こんなに加護を貰った僕は、最早前の僕とは別人でしょう。前世を捨てる気はありませんが、もし良かったらお願い出来ませんか?」

「ふむ、そうじゃな。…………よし、これじゃ。お主の名前は『シン』じゃ。前の世界で儂らの事を表す『神』という文字には、お主の祖国ではそのような読みがあるようじゃからな。シン、でどうじゃ?」

「シン、シンですね。ありがとうございます、良い名前を貰いましたよ」


二文字って呼びやすくていいよね。


「そうかそうか。さて、そろそろお主を送る時間じゃ。赤子からやるのもあれじゃろうから、今と同じ十七歳で送るが、良いかの?」

「まぁ、そうですね。それでお願いします」


両親は得られないけど、早いとこ魔法も使ってみたいし、ちょっと残念だけどそれで行こう。そもそも転生しても、貧乏貴族の末っ子とかだったら愛情貰えるかも分からないし。


「あの、貰った持ち物ってどうなりますか? 転生したら無くなってたとかなりそうで怖いんですけど」

「うーん手紙に書いたんだけど、やっぱり今習得した方がいいね。魔導神、彼に教えてあげて」

「はいはーい、というわけできみ、≪アイテムボックス≫って唱えてみて!」


アイテムボックスってあれかな、容量無限の空間魔法的なやつかな。


「≪アイテムボックス≫!」


すると小さな魔法陣が現れたあと、目の前に黒い線が1〜2mほど引かれ、そこから割れるようにして真っ黒な空間が現れた。これがアイテムボックスか。まるで次元の裂け目だな。いや、そんなの見たことないけどさ。


「はい出来た! やっぱり君は素質あるねーっ」

「いやさっきスキル貰いましたよ?」

「違うんだなー、ちっちっち。スキルを持ってるのとあっさり魔法習得するのとは話が別なのだよ!」


ん? どういうことだ?


「スキルは〝使える〟ってだけ。〝すぐに習得出来る〟とか〝応用出来る〟とかは、素質の問題なの! 本当は素質もあげるつもりだったんだけどきみはもう有りそうだったからさ」

「なるほど」


いやはや魔法って深いね。


「じゃあその中に料理本とGIは入れておいて。それなら多分なくならないから」

「はい」


「さて、街に送るのは色々問題があるからの、それ以外となるんじゃが、出来るだけ安全なところに送る故、我慢して欲しいの」

「もちろんそれで十分ですよ」


この手の転生ものじゃ森に出るとかざらみたいだし。


「では、さらばじゃ。儂らは常にお主を見守っておるからの」

「おう、達者で暮らせよ、坊主」

「良い女の子見つけるのよぉー」

「……こたつは作らないと無いからな」

「魔法でばんばんやっちゃって、幸せになってねーっ!」

「必要そうな物は随時入れときますから安心してください。それと手紙、読んで下さいね」

「皆さんありがとうございました! このご恩は忘れません」


なんだか短い間だったけど、すごい楽しかったな。


向こうの世界、アヴァスでも、こんな風に過ごせる仲間、家族が欲しいな。うん、頑張ろう。


ていうか、こたつ無いのか。それは作らなきゃな。



というなんともどうでも良い決意を最後に、僕の意識は途切れた。




感想、誤字・脱字・誤用法報告など、お待ちしております。

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