大惨事
前回の話の一部を訂正したことを報告します。最後のところで、エドガーは海に降りたのではなく、山の中に降りました。大きな間違いをしてしまい、申し訳ありません。
リングに切られた女性は、その場に倒れ込んだ。リングは別の人を殺しに行ってしまった。
「待ちなさいよ。絶対に許さないから。」
女性は目を血で染めながら言った。しかしリングは、聞こえないと言うかのように、手を耳に当て、手振りをした。からかっているようだった。
ラキュレスはイライラしていた。何度でも立ち上がって戦う人間がとても不快に感じたのだろう。
ラキュレスは、行動が先ほどまでよりも荒くなっていた。人を一度に2、3人ずつ切って回った。
(早く終わらせたい。)
ラキュレスはそう考えていた。ただ感情を理由にそう考えたわけではなく、ちゃんとした理由があった。
ラキュレスとリングが近づいたとき、2人は一瞬だけ話をした。
「リング、さっさと終わらせるぞ。私が家に火をつける。お前は足止めをしろ。」
「火?まあ、いいけど。足止めすればいいのね。」
その会話の後、2人は行動に移した。
リングの足止めのせいで、人々はラキュレスの方に行けなかった。
「あ、みつき危ない!逃げろ!」
響は叫んだ。機内には席の上に手荷物棚ある。その手荷物棚に収納してあった荷物に火がつき、それが落ちてきたのだ。みつきは急いで逃げたため、軽い火傷で済んだ。
響は、ほっと胸を撫で下ろした。
機内は煙で充満していた。さすがのみつきも咳をするほどだった。
(このままじゃ、俺たち死んじまうぞ。)
響は危機感をあらわにした。
蓮はもう助けられないと分かり、他の人を助けることにした。
みつきは相変わらず突っ立っていたが、少し変化があった。響の言うことを少しは聞くようになっていたのだ。
「みつき、手伝ってくれ。」
響の言葉でみつきは振り向いた。
「この飛行機はもうすぐ墜落するはずだ。だからそれまでに、俺たちは逃げる準備をしておくんだ。全員は助けられない。でも自分たちだけで助けられる人数はせめて助けるぞ。」
みつきは響の言葉に疑問を持った。2人で助けられる人数は、多くても4、5人程度。助けたって意味がない、そう思っていたからだ。
「まず、ここにある酸素マスクつけろ。エドガーが窓に開けた穴をなるべく大きくして、紐とかで自分とあと2人を、後ろに1人と前に1人、結ぶんだ。その穴から飛び降りる。できたら機長は連れて行きたい。もちろん翔は連れて行く。置いていく人のために、飛び降りるまで火を弱めておかないと。水がないからどこまでできるかわからないけど。」
みつきは「なんだよ。」と思った。助けられる人数は助けたいと言ったからにしては、少ないと思ったのだ。響が2人を担いで、自分も2人担いだら、結局4人しか助けられない。もっと助けられる自信があるような言い方のせいもありそうだ。
響はさっそく行動に移した。みつきも嫌々、響の言われた通りにした。
酸素マスクをつけ、みつきが窓の穴を大きくした。エドガーの落とした銃で小さな穴を開けて大きくしたのだ。しかし響の計算には誤算があった。気圧の違いで、空気の流れがかわり、穴を大きくすることすら難しくなってしまった。
エドガーが逃げるときに開けた穴も最初は気圧の影響があったが、もうすでに影響はなくなっていた。
2度目のみつきが開けた穴のせいで、もうどうしようもなかった。機体はどんどん降下しておりこのまま行けば山中に墜落してしまう。
響の作戦は上手くいかず、結局のところみつきたちの乗った飛行機は墜落した。




