47話:コロッセオ
闘技場。
それは私の所属している戦闘科の敷地にある本場のコロッセオのように円形に作られているガラスのドーム。
防音防弾、防刃はもちろん、なぜか防爆や、防火、防水......など大体のことに耐性のある謎のガラスで作られている。
…いや、ほんとにどんな素材で作ればそんな万能なガラスが作れるんだろうか?
というか、あらゆる建物にこれつかえばよくないかな?
とは思うもののまぁ、コストがかかりすぎるからできないのだろう。
そう思っておこう。
ドームの周辺にはこれまた本場のコロッセオのように3層構造の観客席が用意されている。
今回のように決闘に用いられることもあるが大抵は授業での模擬戦で使用される。
私を見つけたらしい昧がブンブンと手を振ってるので小さく手を振り返してあげる。
「よ、ちゃんと来たんだな」
先に待っていたらしいし天宮が声をかけてきた。
「逃げるとでも思ったの?
ていうか、一回負けたの忘れちゃった?」
と初めて会った日のことで挑発する私。
「あれは無しだろ。勝ち負け関係ないって。ただ一発入れただけだし」
「でも、目的は果たせなかった。負けは負けでしょ?」
「ったく、めんどくせぇな。もうそれでいいから。
約束、忘れてないよな?」
たしか、パーティを組め、だったっけ。
誰も不幸にしない方法を見せてやるとかで。
......そんなの、あるわけ無いのに。
「そっちこそ、約束は守ってよ」
「わーってるよ」
やれやれ、というふうに返事をする天宮。
......にしても、人集まりすぎじゃないかな?客席ほぼほぼ埋まってるんだけど。
と思ったが考えてみると現Sランクと元とはいえSランクである私。
という実質的にSランク同士と戦いだからかもしれない。
あんまり大人数に手の内を晒したくないよなぁ…。
などと渋い顔をする私。
「何だよその顔…まぁいいや。先に入るぞ」
そう言って不正防止のために学生証に埋め込まれているICチップを機械に読み込ませて中に入っていってしまった。
それと同時に「うおぉぉぉー!」という歓声が上がる。
この学校は戦闘狂しかいないのか…。
と呆れ顔になる私も天宮に続いて入る。
中に入るのは正直初めてだったのだが思っていたより広い。
術や拳銃を使う生徒のことも考えてしっかりと距離を取りながら戦えるようにしているのだろう。
ただ、懸念点は障害物が一つもないことだ。
常にお互いの姿が見えている状態。
奇襲などがしにくいようになっており、正々堂々と戦うことを前提にしている。
...とはいえ、私も天宮も白兵戦がメインなのでそんなに困ることはないだろう。
「んじゃま、始めようぜ」
と天宮がニィ、と楽しそうに笑う。




