42話:何も
「一応もう一回言っとくけど阿津斗、ちゃんとしたもの食べないと健康に悪いんだからね?
サプリとかカロリーメイトっていうのはあくまでも食事の補助でしかないんだからきちんとした食事をすること。
また私が弁当作ってあげるから、ね?」
「わかった?」と釘を刺す私。
「…すまない。いつも悪いな」
「そう思うならちゃんとしてほしいんだけどなぁ…」
やれやれと首を横に振る。
「阿津斗だけずるいっ!私もまた作ってよ!」
「はいはい。ちゃんと作るから安心して。
...というか近い、離れて」
ほぼゼロ距離にまで迫ってきていた昧の顔をぐいっ、と|押し退ける。
「やったー!」
と大喜びする昧。
...まぁ二人も三人もそんなに変わらないからね。
それに、いつもやってることだし。
そんなことを話しているうちに予鈴が鳴った。
「舞桜は今日もサボりだよね?」
「うん。二人ともいってらっしゃい」
「むぅ、たまには参加してよ。一人じゃ寂しいんだよ?」
昧がしゅんとした顔でそう言うので
「...分かった。また今度気が向いたらね」
仕方なくそう言うと
「ほんと!?約束だからね!」
と食いぎみに私の小指と自分の小指を絡めて指切りげんまんをしてくる。
「ゆ~び切りげんまん嘘ついたら針千本の~ます!
......と思ったけどなんか、舞桜なら平然とできそうなんだよね...」
「さすがにできないからね?私をなんだと思ってるの?」
と苦笑してしまう。
「ま、なんでもいいや。ほら阿津斗!早くいくよ!」
強引に阿津斗を引っ張っていく昧。
「じゃ!また放課後にね!」
そう言って嬉しそうにスキップをしながら屋上から出ていった。
さて、二人も行っちゃったしどうやって時間を潰そうかと考えていた時だった。
ピロン、と──特にこだわりのないため──デフォルトのままのメールの着信音がする。
教員科からの呼び出しだ。
どうやら先日の昧の暴走事件のことらしい。
そういえば天宮のやつに任せっきりだったっけ?
除霊師が関わっている件だし、ことの顛末は知っておきたい。
そう思い私は少し駆け足で職員室へと向かう。
「失礼します」
ガラガラ、と職員室の扉を開く。それと同時に
「おう、よぉきたなぁ」
とルキア先生がちょいちょい、と手招きする。
私が小走りで駆け寄ると
「早速本題やがな、あいつな~んも知らんかったわ」
やれやれ、といった様子でそう言う。




