表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緋眼の舞姫 〜英雄と悪役の約束〜  作者: 神無月ほたる
1章 月に嘆くジェヴォーダン
19/58

18話:理想の物語

図書室を出ると会いたくもない奴に出会ってしまった。


例の転校生天宮(あまみや)(れん)だ。


「よう、桜木(さくらぎ)でいいよな」


「…はぁ、何の用?」


どうやら出待ちしていたらしい。


…面倒くさい。


「お前に決闘を申し込みに来た」


「嫌だ」


「即答かよっ!?」


「最高ランク様に最低ランクが勝てるわけ無いでしょ」


「へぇー、俺の蹴り受け止めといてよく言うぜ。それによ、入学の時、試験で試験官ボコって首席で入学したって聞いたけどな?」


嫌味っぽく言ってくる天宮(あまみや)


どうやらこっちが天宮(あまみや)のことを調べていたように、向こうも私のことを調べていたらしい。


となると、弱い者アピールも無駄か…。まぁ最初から分かってたことではあるけど。


「いいよ。受けてあげる」


「そう言うと思ったぜ」


嬉しそうに笑う天宮(あまみや)


「決闘はお互いにかけるものを選べるでいいよね」


「あぁ」


「…なら、私が勝ったら2度と私と関わらないと約束して。あなたのためにも」


「俺が勝ったらパーティを組んでもらうぞ。お前に証明するためにな」


自信満々でそう言う。


「証明?なんの?」


そう質問すると


「言ったろ?誰かが不幸になる平和なんてクソ食らえだって。だから見せてやるよ。誰も不幸にならない方法をな」


ニィ、と笑ってそう言い張る天宮(あまみや)


全てを救うと言い張る天宮(あまみや)


何かを犠牲にして他の全てを救う私。


誰がどう見ても間違っているのは私の方だろう。


それはそうだ。誰だってハッピーエンドを求める。平和で、美しい話を求めている。


その裏で何人が犠牲になったのか、何を犠牲にしてきたのか――そんなことすら美しく着飾って。


ならば犠牲になった者は救われたのか?


そんな訳無いだろう?誰だって死にたくないし、ハッピーエンドの世界に辿り着きたかったはずなのだから。


犠牲になった者は救われない。生きた者が勝手に「これでお前も救われたよな」と勘違いするだけなのだ。


全てを救うなんてものは理想でしか無い。


それが現実。理想の物語とはなにもかも違う、理不尽な世界なのだ。


でも私はその理想が好きだし、そうあるべきだと思っている。


だから私が悪で君が正義。それでいい。そうじゃなきゃいけない。


ここはそう。悪役らしく正義の味方を引き立てることにしよう。


天宮(あまみや)(れん)。あなたには誰も救えない」


──と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ