表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァンパイヤ  作者: 天野 光
1章
11/24

心の変化

 ラキュレスは無表情だった。何も考えていないような、そんな目だった。

「コイツら、しぶとい。」

 ラキュレスは何も考えていないような死んだ目で、疑問に思った。

(なぜ、人間は私たちに勝てないと分かっているのに、向かって来るのか。)

 そう考えていた。

「もう少しで、弱そうな方のドラキュラ、やっつけられそう!」

 1人の女性はリングに向かってそう言った。彼女は武器を持って戦っていた。子供も戦っていた。その女性はリングに一太刀浴びせようと向かった。

 しかし、もうひと足のところでリングに見つかり、逆に一太刀浴びせられた。



 響は笑った。確信を持った笑みだった。

「それは、とっても簡単なことだよ。」

 響は言った。

 殺し屋エドガーは蓮を連れて、逃げる準備を着々と進めていた。彼は何かを畳んでいるようだった。パラシュートだろうか。

 しかしそれよりも、不可解なのは蓮だ。彼女にはいつのまにかガスマスクのような物をつけられていた。煙を吸わないようにするためだろうか。しかし、エドガーがつけたとしか考えられない。


(何で響は笑ってるの。)

 みつきは響に聞いたことを後悔していた。響が、自分の心を見透かしているような笑い方。自分が響に聞いた時の表情を想像するだけで、嫌気が差していた。

「もういい、聞かなかったことにして。」

 みつきはそっぽを向いて言った。響は嬉しそうだった顔が元の顔に戻った。

「言っちゃダメなの?」

 響は言いたげな顔をして聞いた。みつきは響の言葉を返さず、そっぽを向いたままだった。何か考えているようだった。響は続けて言った。

「まあ、言ってもいいでしょ。やるべきことは、ただ一つ!人を助けるだけだ!」

 自慢げに響は言った。ずっと言いたかったのだろう。自慢げに言った割に、みつきにはあまり響かなかった。響かないというより、意味が分かっていないような感じだ。

「あ、殺し屋どこか行っちゃうよ。」

 みつきの言葉に響は振り向いた。エドガーは窓を割ろうとしていた。

 響は立ち上がろうとしたが、出来なさそうだった。

 みつきは考えた。

(何で人を助けるの。自分の身は自分で守るのが普通でしょ。でも…)

 みつきは頭がいっぱいで、周りを見ていられなかった。機体についた火は燃え、響は立ち上がれず、エドガーは逃げようとしている。みつきは選択を迫られていた。何もせずに自滅するか、それとも醜く足掻くか。

 みつきは動いた。エドガーの方に向かった。その目には殺意があった。

「蓮ちゃんを返しなさーい!」

 みつきは少し変わったように見えた。人のために戦うのはとても珍しかった。

(アイツは銃を持ってる。だから、銃を向ける前に、仕留める!)

 とても単純な攻め方。だが、その方法は理にかなっている。エドガーとみつきとの距離はそれほど遠くない。そのため、立ち止まらずに走れば、銃を出すよりも早く辿り着ける。みつきは小さい時から短距離走が得意だったため、そこまで難しくはなかった。

 みつきはエドガーの銃を奪って遠くに投げ飛ばした。そして蓮を掴もうとした。しかしあと一歩のところで逃げられてしまった。

「くそ!俺が怪我をしていなかったら。」

 響は自分を責めた。

 みつきは割られた窓から、山の中に降りていくエドガーのパラシュートの様子を見ていた。

「あ、みつき危ない!逃げろ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ