37 ユウマの心配、彼らの目標
「人捜しって、誰を?」
「彼女だ」
ユウマの短い答えに、他三人は「ああ」と頷いていく。
この騒ぎでユウマは恋人と連絡が取れなくなっていた。
いきなり怪物が溢れたから仕方ない。
まずは生き残らねばならないのだから。
それでもユウマは何とか連絡をとろうとした。
しかし、通信障害が発生してるので携帯電話は通じない。
彼女の家に行こうにもそんな余裕もない。
「だから、物を取りに行くついでに、彼女の家でもよれれば」
そう言ってユウマは頼み込む。
恋人がどうなってるのか心配なのだろう。
「それなら構わない」
ヒロキは承諾した。
他の二人も頷く。
「それでだ」
ここでユウマはヒサトモの方を向く。
「居場所、探せないか?」
超能力をあてにしてるのだろう。
真剣な顔で尋ねていく。
「何かその人だって分かるものはある?
写真とか、所持品とかがあるといいんだけど」
「それなら」
言いながらユウマは携帯電話の画像を呼び出す。
「彼女の写真だ。
それと彼女に借りてた本」
返すつもりで保ってきてそのままになってたという。
それをヒサトモに渡す。
それらを手にしたヒサトモは、返事をする事もなく目を閉じていく。
超能力を使うために意識を集中してるのが分かる。
気が集まって拡大していくのを他の三人は感じた。
結果は一分もしないうちに出た。
目を開けたヒサトモは、
「生きてる」
とだけ先に告げた。
「でも、怪物に捕まってる」
それを聞いてユウマはうつむく。
「周りは怪物だらけだし、簡単には近づけない。
それに、たぶんレベルも高い」
ぱっと見たところ、そのような様子だったという。
「写真と本の気配からたどる事が出来た。
間違いないと思う」
だが、相手も超能力が使える。
長く観測してると気配を察知されるかもしれない。
そうなると、気を伝って居場所がばれる可能性も出て来る。
「だから、はっきりと見たとは言えないけど」
「それでも充分だ」
ユウマは顔を強ばらせている。
恋人を救いに行けないのが辛いのだ。
しかし、絶望してるわけではない。
「強くなる。
レベルを上げれば、怪物も倒せる」
それにユウマはすがる事にした。
今はそれしか頼れるものがない。
「分かった」
そんなユウマの為に、ヒロキ達も動いていく。
「協力する」
「そうだね」
「生き残るだけじゃ味気ないからな」
そう言うヒロキ達にユウマは、
「ありがとう、助かる」
と頭を下げた。




