敵、再来
ラキュレスは沼にはまったリングを助けず、立ち去った。それにリングはブチ切れた。
「なんで助けてくれないの!」
リングは問い質した。ラキュレスは振り向いた。が、蔑むような目をしてリングを見ていた。
リングは怒りの頂点に達したのかは分からないが、自力で沼から抜け出しラキュレスに向かって行った。ラキュレスを殺しに行くような目だった。
「怒りのまま私に挑んでも、勝ち目はない。バカだな。」
ラキュレスはこの勝負に乗った。
人々はラキュレスとリングを見つけた。全員、目を疑った。ドラキュラ同士が殺し合いをしていたからだ。
みつきと響は悪い意味の有名人になった。2人とも気分が悪かった。亡命しているのに、こんなにも有名になってしまっては元も子もないからだ。
数日間、みつきたちはこの街に留まったが、金がなくなった。そのため仕事を探すために、中心部から離れた村に行き就活をした。
「やっと見つけたぞ!この道をまっすぐ行ったところの家の人、人手が欲しいんだって。仕事をしてくれるなら、離れで暮らしていいってよ。」
響は満面の笑みで走ってきた。
響が見つけた仕事にみつきは乗った。
「こんにちは。あの離れは自由に使っていいからね。私たちは農業をやっているから、人手が増えるのは嬉しいの。」
みつきたちは歓迎されているようだ。
ここから1週間ほど、平凡な日々が続いた。作物に水をあげたり、肥料を与えたりした。
(普通にやっていけてる。このままここに居ても大丈夫なんじゃない?全然、殺し屋やって来ないし。)
みつきは休憩中にお茶を飲みながら、そう考えていた。
響にはひとつ、心残りがあった。蓮がどこにいるのか、それを知りたかった。
みつきは村の商人に交渉をしていた。新しい作物を取り入れてもらうためだった。
「このジャガイモを取り入れてくれませんか?ねっとりしていて、甘いんですよ。」
みつきの商品紹介はとても上手だった。
交渉は納得のいく結果に終わり、満足そうに帰った。
みつきは帰り道、不思議な格好の人を見つけた。ギリシャ神話の神のような姿で、大きな鎌を持っていた。その時、自分は今あの世にいるのかと錯覚をするほどだった。
みつきは見たことのない大きな鎌に興味を持った。その鎌のあまりの大きさに、彼女は目を見張った。
みつきは走ってその鎌男に近づき、鎌を奪った。
「やったー!なんかよく分かんない武器、取ったどー!」
みつきは嬉しそうに鎌を持って帰って行った。
鎌男は一瞬、呆然と立ち尽くしていたが、我に返った時、瞬間的に怒りが沸き起こった。
「こら、貴様!俺の鎌返せや!俺はモンゴルの殺し屋、クロノス様だぞ!」
そう言ってみつきの後を追いかけた。
みつきは家に着いた。
「ねえ、響。この武器なんだろ?」
帰って早速、みつきは響に聞いた。響は理解するのに時間がかかった。
「それどこで買ったの?」
「買ってないよ。変な人がいてその人が持ってた鎌を勝手に取ってきた。」
みつきの答えに響は激怒した。
「さっさとその鎌返して来い!それは人の物なんだから。返して来い!」
みつきは驚いて、逃げるように返しに行った。
返してもらったクロノスは、幸せそうな顔になった。そしてそのあと、クロノスは言った。
「んじゃ、殺し合いするかね!」




