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第5話 初めての戦利品鑑定は雰囲気で

なんとかホブゴブリンを倒した。

倒したホブゴブリンに刺さったままの短剣を回収しつつ、俺はなんでこんなところにゴブリンがいるのかを考える。

まずは斥候、だがホブゴブリンが居る場合なんて聞いたこともない。

ホブゴブリンはその群れのボスになっている場合とより進化したゴブリンに従う場合がある。だが、どちらも巣穴付近に居ることが多いが、少なくともこの付近には見られないだろう。あったとしたら村長が教えてくれたはずだ。

ともかく一旦、村に戻ろう。

「エレナ、皮を剥ごうな。」

人に近い姿をした魔物の皮を剥ぐのはめちゃくちゃ気持ち悪いので却下した。

魚を捌くことすら出来ないのだ。一度捌いたことがあるにはあるが…いつもは優しく甘い姉から珍しく罵倒が飛んできたくらいに悲惨だったことを思い出した。スーパーとかで売ってある切り身なら安心して任せてもらえるが…。

魚ですら無理なのにデカいゴブリンなんてもっと無理に決まっている。

マオが皮を剥いでいるのを見ないようにしつつ…

「なんで見せてくんの!?やめてグロいの苦手だから!」

「あんなえげつない殺し方した奴が言うセリフかの?」

思い出したら吐き気がしてきた。

嘔吐感を抑える為に上を向きながら粗雑な作りな鎧を丁寧に取り外す。

一応、一通り見ておこう。

金属製だし、鍛冶屋に持っていけば買い取ってくれそうだ。

さて次は武器だ。

ホブゴブリンが振り回していた得物。

観察せずに突っ込んでしまった為よく確認していなかったな。特に武器は要確認だ。弓を持っている奴や魔術を使ってくる奴だっているだろう。

時間がかなり経っているだろうし、銃とかクロスボウとかを持っている奴がいるかもしれないな。…今って何年なの?

確認すべきこと後回しにしすぎじゃないだろうか。

大剣か、研ぎ澄まされているしかなり手入れがされている。騎士から奪ったのだろうか?

ヒカリなら扱えそうだけど。

「ヒカリ、これ使えそう?」

「ごめん、重いの無理だし売ろう。マオの方は、なんか気に入るものあったー?」

「大きめの魔石もあったし、換金でええじゃろ」

戦利品は全部売ることになりそうだ。

近くに巣があった場合増援が来る可能性があるので、素早く村に帰ることにした。

「薬草を詰めた袋落としてない?大丈夫?」

「エレナじゃないし大丈夫。持ってるよ」

喧嘩売られたので無視しておくが、代わりに質問を返す。

「今って何年だっけ?」

「聖暦302年だよ」

「聖暦って何?」

「人類と魔族が和平結んだのが聖暦元年、お主と儂が死んだのは聖暦2年」

300年後。…

魔族達は長寿だと聞いたし、リアの魔力が残っているとも聞いた。

「リア生きてるかなぁ?」

「生きて会えたとしても、儂らが生まれ変わりだと言っても信じてくれんじゃろ。」

それはそうだろう、だが信じてくれたパターンを知っている。

そして俺はヒカリを指差しながら

「横の人」

と言うと

「可能性出てきたの」

納得してくれた。

「ひょっとして私に喧嘩売ってるかな?」

とヒカリが言ってくる。

「うん!!!」

とだけ返しておいた。とびきりの笑顔を添えて

ちなみにこの世界の金の単位はマリスである。

リンゴが2マリスで売ってあったから、1マリスは100円ってところだろうか。

高いリンゴは4マリスや5マリスだった。

品種改良とか魔物の襲撃による品薄だとか色々あるだろうが…。

煽っていると村に戻ってきていた。

人だかりがあるな、どうしたんだろうか。

喚いているヒカリの口を押さえつつ、ちょうど近くに居た鍛冶屋のおっちゃんに話を聞く。

「何かあったんですか?」

「ゴブリンの群れが村に入ろうとしてきてね、村の大人達総出で追い払ったんだ。怪我人は居ないから安心しな。」

ゴブリンの群れが来ていたのか、近くにホブゴブリンが居たことも関係あるだろうし、報告すべきだ。

「えっと、その、ホブゴブリンと遭遇して討伐しました!」

「数は?」

「ホブゴブリンが一体、普通のゴブリンが八体ほど居ました。」

「村長に報告しておく。お前達が無事でよかったよ。」

と言って鍛冶屋のおっちゃんは立ち去っていく。

帰るか。

横に居ると思っていたが、マオが居ない。

俺が口を押さえているヒカリだけしか居なかった。

家に戻っているか、取ってきた薬草や剥ぎ取った戦利品を売りに行ったのだろうか。

ゴブリンから剥ぎ取った防具を売る為に、別行動にしよう。

「一旦解散ってことで、またねヒカリ。」

「そうだ、この武器も持って行って。」

と、その大剣を投げ渡してくる。

「殺す気かぁ!!?聞いてないし…」

気を取り直して、防具と武器を売る為鍛冶屋へ向かう。

大剣が重い。何故ヒカリはコレを片手で持てその上ぶん投げられるのかが分からない。

なんとか鍛冶屋の前に辿り着いた。

俺は息切れしながら、扉を開こうと前を見ると…

『本日は閉店しました』

この剣どうしよ。

最後までお読みいただきありがとうございます。誤字・脱字報告、感想お待ちしています。

薬草は1個30マリス、つまり3000円になります。

あと主人公はまだ弱いです。


ヒカリ「ホワイトデーとかあんま縁無いよね。」

エレナ「だってアンタ1個もチョコ渡してないじゃん。……、というか私がバレンタインチョコ渡したんだから私に寄越せ。」

ヒカリ「うげ…このチョコ乞食がよ」

エレナ「はー???私はバレンタインにチョコばら撒いたから貰える権利があるだけなんだが???まー、私モテちゃうからお返しも忙しいんだけどね!あ、そうだ憐れみに意味を込めて1個あげるね」

ヒカリ「…あいつバレンタインデーとホワイトデーをお菓子ばら撒くイベントと勘違いしてない?」

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