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光り輝く空の下 ~人が怪物にかわっていく世界の中で、目覚めた超能力を使って戦い生き残る~  作者: よぎそーと
2章

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53 残ってる問題を片付ける義務なんかないけども

「そうだ」

 階段をおりてる途中ヒロキは思い出す。

「あの人達どうする?」

 校庭にいる者達は怪物から解放した。

 しかし、行く当てがあるわけではない。

 この場にいた怪物を倒しても、また別の怪物に襲われるだけ。

 変わってしまった世界で生きていくのは難しい。



「さてなあ」

「そうだな」

 コウシロウとユウマは悩んでる。

 ヒサトモは、

「でも、どうにもならないよ」

 冷淡に見える、しかし厳然たる事実を口にする。



「俺達に助けられるだけの力は無いし。

 人間の避難所に連れて行くのがせいぜいでしょう」

 ヒロキは向かったことはないが、そういう場所があるとは聞いた。

「そうなるか……」



 現実的に考えればそうするしかない。

 怪物から守り切れるわけがない。

 食糧なども足りない。

 何より、より大きな問題がある。



「あの中の誰かが怪物になったらなあ……」

 一番大きな問題だ。

 誰もが開物になる世界だ。

 もし匿った者達が怪物になったらどうするのか?



 いつ怪物になるかも分からない。

 なりやすい人間の傾向はある程度分かるが。

 とはいえ確実とはいえない。

 なので、事前に処分する事も難しい。

 それに、人間の時に殺す問題もある。



「もっと大きな怪物になっても困るし」

 ヒロキにとってそれが一番の問題だった。

 死体が寄り集まって巨大で強力な怪物になる。

 そうなったら対処が面倒になる。

 出て来た怪物が、今のレベルよりも下なら良いのだが。



 この際、人間を殺すという禁忌はどうでもいい。

 食糧の奪い合いで殺し合いになる可能性すらある。

 そんな状況で倫理道徳を考えてるわけにもいかない。

 さすがに人畜無害な人間を殺すもりはないが。

 しかし、怪物になりそうな者や、怪物でなくても襲ってくるような人間を生かしておくわけにはいかない。

 危害を加えてくるならさっさと処分する。

 生き残るために必要な事だ。



(それをしなかったから……)

 ブラック企業で悲惨な目にあってきた。

 それに嫌気がさして、全てを終わらせようとナイフをもって出社した。

 怪物が出てこなければ、それで脅威となる者達を殺していただろう。

 それが怪物に対抗する手段になってくれたのはありがたいというべきか。



 それはともかく、そこにいる人間である。

 ヒロキ達にはかくまう能力などない。

 仕方ないので、人間の集まってる避難所に送る事にする。

 政府が動いてるというので、そちらに向かってもらう。



「途中までは護衛してやるか?」

 他の者に尋ねてみる。

 そこまでやってやる義務や義理はない。

 放り出すのもかわいそうとは思うが。

 ヒロキに慈善活動をするつもりはない。



「そうだな」

「問題がなければやってもいいが」

「どうしようか?」

 ヒロキ以外の者達も考えていく。

 さて、どうするかと。



「出来れば見つかりたくないし……」

 これが一番の問題だった。

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