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異世界にクラス転移した結果、俺だけ魔王判定で即死刑!?助けてくれた魔王四天王が最強すぎた!  作者: 小鳥遊夜乃


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3/12

第3話 それを知ってはいけなかった

……なあ」


沈黙に耐えきれず、

誰かが口を開いた。


「天間、

 本当に……死んだのか?」


豪華な客室。

柔らかいベッド。

温かい食事。


勇者候補として

厚遇されているはずの空間なのに、

空気は重かった。


答えられる者はいない。


処刑台。

黒い影。

空を覆った“夜”。


誰もが、

あれが現実だったと理解していた。



「……黒龍だったよな」


剣道全国大会出場者、

勇者候補――高橋剣聖が低く呟く。


「伝承級の……

 いや、禁忌級だ」


その言葉に、

クラスメイトたちの顔色が変わる。


「禁忌って……

 つまり、ヤバいやつ?」


軽く言った黒川の声は、

途中で震えた。



「……調べました」


そう言って、

机の上に一冊の本を置いたのは

賢者候補――久遠沙羅だった。


分厚い黒い表紙。

文字は読めない。


「王国禁書庫・

 最奥封印指定文書です」


「ちょっと待て、

 それ俺たちが見ていいやつか?」


「……もう遅いです」


久遠は、

淡々と言った。


「黒龍を目視した時点で、

 私たちは“関係者”です」


誰も、反論できなかった。



ページが開かれた瞬間、

部屋の空気が、

目に見えて冷えた。


そこに記されていたのは――

四つの名。



第一四天王


アルス・クロイツ


魔王に向けられた

あらゆる攻撃・現象・因果を無効化。


「……無効化?」


「勇者でも……届かないってことか?」


高橋は、

無意識に拳を握った。



第二四天王


リリス・アウレリア


世界中すべての魔導書を管理。

魔力、無限。


「無限……?」


誰かが、

乾いた笑いを漏らした。


「勝ち負けの話じゃないだろ……」



第三四天王


ガルド・バルバロス


能力なし。

ただ強く、ただ固く、ただ速い。

絶対不倒。


「……能力、ない?」


田辺が、

呆然と呟く。


「それ……

 一番対策できないやつだ……」



第四四天王


ニエル・ノワール


久遠の指が、

そこで止まった。


黒の雫。

半径二キロ、焼却。


不倶戴天。

敵が消えるまで、終わらない。


沈黙。


誰も、

声を出せなかった。



禁忌一覧の最終ページ。


そこには、

たった一行だけ書かれていた。


四天王が存在する限り、

魔王が前に出る必要はない。


「……なあ」


誰かが、

掠れた声で言った。


「俺たち……

 何を、しようとしてた?」


答えは、

全員が分かっている。


切り捨てた。


怖かったから。

自分たちを守るために。


その時、

王国の使者が部屋に入ってきた。


「魔王城より、

 正式な声明が届きました」


「声明?」


使者は、

震える声で読み上げる。


「――魔王は、

 敵対の意思なし」


「――ただし、

 魔王に危害を加える行為は、

 敵対と見なす」


黒川の顔が、

一気に青ざめた。


誰もが思い出した。


処刑台で言った言葉。

切り捨てた視線。


久遠が、

静かに告げる。


「……私たちは、

 まだ無事なだけです」


「魔王が、

 敵と認識していないから」


その言葉が、

何よりも怖かった。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

次話は魔王城の日常回になります。


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