束の間の休息
ラキュレスは、村に残っていた子供を見つけた。その子供の親は腰を打っており、動けずにいた。そのため逃げることができなかったのだ。
しかしラキュレスは気にせずに、親を守ろうとする子供を殺してしまった。
「カトレア、ママなんて守らなくていい。逃げなさい。」
そう母親は言った。だがその言葉虚しく、カトレアはラキュレスに殺されてしまった。
カトレアの母親は、娘の死体を見つめた。そしてラキュレスにこう言った。
「あなたたちのことは、私には本当に分かりません。ドラキュラとは何ですか?」
悲しみと怒り、複雑な感情で、ラキュレスに話した。それでも、ラキュレスは何も感じなかった。
「ラキュレス姉ちゃん、殺さないの?」
表情を変えずに、フランは聞いた。
「ああ、殺すに決まってる。」
嬉しそうに答えたあと、ラキュレスは母親を殺した。そのあと、殺した親子の血を吸った。気味が悪かった。
「はあ、はあ。やっと逃げ切れた。あの殺し屋、しつこい。てか、殺し屋っているんだな。」
響は息を切らしながら言った。みつきも翔も同じ状態だった。
「あ、そうだ。みつきってさ、あんなに強かったの?」
響は疑問に思っていたことを聞いてみた。一方、みつきは歯がゆい気持ちでいっぱいのようだった。響の質問も全く聞いていなかった。
(あー、戻りたい。響ひどいよ。)
理由は分からないが、みつきは苛立っていた。翔も同じ気持ちのようだった。話に入れてもらえないことが理由だろう。翔は話に入れる機会を狙っていた。
「そもそも、みつきは何で殺し屋に狙われてるの?もしかしてみつきは殺し屋で、裏切ったとか。」
響が言った内容にみつきは、意味不明のようだった。
「私のこと殺し屋だと思ったの?」
みつきはふくれっ面で話した。
翔が突然話し始めた。
「お母さんとお父さんって、マイペースだね!」
今だ!と思い、出した言葉は、響とみつきの度肝を抜いた。翔は満面の笑みを浮かべて、満足そうだった。
響は息子の言葉に大笑いをした。
「面白いな、今の。」
響は笑いながら言った。
ひと通り話が落ち着いた頃、響は亡命先を考えるために、どこかに泊まることを提案した。
「なあ、亡命先考えるためにどこか泊まらない?ゆっくり考えられると思うんだ。」
みつきはどうでもいいという感じで、うなずいた。翔も嬉しそうに言った。
「いいよ!お泊まり、お泊まり!」
翔はやけに嬉しそうだった。家族とのお泊まりは初めてだったからだろう。
響たちは泊まれる場所を探した。
「お腹空いた。」
翔もみつきも限界で、お腹ぺこぺこだった。早く泊まれる場所を探そうと、響は目を光らせた。
響は看板を見つけた。ネットカフェだった。響は2人を連れて入った。今の時刻は午後10時、翔は普通ならもうとっくに寝ている時間だった。
「カレーうま!」
男のようにみつきは言った。翔はみつきのカレーを少し食べて、寝てしまった。
(明日、亡命先を考えるか。)
響は、そう考えて眠りについた。
今回も話に出てくる名前の由来を紹介します。
ラキュレスに殺されてしまったカトレア。カトレアはラン科の一種で、「蘭の女王」とも呼ばれています。カトレアの母親は蘭のように美しく、女王のように気品にあふれた大人になってほしい。そのような思いが込められていました。