さらに強大な敵に…
ラキュレスとリングは圧倒的な勝利をした。アラガス村の人は1人残らず惨殺されてしまった。
「あー、楽しかった。こんなに潜入するのが楽しいとは思わなかった。」
ラキュレスは満足という顔だった。
彼女の中で1番楽しかったのは、おそらく人々の表情だろう。
ラキュレスを信用していた時のおばちゃんの顔、その信用が裏切られた時の顔、この2つの顔を見るのが楽しかったらしい。
(こんなに変わるんだな。生き物って。)
リングはラキュレスの楽しそうな姿を見て、その言葉が頭に浮かんだ。なぜそう思ったのかは、リング自身も分からなかったようだ。
ラキュレスはあの時のアラガス村の快感を忘れられず、もう1度潜入に行きたいと言い出した。
ラキュレスのわがままにリングは答え、2度目の人里潜入をすることになった。
みつきと響は新しい仕事に取り掛かった。
しかし、依頼主もウラヴについてはあまり知らないらしかった。依頼主の女はウラヴと交際関係にあった。だが、交際関係にあってもウラヴは自身のことをほとんど話さない口の堅い人間だった。
その女性が暗殺を依頼をした理由は、自分だけでなく他の女性も性的暴力を受けていたからという。
しかし、2人はまず情報集めをすることにした。
「あの…ちょっといいですか?このウラヴという芸能人は、どのような人なんですか?」
みつきは笑顔の仮面をつけて、街中で聞き込みをした。
「ウラヴさんですか?ああ、そりゃもう凄い人ですよ!それ以外に表す言葉なんてありません。」
聞き込みをした人たちは全員口を揃えてそう言った。なかなか情報が集まらなかった。しかし、ウラヴには友人がたくさんいるのは分かったようだ。
(思い切ってウラヴの親友にでも会いにいくか。)
響はみつきに聞いたウラヴの親友、オルルに会いにいくと決めた。オルルの自宅や素顔はすでに調査済みだった。
家の前に着き響は呼び鈴を鳴らすが、出てこなかった。
それから10分くらい家の周りをウロウロしていた。するとオルルと思われる人物が現れた。早速、ウラヴについて聞いた。
「あの、ウラヴさんってどんな人ですか?」
いきなり声をかけられ、オルルはパパラッチかと疑った。
「え?ウラヴのことっすか?ああ、アイツは凄いぞ!政府を味方につけてるらしいんだ。どれだけ蓄えてるんだよって思うよな。」
思ったよりあっさり口を開き、響は本当のことかと疑った。しかし、嘘をついているような感じはなかったため、信じることにした。
オルルはただ、金欲しさに友達となったらしい。しかし、ウラヴはオルルを信用していた。オルルはウラヴが暗殺されれば、違う金持ちの方に行くように、ウラヴを信用していなかった。このような友達が1番危ない気もする。
(政府を味方につけてる?なら、余計に暗殺が難しくなったじゃねえかよ。)
響はオルルが家に入ったところを見て、急いでみつきに連絡をとった。
みつきは響の連絡を受けて、暗殺が難しくなったと痛感をした。
政府の後ろ盾があるウラヴは、強大な敵となってしまったのだ。
(ずるいよ。お父さんとお母さんは。僕が悪い人たちに溶け込もうって提案したのに。僕だけなんでやらせてくれないの。)
翔はそんなことを考えていた。




