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3 憂さ晴らしと復讐も兼ねて怪物を殺す

 そんな中、ヒロキはその場で自分の鞄を開いていく。

 中に放り込んでおいた物を取るために。

 そんなヒロキに、最も近くにいた怪物が飛びかかる。

 助走無しで飛び上がり、机を挟んだヒロキに襲いかかる。

 そんな怪物にヒロキは、近くにあった椅子を投げつけた。

 怪物の顔に椅子が当たる。



 椅子をぶつけられた怪物は、一瞬だけ視界を奪われる。

 その間にヒロキは位置をずらし、怪物の直撃を避ける。

 視界を奪われた怪物は着地をあやまり、たたらを踏む。

 その横に身をかわしていたヒロキは、迷うことなく鞄から取り出したものを突き刺す。



 ブスリ、と鋼の刃が怪物に突き刺さる。

 心臓に突き刺さったそれは、確実に怪物の命を奪い取った。

「……ざまあみろ」

 小さく呟いてヒロキは、手にしたナイフを抜き取る。



 怪物を倒してせいせいしていく。

 もともと、日頃の態度が悪い輩だった。

 他人に対しての傲慢で横柄な態度。

 平然と悪口を言うのが当たり前という輩だった。

 近くにいる人間は煙たがっていた。



 そんな輩なだけに、新人のヒロキは格好の玩具だったのだろう。

 ある事ない事理由をでっち上げてヒロキをいびってきていた。

 されてる方のヒロキはたまらない。

 いつか殺してやると、鞄にナイフを忍ばせていた。



 その機会をようやく得ることが出来た。

 いきなり怪物になって人を襲い始めた。

 これなら遠慮無く殺す事ができる。

 怪物になっていく嫌味な輩を見てそう思った。



「すっきりした……」

 倒れる怪物を見て更に呟く。

 これで二度とこいつが悪さをする事はない。

 二度とこいつの嫌味にさらされずに済む。



 そう思うと気分が軽くなっていった。

 体の緊張もほぐれていく。

 倒れてる怪物がストレスになっていたのが分かる。

 このストレスの発生源が消えて気分が楽になった。



 ついでに他の怪物も処分していく。

 いずれも嫌味な連中として社内で知られていた者達だ。

 ヒロキもたまに接触すると嫌がらせを受けていた。

 この機会にまとめて処分する事にする。



 とはいえ、相手はもう人間では無い。

 強力な力を持つ怪物。

 油断は出来なかった。



 だが、怪物だから遠慮はいらない。

 人間だったら、殺せば逮捕される危険がある。

 しかし、もう人間では無いのだ。

 遠慮も容赦も必要ない。

 倒すのは手間だが、遮るものはない。



 喜びをかみしめながらヒロキは怪物へと向かっていった。

 これまでの鬱憤をはらすために。

 二度とそいつらから不当な扱いを受けないようにするために。

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