変動
初めて投稿してみました。最初に書いた短編小説はボツにしてしまい、初投稿が連載小説になってしまいました。
これからもちょっとずつ書いていこうと思っています。
よろしくお願いします。
北の果てにある都市、スカインではドラキュラの聖地となっていた。
ドラキュラ城に、人が集められた。集められた人の家族は全員、哀しみにくれていた。
「今日は何人仕留めたんだ?答えろ。」
ドラキュラの王、ラキュレスは嬉しそうに聞いていた。
「はっ。今日は5人仕留めました。」
「それなら、全員私の前に連れて来い。」
ラキュレスの指示は絶対であった。それだけラキュレスの支配力は強く、強大なものなのだ。
ドラキュラ城は、現実でいうところのノルウェーの最北端に位置する。現在のドラキュラの王は、ラキュレスで女だ。
ラキュレスは知力が非常に長けていた。スカインにいるドラキュラは、全員ゴリゴリの武闘派だ。知略で戦うドラキュラなどほとんどいない。だからこそ知略で戦うドラキュラは重宝された。
ラキュレスの前に連れてこられた人は、恐怖で体が震えていた。なぜならドラキュラ城に連れてこられた人は、あまりにも酷い死に方ばかりしていたからだ。しかし最も哀しむのは家族だろう。突然愛する人が消え、そのあともう一生会えないからだ。
ラキュレスは嬉しそうに捕らえた人に拷問をしていた。泣きわめいて、苦しんでいる人のどこが楽しいのか、ドラキュラという生き物は分からないことばかりだ。
現代のヨーロッパは、紛争が絶えず続いていた。逆に日本のあるアジア諸国は、ヨーロッパよりも安全で暮らしやすい。
「あー、お母さん、また失敗した!僕の卵焼きグチャグチャになっちゃったじゃん!」
翔は叫んだ。母親のみつきは家事、特に料理がど下手だった。お弁当に入れる卵焼きを失敗して、翔に怒られるのが日常だ。そのあと毎回決まって、翔はみつきに言い返されている。
「みつき、それはないだろう。翔くん困ってるぞ。」
珍しくみつきの夫、響は軽く叱った。
「あなたは翔くん、翔くんって、ホント子供が好きね。私には分かんない。父親だから?響もお父さんになったのね?」
からかうように言い返して、みつきは買い物に行ってしまった。
「お母さんって冷たいね。」
「ああ、まったくだ。」」
翔と響はボソッとつぶやいた。
みつきは手に何かを握りしめて、買い物から帰ってきた。そしてぐしゃぐしゃになっていた封筒を開いて、つぶやいた。
「なんだろ、これ。住所が書かれてない。書き忘れ?」
みつきは不思議そうに言った。
「いや、書き忘れだったら、届かないと思うよ。自分でポストに入れたとしか。」
響は思考を巡らせながら、話した。
気になったため慎重に封を開け、中身を見た。中には手紙が入っていた。その内容は…
石田 みつき、今から殺しに行く。逃げてもいいが、絶対に逃げきれないと肝に銘じておけ。 殺し屋の王より。
全員固まった。そのあと響はこう聞き返した。
「お前、何かやらかしたか?」
半信半疑の状態で聞いた。心配でしかないようだ。
「何も悪いことしてないよ。」
みつきは響の心配を裏切り、平気そうに答えた。
しかし理由などどうでもいい。そのようなことなど考えている場合ではないからだ。響はみつきと翔を連れて、家を出ていった。
まさに、青天の霹靂とはこのことだ。
最後まで読んでくれて嬉しいです。次回がいつになるか分かりませんが、なるべく早めに出すつもりです。
ありがとうございました。