Ein:”Alice”
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↑この小説の姉妹編です。姉妹といっていいのか……
今のところは関連はほとんどないんですけど、ちょっと関連が出てくる回を合わせたいので、早めに投稿。しかし、一応受験生もどきなのできつい…です…<(_ _)>
この命に賭けて誓う。たとえ、皆が戦争について語る時でも、声の続く限り、私は平和を語る。
―――ロバート・エイトキン
薄く霞んだ空に、幾筋か煙のような雲が棚引いている。深い青を含んだ翡翠の山脈が遠くに見え、周囲は低い灌木のまばらに生えた、平原。薄茶とも淡い緑ともつかない微妙な色合いの丈の低い草が、靴の中ほどくらいまでの高さにさざめいていた。
「わあ………」
濃い青色のリボンカチューシャで留められた、淡い金色の髪が、風に花のように踊る。やわらかな淡青色の瞳が、茫洋とけむる花曇りの空を見上げ、まばたきした。
「あなたは異人さんなんですね」
目の前に呆然と立ち尽くす、真っ白な兎の耳を持った青年に、少女は右手に懐中時計をにぎって、とても可愛らしい笑顔で問いかけた。
「異人さん、ここは、どこのお国なんですか?」
ただ呆けたように立ち尽くした青年の、長い白銀の髪が、風に吹かれて少女の金髪と共に舞い上がった。
姉妹編のやつをもう読んでる人はある程度関連を考えてくれると思いますが、結構意外なオチをつけたいので、あまりネタばれは御遠慮願いまーす(;一_一)




