54話:コスプレ
宣言通り初めに着いたのは服屋「ふくろう」。
服とふくろうのふくをかけ合わせているちょっとオシャレっぽいネーミングのお店だ。
「ほらほら!入るよ」
ぐいっと昧に手を引っ張られるようにして入店。
店内は広く、本当に多種多様な服が置かれている様子だ。
「舞桜はそこの試着室の前で待っててね。服は私が選んでくるからっ!」
というやいなやささっ、と店の奥へと消えていってしまった。
いや、まぁ私に服のセンスはないからそれはいいんだけど…な~んか嫌な予感がするんだよなぁ。
数分後、大量の洋服を抱えた昧が戻ってきた。
「えへへ、まずはこれね」
そう言ってピンク色の服を渡される。
…私にピンクなんて可愛い系の色似合わないと思うけどなぁ。
そう思いつつもせっかく持ってきてくれたものなので試着室に入って着る。
…って
「なんでナース服なの!?」
シャッ!と勢いよくカーテンを開き昧を問い詰める。
「うひょー!似合ってる!似合ってるよ舞桜!最高だよ!」
と興奮した様子でパシャパシャと写真を撮りまくる昧。
というか、なんで丁寧にナースキャップや聴診器まで用意されてるの…?
「よしよし、じゃ次はこれね」
そう言って黒い服とウサギの耳のカチューシャのようなものを渡してくる。
…いや、もうこれバニー服確定じゃん!
私の服を選ぶとか言ってたけどコスプレさせて遊びたいだけなのでは?
というか、なんで昧は私のサイズピッタリのものを選んでこれたの?教えたことないと思うんだけど?
と若干怖くなりつつもいつもお世話になっているので渋々着ることに。
…正直、昨日昧の心を見ちゃった罪悪感もあるしね。
「本当にこれで合ってる…?」
バニー服なんて初めて着るのでこの着方があっているのか不安になりつつそっとカーテンを開いて昧に見せる。
「っぐ、思った以上に似合いすぎている…バニーの黒が舞桜の白い雪のような肌を、ピチピチの布がそのスタイルの良さを…」
「うん、いい…」と何やら満足そうな顔をしている。
どうやら正解だったようだ。
…というか、露出多くない?これ。さすがの私でも少し恥ずかしいんだけど。
「次これね!その次はこれ!」
次々とコスプレ衣装を渡してくる昧に若干引きつつも受け取って私のコスプレショーが始まった。
きちんと羽がついた妖精の服やら、トライデント付きの悪魔の衣装やら、ちゃんと手錠がついてきた婦警やら…。
何でこんなにクオリティが高い服ばっかりあるの?ここ。
「もう、今日死んでもいいかも…」
なんて悦に浸ってる昧を見ると嫌とは言いにくい…。
「これとこれも捨てがたいよね…えへへ」
これ、いつまで続くんだろう…。




