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光り輝く空の下 ~人が怪物にかわっていく世界の中で、目覚めた超能力を使って戦い生き残る~  作者: よぎそーと
3章

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55 見つかって捕まる危険をおかすわけにはいかない

「じゃあ、ここからはあんたらでどうにかしろ」

 そう告げるとヒロキは立ち去っていく。

 怪物に捕まっていた者達は不安そうな目でそれを追う。

 出来れば最後まで一緒にいて欲しいという気持ちが伝わってくる。

 だが、ヒロキ達はそれを無視する。



 怪物にとらわれていた者達。

 それらをトラックに積み込んで近くまでやってきた。

 大勢の人間を移動させるにはそうするしかなかった。

 だが、そこで下ろされる方はたまらないだろう。



 政府の避難所までおよそ1キロ。

 怪物がうろつくこの状況である国は危険な距離だ。

 最後まで護衛してもらいたいという気持ちも出てくる。

 ヒロキ達にもその気持ちや考えは分かる。

 しかし、そうもいかなかった。



 政府に見つかれば保護されてしまう。

 国民保護のため、政府は人を確実に手元に囲う。

 そうなれば脱出するのが難しくなる。

 立ち塞がる者達を殲滅すれば良いだけだが、手間がかかってしまう。



 そうならないように接触はしない。

 避難所には行かない。

 相手に見つからないギリギリの所まで近づくに留める。

 回収した者達はそこから自分で動いてもらう。



「ほら、鍵」

 車の運転を出来る者達にトラックの鍵を渡す。

「あとは自分でどうにかしろ」

 それだけ言うと、ヒロキ達はその場から立ち去る。

 怪物達から救われた者達は呼び止めようとする。

 そんな彼らの前から、ヒロキ達は去っていく。

 ビルを駆け上りながら。



 レベルが上がったことで身体能力が著しく高まってる。

 壁を垂直にのぼるくらいわけもない。

 レベル8の怪物ですら出来ていたのだ。

 その倍以上のレベルに到達したヒロキ達なら簡単に行う事が出来る。



 単純な移動速度だけでも並の人間を上回る。

 それこそ普通の速度で走ってる自動車並に動くことも出来る。

 そんな者達に追いつけるわけがない。



「仕方ないか」

 鍵を渡された者達はやむなくトラックを走らせていく。

 あと1キロ。

 自動車ならどうという事の無い距離だ。

 それに、走っていれば並の怪物くらいなら簡単に引き離す事が出来る。

 遭遇しても生き残れる可能性はある。

「行くか」

 腹をくくって彼らは避難所を目指していった。



 遠ざかっていくトラックの気配。

 それがまとう不安と恐怖の感情。

 彼らの思いはヒロキにも伝わっている。

 分かっているがあえて無視していく。

 ヒロキにはどうにもならない事だ。



 政府に捕まればどうなるか分からない。

 怪物退治に利用される可能性がある。

「あいつらならそうするよ」

 この中で最も政府関係に近かったヒサトモが言うのだ。



「こんな事になってるし。

 行けば確実に怪物退治をやらされる」

「そういう未来が見えてるのか?」

「見えてるし、見えてなくても今までの事があるからね」

 超能力の開発で何やら色々見たのだろう。

 その体験・経験からくる言葉だ。

 耳を傾けた方が良いとヒロキ達は思っていた。



「ろくな未来も見えないし」

 超能力で見た未来についてはそう語る。

「下手に合流したりしないで、勝手にやっていた方がマシだよ」

「だろうな」

 ヒロキの直観もそう言っている。



 だからヒロキ達は単独行動を選んだ。

 下手に誰かにごうりゅうする事無く、自分達だけで行動しようと。

「その方がいいだろうな」



 だからヒロキ達は選んだ。

 誰とも交わらず、自分達だけでやっていこうと。

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