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ヴァンパイヤ  作者: 天野 光
1章
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束の間の休息

 ラキュレスは、村に残っていた子供を見つけた。その子供の親は腰を打っており、動けずにいた。そのため逃げることができなかったのだ。

 しかしラキュレスは気にせずに、親を守ろうとする子供を殺してしまった。

「カトレア、ママなんて守らなくていい。逃げなさい。」

 そう母親は言った。だがその言葉虚しく、カトレアはラキュレスに殺されてしまった。

 カトレアの母親は、娘の死体を見つめた。そしてラキュレスにこう言った。

「あなたたちのことは、私には本当に分かりません。ドラキュラとは何ですか?」

 悲しみと怒り、複雑な感情で、ラキュレスに話した。それでも、ラキュレスは何も感じなかった。

「ラキュレス姉ちゃん、殺さないの?」

 表情を変えずに、フランは聞いた。

「ああ、殺すに決まってる。」

 嬉しそうに答えたあと、ラキュレスは母親を殺した。そのあと、殺した親子の血を吸った。気味が悪かった。



「はあ、はあ。やっと逃げ切れた。あの殺し屋、しつこい。てか、殺し屋っているんだな。」

 響は息を切らしながら言った。みつきも翔も同じ状態だった。

「あ、そうだ。みつきってさ、あんなに強かったの?」

 響は疑問に思っていたことを聞いてみた。一方、みつきは歯がゆい気持ちでいっぱいのようだった。響の質問も全く聞いていなかった。

(あー、戻りたい。響ひどいよ。)

 理由は分からないが、みつきは苛立っていた。翔も同じ気持ちのようだった。話に入れてもらえないことが理由だろう。翔は話に入れる機会を狙っていた。

「そもそも、みつきは何で殺し屋に狙われてるの?もしかしてみつきは殺し屋で、裏切ったとか。」

 響が言った内容にみつきは、意味不明のようだった。

「私のこと殺し屋だと思ったの?」

 みつきはふくれっ面で話した。

 翔が突然話し始めた。

「お母さんとお父さんって、マイペースだね!」

 今だ!と思い、出した言葉は、響とみつきの度肝を抜いた。翔は満面の笑みを浮かべて、満足そうだった。

 響は息子の言葉に大笑いをした。

「面白いな、今の。」

 響は笑いながら言った。


 ひと通り話が落ち着いた頃、響は亡命先を考えるために、どこかに泊まることを提案した。

「なあ、亡命先考えるためにどこか泊まらない?ゆっくり考えられると思うんだ。」

 みつきはどうでもいいという感じで、うなずいた。翔も嬉しそうに言った。

「いいよ!お泊まり、お泊まり!」

 翔はやけに嬉しそうだった。家族とのお泊まりは初めてだったからだろう。

 響たちは泊まれる場所を探した。

「お腹空いた。」

 翔もみつきも限界で、お腹ぺこぺこだった。早く泊まれる場所を探そうと、響は目を光らせた。

 響は看板を見つけた。ネットカフェだった。響は2人を連れて入った。今の時刻は午後10時、翔は普通ならもうとっくに寝ている時間だった。

「カレーうま!」

 男のようにみつきは言った。翔はみつきのカレーを少し食べて、寝てしまった。

(明日、亡命先を考えるか。)

 響は、そう考えて眠りについた。

今回も話に出てくる名前の由来を紹介します。

ラキュレスに殺されてしまったカトレア。カトレアはラン科の一種で、「蘭の女王」とも呼ばれています。カトレアの母親は蘭のように美しく、女王のように気品にあふれた大人になってほしい。そのような思いが込められていました。

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