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ヴァンパイヤ  作者: 天野 光
1章
14/24

手助け

ラキュレスとリングは逃げまわった。人々の追撃はしぶとかったのだ。

(何だよ、こいつら。どうしてそこまで粘るんだ。人間って本当に気味が悪い。)

 ラキュレスはそう考えながら、走っていた。

「ちょっと、ねえ、ラキュレス。このままじゃ負けちゃうよ。」

「うるさい。人間如きに私たちは負けない。って、今呼び捨てにしただろ。『様さま』くらい付けろや。」

 2人は言い争いながら、逃げ続けた。

 しかし、とうとう追いつかれ、人々に取り囲まれた。

「追い詰めたぞ。取り囲んで首を取れ。」

 人々は本気でラキュレスたちを倒すつもりのようだ。

 ラキュレスは不快だった。ここまで追い詰められたこと、人々の執念、全てが彼女を不快にさせた。

 ラキュレスとリングは離れ離れになってしまった。



「山が燃えているぞ。これじゃ、救助に行けないじゃないか。」

 飛行機が墜落した影響で、木に火が燃え移ったようだ。つまり飛行機は炎の中に孤立無縁となった。

 しかし、響はみつきと翔を連れて炎が大きくなる前に炎の外に出ていた。しかし、翔はまだ起きていないようだ。

 響は自分や翔の手当てをした。みつきには手当てを拒否されたらしく、ガッカリしていた。

 手当てを終えたあと、みつきに手助けしてもらいながら歩き始めた。響は遠くの方にいる救助隊を見つけた。

「お、やっぱり救助隊来たな。そりゃそうか、放っておいたら大災害になるもんな。」

 響は呑気に独り言を言った。

「何で救助隊はあそこで立ち止まってるの?」

 みつきは表情を変えずに、聞いた。

「うーん、なんでだろ?」

 響の回答に、みつきはため息をついた。

「でも、たぶん、あの人たちは、救助に行けないんじゃないかな。火の勢いが凄いから。」

 響は少し考えたあとに答えた。みつきもこれには納得したようだ。

 響はまた考え始めた。

(あの人たち助けたほうがいいのかな。でも俺たちのせいで墜落したって知られたら…)

 彼は少し考えたあと、行動に移した。救助隊の方に向かって行った。みつきは意識の戻らない翔を抱いてその場で待っていた。

「あの、向こうに火の届いてない通り道があったので、そこから救助に行ったらどうですか。」

 響たちが通ってきた道も、今救助隊に説明したルートと同じだった。みつきのおかげだ。みつきはそのような道を見つけるのが得意だった。説明を終えたあと、響は逃げるようにその場を立ち去った。みつきは響が戻ってくるのに気づき、手を振って自分の場所を示した。

「了解しました。ご協力痛み入ります。」

 救助隊は帰って行く響にそう言って、言われた通りにした。

「おい、ちょっとさっきの人、傷だらけだったぞ。しかも足に包帯巻いてたし、少し足を引きずった歩き方だった。それに今こんな所に人がいるか?山の奥地に人なんて。不自然だ。」

 1人の救助隊員がそう言った。救助隊員たちは不思議に思いながらも、任務に集中した。


「今朝、モンゴルの山地に飛行機が墜落し、山火事が起こりました。今もなお消火作業が続いています。墜落した飛行機の乗客は、4人が行方不明です。発見された乗客は煙を吸っており、被害は甚大です。」

 ネットニュースにはこう書かれていた。人々の目はこれらのニュースに釘付けだった。

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