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ヴァンパイヤ  作者: 天野 光
1章
17/24

敵、再来

 ラキュレスは沼にはまったリングを助けず、立ち去った。それにリングはブチ切れた。

「なんで助けてくれないの!」

 リングは問い質した。ラキュレスは振り向いた。が、蔑むような目をしてリングを見ていた。

 リングは怒りの頂点に達したのかは分からないが、自力で沼から抜け出しラキュレスに向かって行った。ラキュレスを殺しに行くような目だった。

「怒りのまま私に挑んでも、勝ち目はない。バカだな。」

 ラキュレスはこの勝負に乗った。


 人々はラキュレスとリングを見つけた。全員、目を疑った。ドラキュラ同士が殺し合いをしていたからだ。



 みつきと響は悪い意味の有名人になった。2人とも気分が悪かった。亡命しているのに、こんなにも有名になってしまっては元も子もないからだ。

 数日間、みつきたちはこの街に留まったが、金がなくなった。そのため仕事を探すために、中心部から離れた村に行き就活をした。

「やっと見つけたぞ!この道をまっすぐ行ったところの家の人、人手が欲しいんだって。仕事をしてくれるなら、離れで暮らしていいってよ。」

 響は満面の笑みで走ってきた。

 響が見つけた仕事にみつきは乗った。

「こんにちは。あの離れは自由に使っていいからね。私たちは農業をやっているから、人手が増えるのは嬉しいの。」

 みつきたちは歓迎されているようだ。

 ここから1週間ほど、平凡な日々が続いた。作物に水をあげたり、肥料を与えたりした。

(普通にやっていけてる。このままここに居ても大丈夫なんじゃない?全然、殺し屋やって来ないし。)

 みつきは休憩中にお茶を飲みながら、そう考えていた。

 響にはひとつ、心残りがあった。蓮がどこにいるのか、それを知りたかった。


 みつきは村の商人に交渉をしていた。新しい作物を取り入れてもらうためだった。

「このジャガイモを取り入れてくれませんか?ねっとりしていて、甘いんですよ。」

 みつきの商品紹介はとても上手だった。

 交渉は納得のいく結果に終わり、満足そうに帰った。

 みつきは帰り道、不思議な格好の人を見つけた。ギリシャ神話の神のような姿で、大きな鎌を持っていた。その時、自分は今あの世にいるのかと錯覚をするほどだった。

 みつきは見たことのない大きな鎌に興味を持った。その鎌のあまりの大きさに、彼女は目を見張った。

 みつきは走ってその鎌男に近づき、鎌を奪った。

「やったー!なんかよく分かんない武器、取ったどー!」

 みつきは嬉しそうに鎌を持って帰って行った。

 鎌男は一瞬、呆然と立ち尽くしていたが、我に返った時、瞬間的に怒りが沸き起こった。

「こら、貴様!俺の鎌返せや!俺はモンゴルの殺し屋、クロノス様だぞ!」

 そう言ってみつきの後を追いかけた。

 みつきは家に着いた。

「ねえ、響。この武器なんだろ?」

 帰って早速、みつきは響に聞いた。響は理解するのに時間がかかった。

「それどこで買ったの?」

「買ってないよ。変な人がいてその人が持ってた鎌を勝手に取ってきた。」

 みつきの答えに響は激怒した。

「さっさとその鎌返して来い!それは人の物なんだから。返して来い!」

 みつきは驚いて、逃げるように返しに行った。

 返してもらったクロノスは、幸せそうな顔になった。そしてそのあと、クロノスは言った。

「んじゃ、殺し合いするかね!」

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