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4 ついでに他の怪物も倒していく

 室内に残っていた怪物は二匹。

 逃げだした者達を負って外に出ていたのも二匹。

 合計四匹をヒロキは着実に倒していく。



 最初の一匹にやったように、まずは顔に向けて一撃。

 それで倒すのが目的ではない。

 視界を塞ぎ、相手の攻撃を邪魔するためだ。

 隙を作って相手に接近するためでもある。



 色々なものをぶつけて目を塞いでいく。

 室内にあるものを手当たり次第に掴んで投げる。

 文具くらいしかないがそれで充分だった。

 殺傷能力など期待してない。

 相手の目を一時的にでも塞げばいい。



 ねらい通りに怪物は動きを一度止める。

 その隙にナイフを突き刺していった。

 分厚い筋肉は突き刺すのに苦労するが、出来ないわけではない。



 そうして残り四匹の怪物も倒していく。

 簡単ではなかったが、不可能でもない。

 頭に血が上ってるのか、力任せに動くだけだった。

 なので、付けいる隙があった。



 その隙を突いて怪物を倒していった。

 倒れる怪物からは、血液が流れ出していく。

 いずれも心臓を突き刺したので、出血量もかなりのものだ。

 さすがに致命傷なのか、そこから復活する事もなく死んでいく。

「ざまあみろ」

 せいせいした調子で死んでいく怪物を見下ろした。



 そんな怪物の死体を見下ろしてさすがに考える。

 警察に見つかる前に処分した方がいいのだろうかと。

 人間では無いし、襲われたから反撃したので問題は無いとは思ってる。

 しかし、実際に警察や裁判書がどういう判断を下すか分からない。

 証拠は出来るだけ無い方が良い。



 しかし、これは杞憂だった。

 死体になった怪物は、姿を消していく。

 腐食というか分解というか。

 煙になって消滅していった。



「本当に化け物になったんだな」

 さすがにこれには驚いた。

 だが、怪物になった者達があらためて人間ではなくなったと感じた。

 ふさわしい、らしい末路だとも。



 不通、人間や生き物はこんな消え方をしない。

 それが異様で異常な消え方をした。

 こんな死に方、怪物でしかありえない。

 とはいえ、だからこそ当然とも思うのだ。



 もともと怪物のような人間だったのだ。

 それが名実ともに怪物に化けた。

 ただそれだけだと。

 なるべくしてこうなったのだと。



 それが証拠に、怪物に殺された者達。

 その死体は消える事なく残ってる。

 人間は人間らしく死んでいった。

 怪物と違い、生きていた証がそこにある。

 それが怪物との違いに思えた。

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