手助け
ラキュレスとリングは逃げまわった。人々の追撃はしぶとかったのだ。
(何だよ、こいつら。どうしてそこまで粘るんだ。人間って本当に気味が悪い。)
ラキュレスはそう考えながら、走っていた。
「ちょっと、ねえ、ラキュレス。このままじゃ負けちゃうよ。」
「うるさい。人間如きに私たちは負けない。って、今呼び捨てにしただろ。『様さま』くらい付けろや。」
2人は言い争いながら、逃げ続けた。
しかし、とうとう追いつかれ、人々に取り囲まれた。
「追い詰めたぞ。取り囲んで首を取れ。」
人々は本気でラキュレスたちを倒すつもりのようだ。
ラキュレスは不快だった。ここまで追い詰められたこと、人々の執念、全てが彼女を不快にさせた。
ラキュレスとリングは離れ離れになってしまった。
「山が燃えているぞ。これじゃ、救助に行けないじゃないか。」
飛行機が墜落した影響で、木に火が燃え移ったようだ。つまり飛行機は炎の中に孤立無縁となった。
しかし、響はみつきと翔を連れて炎が大きくなる前に炎の外に出ていた。しかし、翔はまだ起きていないようだ。
響は自分や翔の手当てをした。みつきには手当てを拒否されたらしく、ガッカリしていた。
手当てを終えたあと、みつきに手助けしてもらいながら歩き始めた。響は遠くの方にいる救助隊を見つけた。
「お、やっぱり救助隊来たな。そりゃそうか、放っておいたら大災害になるもんな。」
響は呑気に独り言を言った。
「何で救助隊はあそこで立ち止まってるの?」
みつきは表情を変えずに、聞いた。
「うーん、なんでだろ?」
響の回答に、みつきはため息をついた。
「でも、たぶん、あの人たちは、救助に行けないんじゃないかな。火の勢いが凄いから。」
響は少し考えたあとに答えた。みつきもこれには納得したようだ。
響はまた考え始めた。
(あの人たち助けたほうがいいのかな。でも俺たちのせいで墜落したって知られたら…)
彼は少し考えたあと、行動に移した。救助隊の方に向かって行った。みつきは意識の戻らない翔を抱いてその場で待っていた。
「あの、向こうに火の届いてない通り道があったので、そこから救助に行ったらどうですか。」
響たちが通ってきた道も、今救助隊に説明したルートと同じだった。みつきのおかげだ。みつきはそのような道を見つけるのが得意だった。説明を終えたあと、響は逃げるようにその場を立ち去った。みつきは響が戻ってくるのに気づき、手を振って自分の場所を示した。
「了解しました。ご協力痛み入ります。」
救助隊は帰って行く響にそう言って、言われた通りにした。
「おい、ちょっとさっきの人、傷だらけだったぞ。しかも足に包帯巻いてたし、少し足を引きずった歩き方だった。それに今こんな所に人がいるか?山の奥地に人なんて。不自然だ。」
1人の救助隊員がそう言った。救助隊員たちは不思議に思いながらも、任務に集中した。
「今朝、モンゴルの山地に飛行機が墜落し、山火事が起こりました。今もなお消火作業が続いています。墜落した飛行機の乗客は、4人が行方不明です。発見された乗客は煙を吸っており、被害は甚大です。」
ネットニュースにはこう書かれていた。人々の目はこれらのニュースに釘付けだった。




